20.おやじは虫だった。。。 | 我ここに在りてここに無し

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青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。

             

           


「夢見る乙女の夢子さんが言ってたでしょ~人間の方が我々に持っていない思考過程を作り上げている。。。今。。。それを観察し学ぼうとしているって。。。」






 とコーディネーター裕が言った。





「そう言ってたね。。。」






 とおやじがポツリと。






「実は、私達祖先が創造した人類は6回あったの。全て消滅しているのよ。。。貴方達が7回目の人類なのよ。。。ホイッ♪」






 と裕が言うと、おやじは






「えっ!7回目?ふァ~。。。」






 と驚き目を丸くした。



 



「でも、今生きている人間は昔とは別物なんだろう?。。。ん?まさか。。。?」







 裕の返事に時間が掛かっていた。おやじは






「ねぇ、どうなの?コーディネーター裕さん。。。」






 すると、裕がゆっくりと言った






「人類は繰り返されてきた。。。そう。。。同じ過ちを犯す愚かな生き物の集まりよ。悩むをことを諦めない。。。リスクをエネルギーとして社会という組織集団を作り上げ。。。そして破壊し。。。再生し。。。何度も。創造主である我々の意図とかけ離れた末路を辿ってきたの。自然の変調とは別にね。。。」




「貴方達は既に6回生死を繰り返している。だから、貴方達は紀元前から生死を繰り返しているのよ。人間の死は、死ではなく再生するための準備期間に入るのよ。。。」






 おやじは







「なら、俺が前に生きていた時は。。。どんな人間だったの?」






 と言った。裕が。。。言った。






「あの、人間の人口は以前に比べたら増えているでしょう。。。おやじさん。今の貴方達人間が以前も人間だったとは限らないのよ。。。解る?」



「んっ?ん。。。ん。。。すると?俺は?」



「そう。虫だったの。ごめんね~♪ホイッ♪」



「はぁ↓それで虫観るチームなの?」





「創造主である私達は、始め人間を作ることは考えて無かったの。そう。。。人間以外の動植物だけにしようって。我々だけで地球で生きて行こうと考えていたの。始めはね。。。でも、全てが可能。。。考え創造し全て現実ものに出来る私達の中に疑問符が生まれたの。。。つまらないって。。。何も起こらないの。。。思い通りになる世界はつまらないってことに気がついたのよ。。。」



「ふ~ん。。。でも、それって少し勝手だよね」








 とおやじが言った。







「そこで、曖昧な人間という生き物を作ってみたのか?環境に働きかけなければ生存できない生き物を作ってみた。いつも不安に怯え、悩み苦しみ、叶えられぬ望みを叶えるために。。。必至で生きる。そして喜びも感じ取る。。。そんな人間を。。。君たちはずーっと見てきたんだ。なら、もう十分人間が理解できているだろう?虫観るチームさん達は?そうじゃないの?」








 裕は少しためらいながら言った。








「そう。おやじさんが言うことはある意味正しいわ。確かに、ある程度は理解しているつもり。虫観るチームのメンバーは、それぞれ人間の特徴を専門的に理解している者達なのよ。基本的に私達は、白か黒、右か左か、正しいか誤りか。。。色んな出来事を対比して考えることはできるけど。。。今回のメンバーは人間の感情を理解するにつれ。。。より人間的な思考に近づいてきているようなの。客観的に物事を捉えなくなってきているの。。。それに我々のメンバーとは違う観察者がおやじさんの脳の中にどうやら入りこんでいるのよ。。。」




「えっ?なにそれ。。。まだ、他に観察者がいるの?俺の頭の中に?どうなってんの?いつ入ったの?」




「おそらく、初めに無人島で飲んで貰ったビールの中のチップにウイルスが入っていたようなの。。。ごめんなさい。。。」




「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。。。」




「だから、おやじさんの思考に影響を与える可能性が出てきたのよ。でも、私たちが常に観察し非常事態には制御できるよう体制を整えているから大丈夫よ♪ホイッ♪」



「なんか。。。たよりない。。。↓まぁ。。。仕方ないか。。。」







 その一言で済ませるおやじの思考の方が問題かもしれない。






「さっきの意見を聞いていると、随分主観的だったように思ったよ。だけど、君達の中で。。。ん。。。人間の感情の中で。。。いや、脳の中でまだ観察しても学び取れていない部分って。。。いったい何なの?」







 すると裕が







「人間は皆、同じものを見たり聞いたりしていると思っているはず。花や景色。。。人の顔とか。でも、実は目で見ているんじゃなくて。。。目から入ってきた情報を脳で処理しているの。見ようと注視しなければ、いくら目から。。。その情報が入っても脳では認識しないのよ。それは解るでしょ。みんな違うものを見たり聞いたりしているはずなのに。。。しかも。。。小さな頭蓋骨の中の小さな脳で。。。全宇宙まで想像し探求しようとする。その矛盾に疑問も持たずに、日々暮らしている。とても、曖昧な世界で。どうすれば、そういう生き方ができるのか。。。我々には理解できなかったのよ。。。」




「曖昧ね。確かに。。。あれっ、でも。。。それって俺が一番曖昧な人間だから?今回サンプルになったってこと?ん?それって失礼じゃないか」







 とおやじが言うと、裕が






「いえ、それがとても重要なことなの。曖昧ということが、人間の本質そのものかもしれないと。今、我々は結論を出しつつあるのです。。。ホイッ♪曖昧を作り上げている脳の中で、いえ。。。心の中で核心に近づいているようなの。あっ。。。余談が過ぎました。。。では。。。おやすみなさい。。。ホイッ♪あっ。。。それと一つお願いがあるの。。。ですが。。。まあ、それはまたの機会にお話ししますね。。。」








 おやじはコーディネーター裕の言葉を思い出しながら。。。寝室まで聞こえる和也の鼾を聞きながら。。。和也は昔どんな生き物だったのかと・・・想像したくないと思いながらも考えてしまう自分に眩暈を感じつつ眠りについた。



コーディネーター裕が言っていたお願いごととはいったいなんだったのか。。。おやじに新たな課題が与えられることを予感させる言葉だった。



 この宇宙の無限とも思える中のにある小さな星の一つ。。。地球。そこに生きる人間。その人間に不思議さを感じることは、とても。。。曖昧な思考を必要とするのかもしれない。

つづく