今日はまじめな、フクシ屋です。



ちゃんとまじめなことも考えているのです!





さて、昨日になりますが、
録画しておいた
NHKのクローズアップ現代+を見ました。




「認知症でしばられる!?
   〜急増する病院での身体拘束〜」

1月11日に放送されたものです。





まずは、こちらから
公式HPのまとめをご覧ください。





いかがでしょう。


決して軽いとは言えない内容。


介護従事者の方でなくとも
胸に来るものがあるのではないでしょうか。




ちなみに番組では
触れられていませんでしたが、
ベッドに縛られている方の
チェック柄の衣服も
一人では脱ぐことのできない拘束衣です。





また、拘束とは縛り付けることだけでなく
手の自由を奪う
ミトンなども含まれます。



拘束=手足や体を縛ること、ではないのです。





いかがでしょう。


ミトンをしている方、
ご覧になったことのある方も
多いのではないでしょうか?





私自身も特別養護老人ホーム、
デイサービスセンターに勤めていた頃
ミトンを利用者さんに
装着したことがあります。



もちろんご家族同意の元でしたが、
いくら安全のためとはいえ
とても心苦しかったのを覚えています。






私がミトンを装着したAさんは
認知症がかなり進行した状態で、
寝たきりの期間も長く
起き上がることのできない方でした。


しかし腕の力は強く
かつ皮膚がとても弱い方だったため
ご自分でご自分の手を引っかいて
大きな傷を作ってしまうことがありました。


それゆえ、
ミトンが装着されていたのだと思います。

(自分の担当ユニットの方でなかったので
そのへんの記録は見ていませんでした)



ある日、Aさんの入浴介助を
手伝いに向かうことになりました。



入浴中はミトンをすることができません。


そこで、職員1名が
ミトンの代わりとなって、
Aさんの手を握るのです。


私はその係りでした。


(この場合手を握ることも
私は拘束に当たると思っています)



話しかけたりしながら
Aさんがなるべく手に意識を向けず
気持ちよく入浴していただけるよう
職員2人がかりで介助にあたります。



が!

ほんの一瞬、
私がうっかり手を離してしまった間に
Aさんは自分の手の甲を
ガリッと引っ掻いてしまいました。



そこからは大惨事。



皮膚の弱いAさんの手の甲は
べろりと皮が剥がれてしまい
お肉が見えるほどの大きな傷が…



即看護師に手当てをしてもらい
介助後は事故報告書…

そしてAさんにもお詫びしました。



ミトンをしていたら、
起きなかった事故でした。


それ以前に100%私のミスです。


本当に、本当に申し訳なかったです。





そんなことがあったので、
拘束を今すぐ全て廃止しろ!とは
私は言えません。


(Aさんの場合、
もしかしたらミトンで四六時中
手を覆われていて
蒸れたり痒かったりして
引っ掻いてしまったのかもしれない、
とも思うのですけど…)



しかし、
身体拘束には絶対的に反対です。



自由を奪うことなど
あっていいはずがないし、
自由がきかなくなってしまえば
誰だって混乱して
なおさら暴れたくなります。

症状も、悪化していくことでしょう。





ですが、反対だからと言って
今から拘束全部外しまーす!では
事故が起きるのは明らか。


場合によっては
利用者さん・患者さんの
命の危険すらあります。




だから、そのために、
根本的な考えの改革が必要なのです。




怪我の危険がある→拘束


ではなくて、



怪我の危険がある
           ↓
なぜそうなってしまうのか?
           ↓
その原因を減らすためには
私たちに何ができるのか?


こうやって考えに考えて
やれるだけのことをやって、
それでもやっぱり
これは絶対に命の危険がある…!

となったとき初めて
「拘束」というものが
検討されるべきだと思うのです。





クローズアップ現代+の後半に
こんな病床が紹介されました。



ベッドをなくし、
柔らかいマットレスを敷いて
クッションで回りを囲った寝床。




ベッドからの転落の可能性がある方に、
ベッドではない寝床を用意したのです。


これならば、
転落のしようがありません。



こういう考え方の転換が
必要だと思うのです。






ありがたいことに私が勤めていた施設は
このマットレスをすでに採用している、
拘束についてかなり否定的なところでした。



初めて勤めた施設、その次に勤めた施設、
どちらも拘束は極力NG!
という考え方だったため、
それが当たり前な中
成長することができました。


(Aさんは余程検討された結果
ミトン装着となってしまったのだと思います)




何ならオムツも胃ろうも
廃止していこうぜ!という
人としてのあり方を大切にする施設でした。





そういうところで
最初から経験を積むことができたので、
拘束はいけないもの、と
頭と体に染み込ませることができました。




しかし、そうではない施設、
患者さんの安全確保のためにするのよ、と
代々教え継がれて来たようなところは
拘束しなかったら怪我しちゃうじゃん!と
思ってしまう職員さんが
育つのは当然のことだと思います。



だから、そこから
変えていかなきゃいけないのです。




そのきっかけとして、
こういった番組が放送されるのは
とても良いことだと思いました。




職員さんたちに
それを見るほどの時間や体力が
残されているかというと
何とも言えませんが。



だからこそ、
回りから声を上げていくことに
意義があるのではないでしょうか。



社会一般の人たちが
こうした実情を知って、
思ったことを声にする。



小さなことかもしれませんが、
それがたくさん集まれば
社会は変えられると思います。



少なくとも、
認知症、老いというのは
誰にでも降りかかってくるものですから。



誰にだってこうなる可能性があるんです。




改めてリンクを貼ります。


クローズアップ現代+
認知症でしばられる!?
〜急増する病院での身体拘束〜のまとめは
こちらからご覧いただけます。


今一度お読みいただけたら嬉しいです。




人生の終盤、多くの方に
幸せに過ごしていただけますように。





以上、たまーに書く
まじめなお話でした。




フクシ屋次回の出店は


1月21日(日)
三条市の雑貨店
Koti Kukkaさんでの出張販売です。



まじめな話も、
なんてことないお話も大歓迎!


お気軽に遊びにいらしてください!




それでは、今週末はKoti Kukkaさんで
おまちしておりまーす!!!