23. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。





 10年男は夢と現の隙間から、自らの"意志"を"愛"に変え抱き寄せた。




 目前に広がる景色は、確かに風も香りもある。



 そして、アルカナの温もり。。。




 


 現。







 恒太郎の腕は、確かに"愛"を抱きしめていた。




 すがる愛でもなく、寄り添う愛でもなく、そして。。。支え合う愛でもなかった。






 自らの"意志"という"愛"だった。






 人は自分を愛することを躊躇(ためら)う。


 "欲望"という言葉から目を逸らし、"意志"に背を向け続ける。




 しかし、"愛"は自分を愛さぬ限り存在しない。



 それを、10年男。。。起草恒太郎は知った。





 人の心の中に"愛"を探しても、"愛"は"悲しみ"という言葉にさえ聞こえ始める。しかし、自らの心の中にある"意志"に立ち戻った時、"喜び"という"愛"があることに気付く。




 自らの心の中にある"意志"が"愛"そのものだということを彼は知ったのだ。


 しかし、"意志"はアルカナという"愛"として、彼の心から旅立たなければならない。



 

 アルカナが秘かに残した細い糸を彼は手繰り寄せ、二人は叶えられぬ"愛"を掴んだ。


 


 昇り来る朝日の中で、二人は明日を見ようとしているのか。。。






 時は全てを待たず流れ始めていた。


 




$のんびりと







 人は自らの運命と出会う時、本来の自分に戻るらしい。





 
 恒太郎は、この運命の一つ限りの時。。。自らの"意志"に掛けていた。



 

 彼がが言った。





「アルカナ。僕をこのまま愛し続けてくれ。。。現がダメなら。。。」






「ダメなら?」





「僕は君の"意志"になる。君が"愛"として僕の目の前にいる。君にも"意志"があるんだ。なら、僕は君の"愛"になる。"意志"という"愛"に。。。」




「それは出来ない。。。」





「いや、できる。アルカナ。。。君ならその方法を知っている。。。だろう?」







 アルカナは何も答えなかった。





「僕が君の"意志"になれば君を愛し続けることができる。。。」






 アルカナは無言のまま恒太郎の腕の中にいた。






「君が僕で、僕が君で在り続けられるんだ。。。」






「恒太郎。それは出来ない。君のそばにいたい。一緒に居たいんだよ。でも、君に再び会うために取引をしたの。。。」





「誰と?。。。誰とどんな取引をしたの?。。。」




「。。。」







 "切り札"。。。








 つづく





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