ドル建て日経平均の呪縛(9月28日日本経済新聞)

(1)ドル建て日経平均は先週末で約149ドルまで上昇し、すでに07年7月の水準にほぼ並ぶ。
ドル建て日経平均の過去10年は、150ドルを長期にわたり上回ったことがない。
ドル建て日経平均は大きな節目に達しており、「海外投資家からみると高値警戒感が出てくる水準だ」。
一段の円安が進まない限り日本株の上値余地は乏しいと、海外投資家は感じるかもしれない。

(2)ただ、東京株式市場の需給構造に変化がある。
年金マネーを中心とする国内勢が新たな買い手として台頭。
東証によると、海外投資家は今年に入り9月第3週まで、累計で3000億円近くを売り越した。
半面、年金マネーの動向を映す信託銀行は同期間で買越額が約1兆2000億円にのぼった。

(3)海外勢の買いだけに依存した株価上昇ではなく、国内勢の買いも盛り上がればドル建て日経平均150ドルの呪縛が解ける可能性もある。