「君、どうしたの?浜辺で。。。たった独りで?おっかちぃなー」
恒太郎は、背中から聞こえる声に後ろを振り向いた。
「えっ?」
おさげ髪の女の子が立っていた。
「だって、ほら。。。お兄ちゃんの頬。。。濡れてるお?」
「ん?」
恒太郎は自分頬に左手で触れた。
確かに。。。
「なんでもない」
頬を拭う恒太郎の顔を覗き込み、女の子が言った。
「ふーん。何でもないんだ。ふーん。。。泣いてたおね?お兄ちゃん」
からかわれているように感じた恒太郎は、女の子の顔も見ずに言った。
「君、誰?」
「僕?誰だと思う?」
「知らないよ。知らないから聞いてるんだ」
「ふーん。お兄ちゃんのこと僕。。。知ってるよ♪」
「僕を?僕は君を知らない。誰?」
「えへっ。知りたい?僕のこと知りたい?そっかぁ。。。」
「別に知りたくなんかないよ。いいから、もうあっち行ってくれよ」
「無理!」
「なんでだよ?」
「だから、僕がお兄ちゃんから離れるのは無理だお」
「どうしてさ?」
「ぷっはぁ。やっぱり僕のこと気になるんだー」
「あのさぁ、勝手に顔覗き込んでからかうのやめてくれ。話し掛けるなよ!」
「それも、無理だお」
「はぁーーー?」
恒太郎は立ち上がり女の子の正面に立った。
次の瞬間、瞳に映る景色は夜空となり月が3つ浮かんでいた。
そして目の前には、女の子ただ一人だった。
つづく
