おやじが声を荒げ
「おい!聴いているのか!虫観るチーム!」
と言うと、彼らは無表情に
「虫観るチーム、抱きかかえ用意。ホイッ♪」
と号令を掛けた。すると、何も言わずおやじを抱きかかえ密林の奥へ歩き出した。
おやじは呆気にとられたまま無抵抗のまま、南海の孤島。。。密林の奥深くへと消えていった。
おやじは思った。なんで、瞬間移動とかないの?(いや、そんなこと考えるより拉致されているだろうが!能天気だな。。。)なんか原始的だな、この宇宙人チームは。。。と。
不思議なことに彼らを良くみると、全員同じ髪型をしている?ふーん。。。おやじは、あくまでのんびりしている。
自分の置かれている状況に不安が無いわけではないが、完全に好奇心が勝っていた。
暫く彼らに運ばれ移動すると、樹木の空が開けた場所に出た。そこにはファーストシビライゼーションと書かれた看板があった???
しかも。。。カタカナだ。
何これ?
もっとカッコいい宇宙ステーションみたいな基地とかじゃないの?
しかも、ペンキで書いた縦看板?これ冗談?やっぱりドッキリとか?
その看板の向こうに藁葺き屋根の小屋?が見えた。小屋の前で立ち止まり
「虫観るチーム、開け。。。ホイッ♪」
それを聞いて、おやじが言った。
「その。。。”虫観るチームホイッ”って言うの。。。なんとかならない?もっと、こー。。。カッコいい号令とか呪文とかないの?」
と言うと、彼らは何も応えず小屋の扉が自動的に開いた。
「おぉぉぉ・・・ここだけ自動ドアなの?」
と言うと
「いや、蹴飛ばしたんです」
とTMと書かれたTシャツに書かれた 一人の女性が言った。
「えーーーーー!!!なんだよそれっ!」
中に入ると、おやじは驚愕の雄叫びをあげそうになっていた。
まさに、宇宙空間そのものが広がっていた。
「おぉぉぉぉ・・・・・」
おやじの何とも下品な雄叫び。おやじは、無造作に放り投げられた。
「さぁ、おやじさん!下を見て下さい」
おやじは恐る恐る下を見た。
「地球?これ?えっ?俺は地球の上にいるの?いやいや、地球より大きくなってる?」
「正確には地球を小さくしたと言っていいでしょう。目に見えるものの大きさや形など問題ではないのです。すべて人間の創造した世界です。自分達で作り出しているに過ぎないのですから」
「今から脳波測定装置を装着します♪」
すると液体の入った紙コップがおやじに差し出された。
「ん?なにだよこれ?ビール?だよね」
「そうです。今からビールに溶けるチップを飲んで貰います」
「えっ?なんで?溶けたら意味ないんじゃないの?しかも生ビールだよ?これ!」
「いいんです。ビールの方が飲みやすいというおやじの実験データがありますから。チップはカッコだけです。言うならば実験導入剤のようなものです」
「じゃ、別に飲まなくてもいいんじゃないの?」
「いいえ、儀式ですから?」
「その、妙に原始的なんだよな。。。儀式とか?本当に宇宙から来たの?まぁ。。。いっか」
まぁ、いっかぁ。。。で済ますおやじの性格がおそらく彼らの実験体としてふさわしい理由の一つかもしれない。
すると、おやじは彼らの輪の中心に位置していた。彼らは全員、それぞれの頭を触ったかと思うと、次の瞬間坊主になっていた。ツルツル。カツラ?だったんだ~。そして、彼らは手を繋ぎおやじを注視した。
リーダーの女性が号令を掛けた。
「虫観るチーム、侵入開始♪」
えっ。。。進入。。。全員が消えた。。。
「おやじさん。今、貴方の脳内部に侵入しました」
と、どこからか声が聞こえた。ん?おい、みんなどこへ行ったんだ?
おやじはただの藁葺き屋根の小屋の中に立っていた。宇宙空間は既に消えている。もしかして、装置って彼らのこと?米粒は?嘘だろう?
「おぉぉぉい!。。。誰も居ないのか?」
「居ますよ♪おやじさんの脳の中に。装着完了です♪装置装着成功です♪」
「嘘だろう・・・???8人は居たぞ」
「なんでここまで移動しんなきゃならなかったんだ?」
「そういうふうにした方がもっともらしいからです。これから貴方と生活を共にし、モニタリングします」
「訳がわからないこと言うな!。。。虫観るチーム」
おいおい。。。おやじ。。。どうなるんだ?
つづく