-恋の寿命-
錬太郎はいつものようにソファーで本を読み始めていた。
今夜はなぜか本を読んでいても別のことを考えている。
あまり現実的な話は好まない錬太郎だが、僕らは一人の人を愛し続けることって。。。できるのかな?と。。。
誰でも一度は考えるかな?
もしも、例えば。。。いや万が一。。。恋愛寿命なるものがあったとしたら。
そう思いあれこれ調べ始めていた。
まったく、困った思考回路である。よせばいいものを。。。
すると、以前コンビニで暇つぶしに読もうと思った“人体の限界。。。びっくり博学知識”なる本が机に乗っているのが目に入った。
手に取りまさかと思いながら読んでいくと、そこにはこんなことが書いてあった。
“アメリカの人類学者のH.E.フィッシャーという女性があらゆるデータを調べあげたらしいことが書いてあり、1947年から89年までに離婚した約62か国の夫婦の結婚年数について、国連の人口統計年間を基に調べ、このデータと霊長類の生態研究をからませて出した彼女の結論は。。。
男と女が恋に落ちるのは、脳内に分泌されるPEAという天然のアンフェタミンの作用によるものだが、脳がそれに対する抵抗力を二、三年でつけ、そこで愛しいという気持ちが消え去ってしまう”のだと。。。
なんとも切ない人類の愛。
こんなふうに結論づけられるのは少し悲しい気がする。
あぁぁ止めよう。
あくまで一つの説に過ぎない。自分で読み始めておいて 勝手に結論を放り投げる錬太郎。
広げすぎるから駄目なのか。
何がそこまで考えさせ、なぜ思考を止めたのか?言うまでもないが♪
タマさんが昔こんなことを言っていたのを思い出した。
"男は話しを広げ夢ばかり見て、人を頭と目で愛してる。女は現実の中で生きて人を心と身体で愛するもの。私(女)は“前後左右”で錬太郎(男)は“東西南北”ってとこかな?。。。"
と。。。
ん。。。今になって、少し理解できるようになったのか?
錬太郎は、確かに恋をしているようだ。
くたびれた中年としては、これから背筋を伸ばし、体形も少し気にするくらいにならねば!
と、妙な決意をして眠りに入った。
とにかく滑稽な男である。
神が降りたり、恋をしたり、果ては探偵紛いの“思考の旅”まで企画する。
好奇心が旺盛で、興味が四方八方広がりすぎなのは悪いことではないが、四面楚歌、八方塞に陥るのも常である。
最後は自分で勝手に結論付け、昼行灯♪
ささ。。。眠ろう。。。
「照らす明かりの命短く 消えた後ほど眩しき 君の横顔 」
錬太郎、お休み前の詩であった。
おそまつ♪
つづく
