24. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。










「もう。。。後戻りできない」








 恒太郎は水平線の彼方を見つめるアルカナを、背中から強く抱きしめていた。






 アルカナが言った。




「私には、失うものなんか何も無いって。。。言ったけど。。。」






「うん。。。」






「でもね、たった一つだけあるの」






「うん。。。」





「たった一つだけ、失いたくないものが。。。」





 そう言い掛けて、アルカナは声を詰まらせた。





「私が君から離れないと。。。君を失う。。。」





 アルカナは、いったい誰と何を取引をしたのか。。。



 
「君を。。。失いたくないの。。。」




 アルカナの頬を伝う雫は、恒太郎の胸を濡らした。




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 恒太郎は、もう何も聞こうとはしなかった。そして、アルカナの肩を抱いたまま朝日を見つめて言った。







「この海から始めよう。始まりが終わりだとしても僕は構わない。終わりがあるというなら始まりを作ろう。二人で。。。僕が背を向け続けた"意志"は。。。いま僕の腕の中にあるんだ。"愛"という君が。僕はもう二度と背を向けないと誓った。終わりの無い始りを作ろう。二人で。。。」





 アルカナに、約束の無い"永遠"という言葉が見え始めていた。





 二人は寄り添ったまま、海の彼方を見つめていた。






「約束する。僕の孤独を抱き寄せ包んでくれた君を。。。僕は失わない。たとえ僕が消えても。僕は君の"意志"として寄り添い続ける。これが僕の愛。。。それでいいんだ」





 二人の愛は、もはや愛よりも愛でしかなく。。。



 愛ゆえに、二人は愛する意志を掴んでいた。



 

 二人は、愛を見つめ合うように互いの瞳の奥へと溶け込み、淀みなく雫を溢れさせた。


 

 「僕の、心を君に見せよう。。。」





 やがて二人を乗せた車は、音も無く走りはじめた。






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 人の心を寄せ付けぬ城へ。。。




 




 つづく