私の夢。
それはファッションエディターになる事だった。
大学に入って、夢だったファッション雑誌のエディターアシスタントに。
映画のプラダを着た悪魔と全く同じような景色が目の前に。
心のときめきが抑えられなかった。
心からキラキラのオーラが漏れていた。
バイトに行くのが毎日楽しみで仕方なかった。
怒られても、辛いことがあっても、自然と一度もやめたいと思わなかった。
大学4年生を迎えると周りは一気に就活ムード。
私は絶対に、そのままその編集部で、ファッションエディターになると決めていた。
そこで待っていたのは周りの反対だった。
親の反対。学校の反対。先輩の反対。
絶対、新卒の正社員だと。
散々揉めた結果、一社も受からないのもダサいからという理由で、テキトーにアパレルを受けて、テキトーに1社目で受かってしまった。
内定貰っても嬉しくない。
卒業が来て、バイト先の編集部にまた戻ってくると、泣き泣き別れを告げ、入社。
1日でやめた。
それからというもの、当時遠距離をしていた主人と同棲をする方に決め、そのまま結婚。
主婦になったわけだけど、毎日カゴの中の鳥で泣いていた
嬉しかったけど、泣いていた。
自分を誇れなかった。
毎日後悔して後悔して泣いて自分を責めた。
どうしてあの時、掴みかけていた夢を、周りの意見で話してしまったのだろうと。
そこからは、ファッションの世界からは少し離れた仕事をぼちぼちしていたが、昨日、以前応募したH&Mから電話が。
生憎、主人の転勤があり、タイミングが悪くて、働くことはできなかったけれど、どこに応募しても返事が来なかったり、落ちていた私。
完全に自信喪失でやさぐれていたが、
ファッション業界なら、受かる可能性があるのかもしれないと思った。
その一本の電話は光だった。
ふと思い出させてくれた。
そう。
私はファッションエディターになりたかったんだ。ということを。
ファッションの世界にいたいんだと。という事を。
忘れかけていた
大切なこと
思い出させてくれてありがとう。