40.The memory that is recalled | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。




 錬太郎は裕子をマンションまで送り、もう一度自動販売機に戻った。すると




「よっ♪錬太郎。。。俺だよ。自動販売機伯爵だ!」




「よっ!アッ君。。。なんだよ今頃。明後日だぞ!それに。。。秘書の瑠菜さんから聞いたぞ!コインを投入する時間が一緒じゃないか!どうするんだ?麻里恵と俺が自販機にコインを入れる時間が同時だぞ!どうすんだよ。しかも、月日も一緒だぞ!」




 と言うと




「あぁ。。。だから奥さんの泉さんと俺の秘書をサポーターに頼んだんだよ」




 アッ君は話を続けた。




「男女一組で自販機にコイン120円を入れるだけじゃ人間のままでいることができる確率が低いんだ。。。だから。。。誰かもう一人全てを知っている人間が。。。二人を人間にした自動販売機それぞれ同時に120円を投入しなきゃならない。。。」




「だけど時間まで一緒だぞ!7月18日!」




 と錬太郎は声を大きくして自販機を見た。




「それと、なんで泉はお前の秘書の瑠菜さんを知ってたんだ?」




 と聞くと




「それは。。。言えないな。それと。。。あと一つ問題があるんだ」



 と自販機が言った。




「まだあるのか?」




 と錬太郎が声を荒げた。




「錬太郎がコインを入れる自販機だけど。。。電源が入ってないとダメだよな。。。」




「おい!あの時でさえ錆びれて電源なんて入ってなかったのに、いまさら。。。なんだよ」




「まぁ、聞けよ!丁度夏祭りがその街であるらしいんだ。その時だけ電源を入れるらしい。確かではないが。。。」




「確かでなきゃ困るんだ!」




 30分程度二人?一人と自販機は話続けた。


 とにかく、その時間に他の人間が自販機に120円を投入しないことが条件だな。。。よしっ!


 麻里恵と泉には話したから、速水健太と麻里恵。。。錬太郎と裕子。。。それぞれのサポーターが瑠菜と泉だ!錬太郎は自宅のマンションの前まで来た時、雨は既に止んでいた。


 上を見上げた錬太郎は大きく息を吸い込んだ。


 ポケットには多香子がくれた120円が入ったままだった。


 さてと、マンションのエレベターに乗り込むと泉がエレベーターに駆け込んで来た。




「あっ待って!♪」



「どこに行ってたの?」




 と、錬太郎が聞くと




「うん。ちょっとね♪」




 と、チャメッケたっぷりに錬太郎に微笑んだ。




「裕子さんに、ちゃんと話して来た?」




 と泉が錬太郎に聞いた。





「うん。話したよ」



 と答えた。




「泉、俺って病気したことないの?ケガは?最近さ。。。俺。。。この世界。。。いや。。。何か別な記憶がおれの中にあるような。。。」




 と、錬太郎がぼそっと言った。



 俺、何言ってんだ?作られた物語なのに。。。何が昔の記憶だよ。。。でも。。。何かへんなんだ。。。な。。。



「何言ってるのよ。ほらほら。。。お風呂入って♪」




 と、錬太郎をせかした。


 夏菊瑠菜をなぜ知っていたのか。。。泉には聞けなかった。錬太郎の頭の中で、もう一つの真実が。。。呼び起されようとしていた。


 いったい。。。それはどんな記憶なのか。。。


 しかし、それは彼の運命を大きく変えるものだということを。。。まだ。。。知らない。。。






つづく