12. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。







「君、どうしたの?浜辺で。。。たった独りで?おっかちぃなー」




 恒太郎は、背中から聞こえる声に後ろを振り向いた。



 

「えっ?」




 おさげ髪の女の子が立っていた。
 





「だって、ほら。。。お兄ちゃんの頬。。。濡れてるお?」





「ん?」





 恒太郎は自分頬に左手で触れた。






 確かに。。。






「なんでもない」





 頬を拭う恒太郎の顔を覗き込み、女の子が言った。





「ふーん。何でもないんだ。ふーん。。。泣いてたおね?お兄ちゃん」




 からかわれているように感じた恒太郎は、女の子の顔も見ずに言った。





「君、誰?」




 
「僕?誰だと思う?」





「知らないよ。知らないから聞いてるんだ」





「ふーん。お兄ちゃんのこと僕。。。知ってるよ♪」





「僕を?僕は君を知らない。誰?」






「えへっ。知りたい?僕のこと知りたい?そっかぁ。。。」






「別に知りたくなんかないよ。いいから、もうあっち行ってくれよ」






「無理!」







「なんでだよ?」







「だから、僕がお兄ちゃんから離れるのは無理だお」








「どうしてさ?」








「ぷっはぁ。やっぱり僕のこと気になるんだー」






「あのさぁ、勝手に顔覗き込んでからかうのやめてくれ。話し掛けるなよ!」





「それも、無理だお」





「はぁーーー?」







 恒太郎は立ち上がり女の子の正面に立った。




 次の瞬間、瞳に映る景色は夜空となり月が3つ浮かんでいた。




 そして目の前には、女の子ただ一人だった。




 

 






 つづく







$のんびりと