週末の関東地方は、広く警報級の大雪の可能性ありとの発表、そのわけは?(ウェザーマップ所属気象予報士 杉江勇次)(24年1月19日 newsYahoo!)

 

 

記事(杉江勇次)

 

南岸低気圧が通過へ

写真 20日(土)午前9時の予想天気図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

 

(1)週末の関東地方は、山沿いを中心に大雪、平地でも積雪となる可能性があります。

【本州の南岸を通過する、いわゆる南岸低気圧の影響】

関東地方で雨や雪が降るのは、上図のように南岸低気圧の影響です。

そして関東の上空には、山沿いで雪が降る下層寒気が予想される。

一方、平地は雪になるのか、みぞれになるのか、雨になるのか、わかりにくい寒気予想となっています。

大雪警報の可能性が、広く[中]で発表中

 

写真 早期注意情報(気象庁発表をウェザーマップが作成)

 

(2)関東甲信地方「早期注意情報(警報級の可能性)」

 あさって20日(土)から21日(日)にかけて、大雪警報の可能性[中]が発表されました。

 東京地方にも、2日続けて、発表されています。

 この警報級の可能性[中]というのは、[高]ほど発表の可能性は高くはないものの、気象条件により、一定程度認められる場合に発表されます。

 

(3)今のところ、平野部では雨が降る可能性が高いものの、下層寒気が強くなれば、降水現象が雪に変わり、一気に降り積もる可能性が一定程度ある(そのようなコンピュータの計算もある)ということです。

そのため、大雪警報級の可能性を[中]で発表してきたのだと思います。

 

(4)(気象庁の東京地方の府県情報)

あさって20日(土)午後から21日(日)にかけて雪や雨が降り、多摩地方を中心に大雪となる所があるでしょう。

予想より気温が低くなったり、降雪が強まったりした場合には、多摩地方を中心に警報級の大雪となる可能性があり、23区でも積雪となる可能性があるとの発表になっています。

 

MSM予想では?

写真 MSMによる雨や雪の予想(ウェザーマップ)

 

(5)格子間隔5キロで計算されたMSMの雨や雪の予想

関東で降水現象が始まるのは、あさって20日(土)夜になってから。

21日(日)に日付が変わる頃には、長野や山梨を中心に、関東西部の山沿いでも、大雪が予想されています。

東京都心を含む平地

 今のところ、21日(日)にかけて、雨が主体で降る予想です。

 

GSM予想では?

写真 GSMによる雨や雪の予想(ウェザーマップ)

 

(6)「格子間隔13キロで計算されたGSMの雨や雪の予想」

関東の降り出しはもっと遅く、21日(日)に日付が変わった頃となっています。

その後は、MSMと同様に、時間のずれはあるものの、長野や山梨などを中心に、山沿いで大雪が予想されています。

そして、MSMと同様に、東京都心を含む平地では、今のところ、雨が主体で降る予想です。

 

(7)「気温が1度違うだけで雨が雪に一変する」

現在のコンピュータの予想では、山沿いで雪が降り、大雪のおそれがあるものの、平地では、おおむね雨が主体で、積雪となるような計算とはなっていません。

とはいえ、南岸低気圧における関東の降水現象は、気温が1度違うだけで、状況が一変する可能性があります。最新の情報にご注意ください。