2016年3月某日、兵庫県姫路市の書写山に登った。『西の比叡山』と称させる円教寺では、2016年1月9日(土)~3月31日(木)まで特別公開が行われ、摩尼殿(まにでん)の御本尊の『如意輪観音像』と、その脇侍の四天王(国指定重要文化財)が拝観できる(入山料500円)。同時に日・祝日は、開山堂の御本尊で円教寺の開創者『性空上人像』も公開。

さらに、性空上人の生涯を描いた貴重な絵巻も食堂(じきどう)で特別公開というので、それらを楽しみに山登りを楽しんだ。

 

書写山を登るには、ロープウェイか6本の参道がある。いつもは、登るとすぐ摩尼殿に出る置塩坂参道(山の東側)から登って、一番ポピュラーな登山道である東坂参道(山の南東側)から下りることが多いが、今回は別ルートで登ってみた。

 

 

西坂バス停からスタート

バス停までは、姫路駅北口から県立大学方面行きの神姫バスに乗って約25分

バス停から東へ1分歩くと日吉神社への参道。兵庫県立大の構内を通って突き当りに・・・

 

日吉神社(天神さん)。日吉神社は入学・資格試験の勝利、安産や子供の安全などに御利益あり。書写山開創の性空上人が比叡山の守護神である山王権現の分霊を祀って守護神としたのが、起源とされる。

 

鳥居を抜けると

絵馬殿

多数の絵馬が奉納されている

 

日吉神社本殿

 

背後に高い木々が茂る

 

日吉神社を参拝した後は、本殿左側にある産道を通って

 

夫婦岩(めおといわ)を参拝。子宝に恵まれるご利益あり

夫婦岩の高さは3メートルほどある

 

手前に夫婦岩から誕生したとされる子供岩

 

日吉神社境内にはトイレがあるが使用禁止

県立大学構内のトイレを使用してとの張り紙がある

 

神社の隅に円教寺専用駐車場がある

関係者以外駐車禁止

 

 

そろそろ登山口からアタック開始(ここが書写山円教寺登山起点の十八丁)

すでに時刻は午後3:00ちょっと過ぎで出陣が遅い・・・

車両通行禁止(自動車・バイク・自転車)。ついでにスケボー・セグウェイ・ドローンも禁止、とにかく徒歩で進むべし。道は車道の一本道なので登りやすく、まず道に迷いません。ただ、下りの場合、一気に駆け下りると足を痛めますので注意。

 

登ってすぐに、紅い鳥居が目印の宗天稲荷大明神

一願成就に御利益あり。せっかくだから登山の無事を祈る

 

コンクリートでとことどころ舗装されている

 

山を切り開いて造られた道

 

午後3:20、作業場の横を通る

 

作業場は立ち入り禁止、重機が数台置いてある。何やってるんでしょう?

 

午後3:23、文殊堂に到着

西坂参道の中間地点にあるので、座って休憩しよう

文殊堂由緒・・・康保3年(966)、紫雲をたなびくのを吉兆と感じた性空上人は、西坂を登ってきた。入山の途中、文殊菩薩の化身とされる白髪の老人に会い、この山の由来を伝えられる。その場所が文殊堂の辺りとされる。

文殊堂は1987年に焼失し、その後再建された。

 

文殊堂前にはお地蔵さんと五輪の塔が並ぶ

 

文殊堂より少し進むと

左一丁『密厳院墓地』の石碑

 

 

埋もれたお地蔵さんの前を通って

 

 

午後3:33、西坂参道と旧馬車道の合流地点に到着

登山道入り口からほぼ30分 (歩数計で約2100歩)

 

かたわらのトイレは老朽化のため使用禁止になっている

 

 

妙光院・十妙院の前を通って

午後3:38、書写山の中枢部・摩尼殿に到着。

 

 

摩尼殿の階段を下りてすぐの位置に

お食事処『はづき茶屋

店内メニューを紹介・・・山菜そば・おでん(5種盛り)・山菜うどん・こぶうどん・きつねうどん・うどん・おにぎり・抹茶・ぜんざい・ホットコーヒー・甘酒・ソフトクリーム各種(スジャータ)

『警察官立寄所』の文字が気になりますが、こんな山奥まで警らされているのでしょうか?

