「宇宙塵雲の中に存在する有機分子がヌクレオチドやタンパク質を形成し、”生命の雲”を通過すると、そこで”生命の種”が与えられるのさ」
「ん???。。。和也。。。なんだよそれっ?もっと分りやすく言えよ。。。」
「これ以上くだいて話せない。さぁ。。。行こう♪君らが想像も出来ない世界へ。見せるよ。40億年前に地球が”生命の雲”を通過した瞬間と同じように、新たな星で生命が誕生する。。。その生命の源を見せてやるよ」
そう和也は言うと、円筒状のカプセルが床から現れた。
錬太郎と美由紀は、その筒状のカプセルに足元から包みこまれた。和也も同様に筒に入り、この空間の足元深く瞬時に吸い込まれていった。
錬太郎と美由紀は、この状況を理解する間もなく宇宙空間に放り出されていた。
自販機でアイスを買うところから、錬太郎はとうとう宇宙にまで。。。行くのか。。。
「ほら、見ろよ。向こうに見えるのが”生命の雲”さ。あそこを通過すると惑星に種がまかれるんだ。単純な化合物から自然に形成される有機化合物の種だよ。地球にも僕らが飛来する前に動物がいたことは教えたよな。還元大気と言われる水素を多く含んだ地球の環境条件、そして太陽との距離も生命の種の成長には丁度良かったのさ」
その雲の色は。。。三原色で言い表せない。。。四原色?。。。
いや。。。人間の言葉で言い表すことなど。。。できない。。。
人間はあまりに幼い。。。と。。。錬太郎は感じた。
美由紀が言った。
「でも、この何もないものから生命って誕生できるの?」
「そうだよ。アミノ酸だって20種類はある。それが出来なきゃ。。。生命なんて成長できないさ。。。だから。。。”生命の雲”が惑星と宇宙空間の間にあるんだ。DNAやRNAになるためには確かにアミノ酸が組み合わさってタンパク質を作る。そうして出来たタンパク質は酵素になったりヌクレオチドの生成過程に組み込まれたりするわけさ。”生命の雲”の中にはシアン化水素が含まれている。単純な分子さ。それが雲の中に含まれていて。。。地球はそこを通過した」
「するとどうなるんだ?」
「8つのアミノ酸が作られるんだ。そして我々はその不足分を補い、地球上に人間という完全な個体を、自らを投射して創り上げたのさ」
「じゃー。。。その”生命の雲”を通過して、恵まれた環境があって。。。和也達5人が。。。その足りないアミノ酸?を補って。。。人間を創った?。。。って。。。こと?。。。」
「美由紀ちゃんの言う通りさ。この銀河系の直径は10万光年。君らが見るシリウスまで9光年、七夕の織女。。。ベガまで27光年、アンドロメダまでは230万光年。。。君らが発見した最も遠い天体。。。クエーサーまでは130億光年だ。一光年は秒速30万キロメートルの光が一年かけて進む距離だろう。君たちが住む銀河系が宇宙全体と比較してスケールがいかに小さいか分るよな。そして、この地球以外にも君らと同様に”生命の雲”を通過し成長している惑星があるんだ。我々は、そこへ行く」
「もう、この地球ですることは無いのか?」
「だから、君たちに”生命のエンジン”をかける!!!」
美由紀が和也を見て言った。
「それって、車にエンジンを掛けるみたいな感じなの?」
”0”ゼロの文字が大きく書かれたTシャツを着たまま、宇宙空間のカプセルの中に和也は、鼻をほじりながら話しを続けた。
「ハハハ^^。。。錬太郎。。。そのカプセルの足元にある円形状の光るボタンがあるだろう!」
「あっ、あぁ。。。これか?」
「それを足で踏んでみろよ」
「ん?何か起こるのか?」
「いいから。。。早く押せよ!」
錬太郎は、ためらいながら右足で踏んだ。
゛生命のエンジン゛がスタートした瞬間だった。。。
和也は、笑いながら錬太郎を見た。
美由紀はカプセルの中にいたまま錬太郎を見つめていた。
錬太郎を包んでいたカプセルは消えていた。。。
そして。。。虫観るチーム全員がとアダムとイヴが。。。
`生命の雲`の彼方から詩を歌いながら。。。現れた。。。
ん?。。。彼らだけではない。。。いったいどれだけの人間?がいるんだ?
彼らは歌い踊りながら近づいて来た。。。
つづく