【速報】「有罪判決ですが、主文は後回し」「心神喪失、心神耗弱の状態ではなかった」と青葉真司被告の責任能力認める 極めて厳しい判決の見通し 京アニ裁判 (24年1月25日 newsYahoo! MBSニュース)

 

 

速報でお伝えします。

 

 午前11時、京都地裁では判決公判が再開され、京都アニメーション放火殺人事件の判決言い渡しが始まりました。青葉真司被告はこれまでと同じ青色ジャージ姿で車いすに乗って法廷に姿を見せました。

 

 

 結論にあたる「主文」は後回しになりました。

 

 裁判長は「有罪判決ですが、主文は最後に告げます」と述べました。先に理由などの読み上げを行うことになり、この後、極めて厳しい判決が言い渡される見通しです。

 

その後、書面を読み上げる中で裁判長は争点の責任能力についてふれ、「心神喪失、心神耗弱の状態ではなかった」と述べ、青葉被告の責任能力を認めました。そして生い立ちに触れながら理由を述べていきました。

 

 犯行については、「生活に困窮する中で、利益を得ている京アニに恨みを募らせ、放火殺人までしないと”盗用が終わらない”と考えて、犯行を決意、京都へ向かった」と認定しました。

「犯行直前、スタジオ前で座り込み逡巡」

これまでの裁判の中で検察は「犯行直前にはスタジオの前に13分間座り込み逡巡していた」と当時の状況を明らかにし、「妄想はあったものの、犯行を思いとどまる力や善悪を区別する力を凌駕するものでは到底ない」責任能力はあったと主張しています。

 

弁護側は犯行当時は「心神喪失」、善悪を判断し、行動を制御する能力が失われた状態だったとして無罪、または「心神耗弱」で刑を減軽すべきと改めて主張しています。

 

これまで裁判は22回開かれました。その中で青葉被告が謝罪の言葉を口にしたのは、21回目の裁判でした。

 

遺族らの意見陳述のあと、検察側から受け止めを求められて、「それはやはり申し訳ありませんでしたという形にしかなり得ない」と初めて謝罪の言葉を口にしました。

傍聴希望の男性「同じ氷河期を生きた人として」

判決公判の傍聴を希望する人たちに話を聞くと、名古屋から来たという20代の女子学生は「昔から京アニが好きで、好きなアニメーターが亡くなったのを知って辛かった。どうなるのか、自分の目で見届けたい」と話しました。

 

福岡から来たという40代の男性は青葉被告と同年代。「同じ氷河期を生きた人としてもだし、社会で居場所を見つけるのは、自分の中でも人生の課題だった」と話しました。

 

25日、青葉被告は午前9時40分ごろ京都地裁に入りました。午前10時半に公判がはじまりましたが、証拠に漏れがあったとして、短い弁論を経て一時休廷、午前11時に再開しています。

 

前田恒彦(元特捜部主任検事)1時間前

解説

無期懲役の場合でもまれに「主文後回し」となることもありますが、ほとんどが死刑です。1月18日に事件当時18歳で「特定少年」として起訴された男に死刑が言い渡された甲府放火殺人事件の裁判も「主文後回し」でした。

 

刑事裁判の判決言渡しでは、まず「主文」で具体的な量刑などが述べられ、次いで「理由」が詳しく説明されるのが通常です。しかし、主文が極めて厳しい内容だった場合、先に結果を知ると被告人が動揺・困惑し、その後の理由部分が全く耳に入ってこなくなる可能性もあります。そこで、理由部分をしっかりと聞かせたい場合には、裁判所の判断で主文を最後に告げるという方法がとられます。

 

京アニ事件の場合、責任能力の有無や程度が争われていることから、主文だけでなく、結論を導いた理由部分の内容が具体的にどのようなものなのかも重要です。判決文はかなり長大でしょうから、詳細が判明するのは午後になるものと思われます。