31. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。








「時を忘れて。。。」





アルカナが言った。




行き止まりの道は森の奥深くへと"意志"のように道を見せ始めた。





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アルカナは戸惑う恒太郎を瞳で誘い、見え始めた道をゆっくり進み始めた。






寄り添い歩く二人は夜を纏う森に包まれ、静寂の中に溶けて行った。






時忘れの森の奥深くへと。。。






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波の音が聞こえる薄曇りの砂浜に、一組の男女がいた。




まだ陽の明けきらない空の下、ひんやりとした潮風が二人を撫でていた。





二人の姿は咲き並ぶ花よりも寄り添い、水平線の遥か彼方を見つめる男の瞳は"意志"という"愛"に満ちていた。






人は歩き続けてきた人生という道を引き返せない。



その道を選ぶことさえできずに歩き続ける。



"意志"を持ち明日へ自らを押しやるのみ。



"意志"に背を向けてさえいれば、人生も幸せだと感じるだろう。




しかし、何かが違うと感じ始めた人間は"意志"を探し始める。



向き合うことのない"意志"と出会い、それが何かを知る。






森に見え始めた道は、明日の形だったのか。





"意志"を掴んだものだけが見える道だったのかもしれない。




明日という形が、砂浜に佇む二人の視界に広がり始めているのか。自信に満ちた二人の瞳は穏やかに彼方を見つめ続けた。






確かなもの。





それは"愛" 




そして"意志"だけが"愛"を見せる。








男が言った。






「君はもう。。。"私"なんだね」





女は静かに頷き




「うん」





と答えた。









現と夢の隙間から抱き寄せる"愛"




理解できぬ感情を振り切り。。。



それでも尚"意志"と向き合い"愛"を掴もうとした。。。







現を流れる"時"の中で、明日を。。。。。




二人は見続ける。










ー前編ー


 完






☆後編は秋から。。。