78.Atlantis | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。







 錬太郎と美由紀の眼前には地球が映っていた。


 和也が話し始めた。




 アトランティスがあった場所だよ。。。



 「今は海底深く沈んでいるから。。。見えないけどな。。。ほら、メキシコ湾と地中海の間だよ。見えるだろう。。。あの大陸が。。。まあ、我々が過去に形跡を残した場所といえば、ピレネー山脈とモロッコ、そしてホンジュラスとユカタン。そしてアメリカさ。アトランティスは大陸の一部だったんだ。インド諸島やバハマにもその一部があるけどね。早く言えば大西洋の中央にあったのさ」




「ほんとだ。見て見て!あそこよ!」







 美由紀が興奮ぎみに声を上げた。








「あれっ?北極と南極が。。。」








 錬太郎が不思議そうに地球を眺めながら言った。








「あぁ、コーカサスとかカルパチア、エデンといった場所は砂漠だったんだ。今の極地は熱帯とか亜熱帯地域だったんだ。サハラ砂漠なんか肥沃でよく洪水になったりしてたよ。ミシシツピ盆地は海底にあったしね」









 と和也が言うと、錬太郎は







「なんで北極とか南極とかが、今みたいに極地になったんだ?」




「あぁ、それか。それは極の転換ってやつさ。そろそろ地球は極の転換期に入り始めているからなー。。。」




「ほんとかよ!。。。それ。。。やばくないか?」




「僕等が嘘を言ってどうなるんだよ。仕方のないことさ。そうやって人類は何度も滅亡し掛かりながらも、僅かに残った人々が過去の文明の遺産を頼りに苦難を乗り越えて来たんだ。まっ、僕らがいたからなんとかなったと言ってもいいけどね」




「ほう。。。和也。。。なんか偉そうに言ってるけど、一つ聞いていいか?」



「どうぞ。。。なんなりと♪」



「少し具体的かもしれないけど、その極の転換ってやつでアトランティスは滅びたのか?」





「確かに極の転換や地殻の変動といった地球規模の自然環境の変化が影響していたことは確かだった。隕石の衝突もな。だが、初めに我々が築いた文明。。。アトランティスは違った。我々の文明が滅亡へと導いた原因は違うところにある」






「それは”愛”だろう!違うか?和也。。。」



「そう結論を急ぐなよ。。。錬太郎が結論を急ぐなんて珍しいな。。。」




「なんだ、はっきりしろよ。。。最後にちやんと言ってくれよな!俺はそれさえ聞けたらいいんだ。。。俺たちがこれからどう生きるかが掛かってるんだから。。。」



「わかったよ。錬太郎。。。お前。。。五大文明とか知ってるか?僕らが言う五大文明とは少し違うが。。。僕らは五大民族としてアトランティスが滅びつつある時、五つの大陸に移り住んだのさ。そして、まだ。。。動物とも見分けのつかない人間達を育て、それそれの文明を成長させていったんだ」





「ふーん。それは大陸が地殻変動によって分かれ始めた頃と同じ時期なのか?」





「そうだ。たから五大民族としたのさ。白人だろう、黄人はエジプトとペルシア、そしてアラビアとインドに。。。五つの場所で文明を築き始めたのさ」





「なにか”五”に拘ってないか?和也?五大民族とか五の場所とか。。。?何か意味があるのか?」




「錬太郎。。。なかなかするどいな!。。。この意味するところは人間にあるんだが。。。」




「君らが創った人間にか?」







「そうだ」








 美由紀が言った!





「私。。。知ってる。。。五感でしょ!なーんてね♪。。。違う?和也さん。。。」



「さすが!美由紀さんは素晴らしい!!!」



「そうなのか?和也?」





「そうさ!視覚に触覚、聴覚に味覚、そして嗅覚さ。今ここにいるアダムとイヴは男女の区別を最初にしたものさ。それをしたのが僕等。。。”創生主”なんだ。実態の無い魂たから、何か自分たちに似せたものを模ることにしたのさ。だから人間には、いつも僕等。。。創生主の五つの感覚器官が組み込まれている。そして、アトランティスが滅亡の期に瀕し、五つの創生主はそれぞれ南方の地へと移動していったってことさ」





