開幕500日前 万博の「中止・延期」に合理性はあるか(23年11月30日 産経新聞オンライン無料版)

 

写真 大阪・関西万博の会場建設工事が進む夢洲=11月23日、大阪市此花区(本社ヘリから)

 

記事(藤原 章裕)

 

(1)2025年大阪・関西万博は11月30日、開幕まで500日を迎えたが、なかなか盛り上がらない。

産経新聞が10日付1面で「万博 メキシコが撤退意向」(大阪本社発行版)と報じてから世論の期待はしぼみ、不要論が一気に噴出したからだ。

10月には会場建設費が従来比500億円多い最大2350億円に膨らむ見通しとなったことでメディアの論調も批判的になり、「延期・中止すべきだ」という論調も飛び出したが…。

 

(2)「会場建設費は当初の1250億円の予算がいまは2倍弱に膨張」

会場建設費は当初、1250億円だったが、令和2年に1850億円に引き上げられた。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで資材や燃料価格の高騰が続き、予算が逼迫(ひっぱく)。最終的に当初想定の2倍弱まで膨れ上がった。

 

(3)大阪府市によると、大阪市民1人当たりの負担額は単純計算で約1万9千円になるという。2350億円は国と府市、経済界が3分の1ずつ負担。府と市はさらに折半するため、市の負担は約392億円となる。市の推計人口約277万人で割った上で、府民、国民としての負担も上乗せするとこの金額になるという。

 

(4)これを受け、11月上旬には「#万博中止」が、X(旧ツイッター)のトレンドに入った。

メキシコ撤退のニュースは、万博のネガティブ報道にさらに拍車をかけた。(以下有料記事)