サンプルの日 -8ページ目

サンプルの日

今日はサンプルの日

「第91回全国高校ラグビーフットボール大会」(毎日新聞社、全国高体連、日本ラグビーフットボール協会など主催)は1日、東大阪市の無修正DVD 近鉄花園ラグビー場で3回戦を行い、県代表の四日市農芸は過去2度の優勝を誇る東海大仰星(大阪第3)と対戦、5-38で敗れ、県勢初の8強入りはかなわなかった。【谷口拓未】
 何度も倒され、空を仰ぎ見た。それでも立ち上がり、腕一本でもつかみかかった。
 四日市農芸は前半、防戦一方となり、トライを重ねられた。数少ない好機を作っても、粘り強く守られ、ターンオーバーを許す悪循環に陥った。
 ロック・井上拓明選手(3年)の友人、茅野龍さん(18)は「農芸のラグビーをやってくれるはずです」と、後半の巻き返しを期待した。四日市農芸は後半、モールなどを駆使し、ゴールラインに迫る。相手の堅守に阻まれながらも立ち上がり、攻め続けた。
 フランカー・西村香良選手(3年)の母、恵美さん(47)は「死に物狂いでプレーしてほしい」と願った。後半23分、待ち焦がれた瞬間が訪れる。パントの処理をミスしたボールを西村選手がハーフラインで奪うと、果敢に駆け出した。「みんなの思いを背負って、前に進むことだけを考えた」。守備陣を振り切り、飛び込むと、選手たちと抱き合った。
 西村選手の公式戦初トライが勢いを生んだ。応援席では緑色のメガホンが踊り、ここからロスタイムまで、敵陣に攻め込む時間帯が続いた。だが、ゴールラインは割れず、ノーサイドの笛が響いた。
 選手たちは、涙に暮れながらも激闘をたたえ合った。「感動したぞ」。雑草魂で食らい付いた農芸フィフティーンには、客席から温かい歓声が送られた。
 ◇父の夢、兄弟で--加藤仁樹選手(3年)、弘勝選手(1年)
 じりじりとせめぎ合った。平均体重が上の相手と渡り合ったスクラムの最前線は、プロップの加藤仁樹選手(3年)と弘勝選手(1年)の兄弟が務めた。
 2人の父、靖仁さん(39)は同校のロックとして、90年に県大会決勝まで進んだが、聖地には手が届かなかった。父は夢を息子たちに託した。仁樹選手は中学2年生の時、同校の試合を観戦し、体のぶつかり合いや、楕円(だえん)球に懸ける思いに魅了され、父と同じ道を歩む決意をした。弘勝選手は兄を追って入部し、昨年8月から2人でプロップの座を勝ち取った。
 自宅でもスクラムの組み方を研究し、兄が弟に助言などして高め合った。仁樹選手は「遠慮せずに指摘できるしプレーがしやすい」。
 この日、2人は「自分たちが止めれば勝機はある」と意気込み、体重差をものともせず、スクラムで攻め込まれることなく、互角に押し合った。靖仁さんは「連れてきてもらえて感謝している。よくやった」と2人を見つめた。
 試合後、仁樹選手は「弟と一緒にプレーできて良かった。花園で勝ち進む夢は託します」と目を真っ赤にしながら話し、弘勝選手は「いつも兄の背中を追ってきた。もっとうまくなりたい」。ラガーマンのあるべき姿を体で示した兄の思いを背に、弟は飛躍を誓った。【谷口拓未】
………………………………………………………………………………………………………
四日市農芸 反2
 0 0 0 0  0 1 0 0 0  5  5
 T G P D  前 T G P D  後  計
 4 3 0 0 26 2 1 0 0 12 38
東海大仰星 反5
〔三重版〕

1月3日朝刊