20. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。





負のアンジェロが突き出した自らの肉体。


その肉体は正のアンジェロの肉体でもあった。




グレンがその肉体を消し去ることは、正のアンジェロの死を意味する。



負のアンジェロが言った。




「人間の欲望を纏う我が肉体。さぁ、青の城の衛兵よ。。。消し去るがいい。負の遺伝子を消し去れるか?どうだ、出来まい。だから貴様らは弱い。欲望とは恐怖しか招かぬのだ。安っぽい正義など欲望の力の前では無力なのだ」




グレンは、自らが纏う光を消し紋黄蝶飛(モンキチョウ)を纏い始めた。



グレンが言った。



「愚かな。。。人間とは、恐怖の中にしか希望を抱かぬ。今、貴様がどれほどの欲望を纏い恐怖を魅せ負の遺伝子で世界を塗り替えようとしても、正の遺伝子には"希望"という"愛"がある。貴様には無い"愛"が。。。我が肉体は我がものにあらず。青の城の衛兵の意味を貴様は忘れたのか。。。」



負のアンジェロが突き出した肉体を、グレンは自らの肉体を強く重ね抱きしめ始めた。




「正も消さぬ。負も消さぬ。。。正無くば負は負に非ず、負無くば正は正に非ず。。。」



青い閃光を放ちながら、グレンは紋黄蝶飛(モンキチョウ)と共に負のアンジェロの肉体を正の遺伝子で染め始めた。



意識を失い床に横たわっていた正のアンジェロの肉体の影は薄れ、グレンにが抱きしめる腕の中に正のアンジェロの姿が現れてきた。





グレンの姿は、正のアンジェロが覚醒し始めるのと同時に徐々に薄れ消えていった。




青い光は温かく空間を包み、紋黄蝶飛(モンキチョウ)は空高く舞いながら空間に溶けて行った。





$のんびりと






どれほど時が経ったのだろう。。。




メニーナとターニャは下水道の中で、泥水に浸り横たわっていた。




メニーナが目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした。


メニーナは、そばに倒れているターニャを見て、自分たちが目にした世界は。。。その入口は。。。どこへ。。。そう心に問いかけながらターニャを揺すり起こした。



ターニャがゆっくりと目を覚ました。




「僕たちはどうしたんだ。あの世界は?アンジェロは?」




大きく目を見開き、自分を抱きかかえるメニーナを見た。




「ここにあった入口はどこにあるんだ?アンジェロはきっと。。。まだあの凍りつく世界の中で意識を失ったままだ。。。アンジェロを助けなきゃ。。。」




二人は立ち上がり、下水道の壁を手さぐりで伝いながら異空間への入口を探し始めた。




「どこにあるんだ。。。」




吐き捨てるようにターニャが言った。




その時だった。。。




「待って、誰か近づいてくるよ。。。」





何かが近づいてくる気配をメニーナが感じ取った。





下水道の奥から。。。。




床を流れる黒く淀んだ水を掻き分けながら歩き進む水音は徐々に大きくなっていた。





また負の遺伝子の闇が姿を見せ始めるのかと、二人は息を潜めた。






二人に近づく闇の中の足音。。。




うっすらと暗闇の中から浮かび出した姿。。。



それは。。。








つづく