世間では夏休みの真っ最中。我が家も例年であれば山歩き旅行に行く時期なんですが、少し前に私が自転車でコケて怪我をしまして、山歩きはもう少し我慢した方がよさげ。

ですがウチの青年の学校も休みでヒマな時期、ウチでだらだらしているのも勿体ないです。何しようかとちょっと考えたところでひらめきました。「そうだ、シュニットガーオルガン聴きに北ドイツへプチ旅行しよう!」

クラシック音楽聴き始めたころからバロック音楽に興味があり、更に15年ほど前にはオルガンに触れる機会もありました。その後中断してしまったのが残念ですが。

その頃からCDの解説やらなんやらで目にして覚えたのが2人のオルガン製作者、Gottfried Silbermann(G.ジルバーマン)とArb Schnitger(A.シュニットガー)です。ドイツ語圏のバロック時代のオルガンではこの2つの名前がとりわけ有名らしいと。

G.ジルバーマンは主に中部ドイツで活躍した人で、以前仕事でドレスデンに足しげく通っていたときにドレスデンとその近郊にあるジルバーマンオルガンを聴く機会は結構ありました。

他方のA.シュニットガーはジルバーマンより少し前の人で、北ドイツ~北オランダで活躍した人。残っている楽器の多くもこの地方にあります。

解説本などで読む情報では、ジルバーマンの音は比較的地味でシュニットガーのは華やかだとか、バッハはジルバーマンのオルガンに触れる機会が多かったがホントはシュニットガーの音が好きだったとか。

北ドイツもオランダも、仕事や旅行で滞在する機会はほとんどなく、シュニットガーオルガンを聴く機会がありませんでした。じゃあそれ目的に旅行しようかってことをだいぶ前から時々思ってはいましたが、夏休みはいつも自転車イベントと山歩きで忙しくて、シュニットガーオルガンの旅はこれまで未実現。

それが先に書いた通り、この夏はどちらもお預けになったので、急遽オルガンの旅のチャンスが到来。とはいえ8月中旬からはなんやかんや予定があるので、数日の間にドタバタっと主な行き先と旅行日程を決めて、8月6日~10日の4泊5日でプチ旅行と相成りました。

行き先は聴きたいオルガンとそれらの演奏機会日程と、その他の便を考えてハンブルクに。

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第1日は移動のあと、夕方からハンブルク市内プチ観光。これの写真をフェイスブックで紹介しました。

続いて第2日の写真を紹介しようと思って写真を選んで解説書き始めたのですが、なんかごじゃごじゃ書きたくなってきました。じゃあ、書いてもすぐ後ろに隠れてしまうフェイスブックだけじゃなくて、あとからでも見つけやすいブログにも書いておことかと。

ってわけで、旅行第2日からの記録となります。ま、第1日も後で書き足すかも。

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第2日、8月7日(日)

この日は旅行の主目的の「シュニットガーのオルガンを聴きに行く」が2件あります。

シュニットガーのオルガン、どの場所にどんな楽器があるかというのは、ググって出てきた中からこのサイトを主に参考にしました。

http://www.orgel-owl.de/as/ind_aska.htm

どこでいつどんな演奏会もしくは礼拝があるかというのは、各教会やその町の情報サイトで。

そうして見つけた最初の1件が、Stadeという街のSt.Cosmae教会の日曜礼拝。ハンブルクの西の方、車で1時間ちょっとのところにあります。まずはこの教会と楽器から。

 

 

 

 

 

 

 

オルガンは3段鍵盤42ストップの立派な楽器なんですが、入れ物である教会堂はそんなに大きくなくて、ちょっと無理やり押し込んだ雰囲気も。建物が小さいので残響も短めで、その辺がちょっと残念と言えば残念。

解説: http://www.orgel-owl.de/as/as_stad.htm

Stadeの街は行くまで全然知らなかったのですが、昔はそれなりに立派なハンザ都市だったようで地図ではっきりわかるお堀跡に囲まれた旧市街がしっかり残っていて、オルガン目当てじゃなくてもハンブルク辺りから日帰り観光に来る人が結構いるような街でした。

 

 

 

 

 

 

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次に回ったのはStadeから更に西に車で1時間ほど行ったところにある、Lüdingworthという小さな村にぽつんと建つSt.Jabobi教会。

 

 

 

 

 

 

ここのオルガンの基本部分はシュニットガーの作ではなく、シュニットガーより一世代前のAntonius Wildeという人が作ったもので、これに後年シュニットガーが補修と増設をしたと。

 

 

 

 

 

解説: http://www.orgel-owl.de/as/as_lued.htm

ペダルの長いパイプ(16フィートの金属開管)がないのでこじんまりとした感じに見えますが、3段鍵盤35ストップと結構な規模です。

残念ながら旅行期間中に演奏される機会がなかったので「見るだけ」の訪問でしたが、教会堂の内装ともども観る価値十分、「行ってよかった」と思いました。

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この日の3件目はハンブルク近郊まで戻ったところ、Neuenfeldeという街のSt.Pankratius教会。

 

 

 




これも現地で案内表示見て初めて知ったのですが、シュニットガーは71年の生涯の後半生をこの街で過ごし、そのお墓はまさにこの教会にありました。

 



 

 

この教会&オルガンでは、4月から12月まで毎月一回オルガンコンサートをやっています。そのうちの一つが8月7日でして、我々の旅行日程を決めた一番の理由でもありました。

2段鍵盤34ストップと、規模としては先に見たLüdingworthのと同じくらいですが、16フィートのPrinzipal管があるので堂々とした見栄えです。

 

 

 



 

解説: http://www.orgel-owl.de/as/as_neuf.htm

教会堂の大きさも先の二つの教会よりかなり大きく、オルガンの規模とのバランスも良さげです。そういう先入観も手伝ったとは思いますが、実際に聴いた響きもとても自然で「これがシュニットガーの音色か」と一人勝手に感激していました。


、、、というわけで、なかなか充実した一日となりました。


続きは明日書けるかな?