 

看板メニューの力もち

やかんのお茶はサービス

 

お店前に兵庫県福崎町名産のもち麦をつかった商品が数多く売られている

個人的には般若心経手ぬぐい(300円)がおすすめ。外国人観光客にはぴったりのお土産

 

 

さて摩尼殿内陣で特別公開の『六臂如意輪観音像』と『四天王像』を一年ぶりに拝観

いずれも、普段は1月18日の修正会にしか公開されない。3ヵ月近く公開されることは滅多にない。ちなみに如意綸観音様は、金銀などの財宝を授けてくれるというありがたいご利益があります

 

摩尼殿から下を眺める

 

 

大仏さんの前を通って

 

千年杉の前を通って

 

三つの堂に到着。

 

食堂(じきどう)2階にて『播州書寫山縁起絵巻』の特別公開

全長約25メートルの絵巻で、書写山開創者・性空上人の生涯が色鮮やかに描かれている。

 

食堂前にある本多家廟所は残念ながら非公開

 

この後いろいろ見て回ってますが、全部書くと非常に長くなるので省略します

 

 

最後に特別公開を行っている奥之院に到着

手前から護法堂拝殿・開山堂・護法堂がコの字型に並ぶ

 

開山堂で特別公開

御本尊は性空上人像。1007年に上人が亡くなり、遺骨を中に入れた像が作られた。後に、その像が寺とともに焼失したために鎌倉時代に造りなおされたのがこの像とされる。通常は3月10日(胎蔵界曼荼羅供)・4月10日(開山忌)のみ公開される

 

護法堂拝殿

弁慶が若かりし頃(7~10歳)、ここで勉強に励んだという。その際使った机は食堂に展示される

 

護法堂

性空上人が書写山で修行中、そばで仕えた若天護法童子乙天護法童子を祀る。若天は毘沙門天・乙天は不動明王の化身とされる。向かって左が若天社・右が乙天社。護法堂の本殿と拝殿が向かい合わせに離れているのは珍しい造りである

 

不動堂

護法堂の隣りに建つ。妙王院の乙天護法童子の本来の姿・不動明王を祀る

 

 

ここから刀出坂参道から下山する

奥之院のすぐ南に2つの参道が並ぶ

左:刀出坂参道 右:鯰尾(ねんび)坂参道

 

午後5:25、下山開始

書くことも少ないので、風景をたくさん載せておきます

 

いきなり倒木が道をふさぐ

 

少々のぬかるみあり

雨の降ったあとは、気を付けてね

 

 

近畿自然歩道の標識

 

 

刀出谷川のせせらぎに沿って下る

 

刀出谷川 を右へ左へ渡る

大雨のときは危険

 

 

 

 

四角い巨石

 

標識

円教寺 →1.1km

刀出 ↓0.9km

 

午後5:57、下界に帰還

近畿自然歩道の大看板

 

看板わきの標識

円教寺 ↑1.6km

刀出バス停 ←0.4km

 

 

いきなり大規模なソーラーパネル発電設備が出迎え

 

 

午後6:02、刀出登山道出入口に到着

下山開始から約37分 (歩数計で約2450歩)。鹿除けのため扉がある

 

 

登山口をでるとすぐに『香山構跡

 

そして刀出坂登山者用の駐車場

けっこう広いので、15台ぐらい駐車できそう

 

駐車場の隣りにある刀出天神

 

刀出古墳の上に経つ

 

階段の右にある穴から古墳の玄室が覗ける

 

境内に梅が咲いていた

 

バスの通る道路に出ると、角に個寧倉(こねいそう)

姫路藩主・酒井忠道が文化6年(1809)に設けた穀物の備蓄用倉庫。

 

個寧倉の前の道から東に太陽公園の白鳥城がよく見える

ファンタスティック

 

個寧倉から北に200メートル歩くと刀出バス停(1時間に1本程度)

以上で登山終了