「じゃ、ここのいる虫観るチームのメンバーは。。。アッ君とヒマちゃん。。。失礼。。。アダムとイヴがアメーバみたいなものから人間の形に自分を投射し創り上げたのか?。。。で、このアダムとイヴは。。。和也、お前が。。。その。。。なんだ。。。創生主だっけ?そのお前達が創り上げた。そういうことか?。。。たった五人の宇宙人がか?」







「そうさ^^どう?かっくいいだろう^^」






「軽いな~。。。何か変だな。。。胡散臭い」





 錬太郎は疑うような声で言った。



 


「失礼だぞ!そんな疑うような言い方するなよ!」






 和也は、少し声を大きくした。




「そう興奮するなよ。。。けどさぁー。。。お前、昨日まで俺のマンションに仕事が無くて居候してたんだぞ。それが急に。。。創生主とか、自分も含め五人の創生主が人類を創ったなんて言われて。。はいそうですかって、すぐに納得するかよ。確かに今、眼前には地球が見えるけと、トリックてことも考えられるだろう~?」



「よーし、なら見せてやるよ。僕らの真の姿と、その力を。。。」



「張り切るのはいいけどさ、その前に和也、お前の本当の名前と、他の。。。残り四人の創生主の名前、そして彼らが今どこにいるのか教えてくれよ。。。いいだろう?」




「あぁ、いいとも。分った。だが、名乗る前に、君たち人類が共通の文明から五つの地へと分散していった証拠を見せよう。古代エジプト文明と中南米のインディオ文明は知っているだろう」




「ああ、知っている」



「じゃ、バスク語って知ってるか?」


「それは知らない。。。」




 すると美由紀が






「私は知ってる。確か、ピレネー山脈のバスク人が使っている言葉よ。ヨーロッパの中では唯一の非アーリア語よ」



「そう。同様にカナリー諸島の住民は他のアフリカ人とは異なりミイラ処理までしていた。これが何を意味するか解るかな?スペイン、ポルトガル、そしてカナリー諸島の住民が、アトランティスから逃れてきた住民だったのさ」



「ふーん。。。」








 と少し頭を傾げている錬太郎とは対照的に、美由紀は








「なんか、わくわくしてきちった♪」







 と、大西洋の中央と周辺地域を眺めていた。








「ほら、あそこよ!」








 美由紀が指さした。





 全員が手を繋ぎ目を閉じたままのはずだが、その身体から遊離しているかのように地球を上空から自由な角度と距離で眺めていた。







「古代の文明だと君らは言うが、かつて僕らは君ら以上の文明を完成させていたんだ。君らで言うところの1936年イラクで発掘調査をしていた考古学者たちが、”バグダード・バッテリー”といものを発見したんだ。しっかり動作する電池部品だった。足りなかったのは電解液だけだったが、それは2000年も前のものだった。この意味が分かるか?これは我々がそれ以前の文明に授けた技術さ。。。彼らは正確な複製を作り半ボルトの電圧を発生させて見せたよ。。。可愛いもんさ。その頃に使っていた電解液を使用すれは100ボルト程度は発生できたからな。。。ハハッ^^」



「それは何に使っていたんだ?」



「電気分解法を使ったメッキだよ。。。装飾品の。その時代の技術に全くそぐわないだろう^^」


「じゃ、和也達が。。。?」


「ハハッ^^。。。少し信用してきたか?。。。そこに見える、ほら。。。小アジアと南米、つまり物理的に交差するはずのない地域に、ヨーロッパ人が訪れる以前から共通の地名も僕らは名付けていた。それを過去の学者達は小さな偶然だと笑っていたよ。でも、世界中に偶然なんてものは存在しないのさ。人間がそう言うだけで、全ては必然なのさ。”恋”もだ。。。これを見ろよ。。。」



 錬太郎と美由紀は顔を見合わせた。


 和也は大西洋を囲む地域に点在する都市を指さし始めた。





 目の前に繰り広げられる映像と和也の話に錬太郎と美由紀は徐々に惹き込まれていった。。。



 和也は。。。本当に。。。アトランティスの神?。。。




 手を繋いでいる全員が、青い地球を。。。距離と時間を自由に度しながら眺めていた。






 つづく