厚労省、初診・再診料上げの案提示 賃上げ念頭 金額、来月にも結論(24年1月26日 日本経済新聞電子版)

 

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厚生労働省は26日、医療機関の受診時にかかる初診料と再診料を増額する案を示した。外来時の感染対策が日常的に必要となったことや賃上げに対応する。具体的な金額は国民負担の観点も踏まえて議論を詰め、2月にも結論をだす。

 

中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に提示した。2024年度の診療報酬改定で実施する。施行時期は24年度から6月になる。

 

初めて医療機関を受診した際の初診料や2回目以降の受診にかかる再診料は、診療科にとらわれず幅広い医療機関の収入となる。賃上げや物価高騰などの社会情勢を踏まえた対応で、医療機関にとっては使途を限定せず必要な対応に回せる。

 

現在は初診料として2880円、再診料として730円が医療機関に支払われている。患者が窓口で支払う額は1~3割の負担割合によって変わる。3割負担の人の初診料の支払額は864円だ。

 

初診・再診料の上げ幅は調整中だが、自己負担額で数円から数十円程度になる見通し。

診療報酬のうち医療従事者の人件費などに回る「本体」部分の改定率は23年12月に0.88%の増額とすることを決めた。このうち、0.61%分は看護師や薬剤師などの賃上げに充てるため、残りの財源には限りがある。

個別の医療サービスの価格設定を巡っては26日に具体的な協議を始めた。2月にも具体的な金額を決定する。