『御遺訓』
人の一生は重荷に負いて
遠き道をゆくが如し
いそぐべからず
不自由を常とおもへば
不足なし
こころ望(のぞみ)おこらば
困窮(こんきゅう)したる
時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基
いかりは敵とおもへ
勝つ事ばかり知(しり)て
まくる事をしらざれば
害其身(がいそのみ)にいたる
おのれを責めて
人をせむるな
及ばざるは
過ぎたるよりまされり
徳川家康(伝)
徳川光圀作とされる『人のいましめ』を幕末のころに一部を改めて『東照宮遺訓』として改題されたものだと言われている。
『一生』
待てぬ時
既に心に
辿りつき
遠き道を
折りたたむ
人生に
達人などおらず
ただ
重荷を背負い
ひたむきに
ひたむきに
人は
生きている
不自由とは
飽きるほど
溢れ
なにが
不自由なのかさえ
時に任せ
遠くを
眺めていた
しかし
時
既に辿りつき
今
意志と共に
愛は
蘇る
いそがずとも
いそがずとも
時は
背中から
ゆっくりと
ゆっくりと
心を
包む
及ばずとも
この一生
愛のみに
賭す

