沿岸部の海底85kmが隆起して露出、海岸が最大200m海側にせり出す…国土地理院が解析(24年1月7日 読売新聞オンライン無料版)

 

記事の概要

(1)「珠洲市から輪島市、志賀町にかけて沿岸部が隆起し200ヘクタールほど海岸線が海側にせり出した」

(2)「地球観測衛星「だいち2号」が地表に電波を照射して計測」

(3)「漁港の海底が露出し津波観測計で津波が観測できなかった」

(4)「珠洲市から輪島市までの沿岸の陸地が約240ヘクタール増加」

(5)「国土地理院が航空写真で津波による被害状況を分析」

 

記事

 

(1)「珠洲市から輪島市、志賀町にかけて沿岸部が隆起し200ヘクタールほど海岸線が海側にせり出した」

能登半島地震で、石川県珠洲市から輪島市、志賀町にかけて、沿岸部の海底が総延長約85キロにわたって隆起して陸地となっていることが、国土地理院の解析でわかった。

これに伴い、以前より最大約200メートル、海岸線が海側にせり出していた。

また、津波による浸水被害が珠洲市だけで約130ヘクタールに及ぶことも判明した。

 

 

写真 地盤隆起で海底が露出した石川県珠洲市の津波観測地点(1月2日撮影)=国土地理院提供

 

(2)「地球観測衛星「だいち2号」が地表に電波を照射して計測」

国土地理院は、地球観測衛星「だいち2号」が地表に電波を照射して計測したデータを地震の前後で比較。

能登半島の広い範囲で地盤が隆起し、半島北側の沿岸部では海底が露出していた。地図上で計測すると、約85キロになる。

 

(3)「漁港の海底が露出し津波観測計で津波が観測できなかった」

(輪島市皆月湾周辺)

 地表が約4メートル隆起し、地震前に比べて陸地部分が約200メートル分拡大。

珠洲市長橋町の漁港では海底が露出し、設置された津波観測計が観測できない状態になった。

 

(4)「珠洲市から輪島市までの沿岸の陸地が約240ヘクタール増加」

「日本地理学会のグループが分析」

国土地理院が撮影した航空写真を日本地理学会のグループが分析したところ、珠洲市から輪島市にかけての沿岸部約50キロの範囲だけで、陸地が約240ヘクタール増加していた。

(グループの後藤秀昭・広島大准教授(地理学))

 「この周辺では地形を変えるような大地震が数千年に数回あったとされ、今回は同様の大きな地震が起きたと考えられる」としている。

 

(5)「国土地理院が航空写真で津波による被害状況を分析」

一方、国土地理院が航空写真で津波による被害状況を分析した結果、珠洲市だけで浸水エリアの面積は約130ヘクタールに上った。

エリア内では、広い範囲で家屋の倒壊が確認された。雲がかかって状況が分からない場所などもあり、さらに広がる可能性があるという。

 

リンク 気象庁が「志賀町で震度6弱観測」発表…町職員は「それほど揺れていない」

 

■気象庁が「志賀町で震度6弱観測」発表…町職員は「それほど揺れていない」(24年1月7日 読売新聞オンライン無料版)

 

記事

 

(1)「昨夜午後11時20分頃、志賀町で震度6弱」気象庁

気象庁は、能登半島沖で6日午後11時20分頃、マグニチュード4・3の地震が発生し、志賀町で震度6弱を観測したと発表した。

 

リンク 気象庁が「震度6弱観測」発表、志賀原発で異常確認されず…北陸電力・原子力規制庁

 

(2)「実際の揺れか地盤の影響で地震計が過剰に揺れたのか分からない」

同庁広報室は「志賀町の地震計のデータは震度6弱を示していたのは間違いないが、地震の規模が比較的小さい。実際に揺れたのか、地盤の影響などを受け地震計が過剰に揺れたのかは分からない」としている。詳細は7日午前1時半からの記者会見で説明するとしている。

 

(3)(町環境安全課の職員)

「役場にいたが、それほど揺れていない。体感では震度3~4くらいだと思う」と話した。