家族となった日 | さやみる小説館

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『さやねぇ、おんぶがいい』

『わがままやなぁ』

『あかん?』

『あかん訳ないやろ?
   1回降ろすな』

『ぅん‼︎』



さっき会っただけで
こんなに仲良くなる?
パパには菜々は
懐かへんかったのに
なんで彩ちゃんには
キラキラした笑顔を
むけてるんやろ



『コーヒーでいい?』

『えっ?あー、ぅん』

『さやねぇ。
   やっぱりだっこがいい』

『ははっ
   どっちやねん』

『だっこ‼︎』

『わかったって(笑)』




抱っこしてたのに
菜々のわがままで負んぶ。
でも菜々のわがままで
抱っこに…。
疲れへんかな?
菜々はパパには
負んぶとか抱っことか
せがまへんかったな
やのに彩ちゃんには
こんなに甘えん坊な姿を
見せるってどういうこと?



『ママ‼︎だっこしてもらってる』

『良かったなぁニコニコ
   でも彩ちゃん困らせたらあかんで?』

『はぁい』

『私は大丈夫やで?
   な、菜々ちゃん?』

『……zzz』

『『寝てるし』』』



菜々をベッドに寝かせて
やっと2人になる
沈黙が長くて
付き合ってた時は
こんな沈黙でさえ
心地良かったのに
たぶん今は2人とも
気を遣って喋れへんから
嫌になってくる



『なぁ、、、美優紀』

『なに?』



まだ私は
あの頃の彩を許したわけじゃない
だから気安く喋り掛けられると
イライラするけど
語らへんかったら
ずっとこのままやから
それだけは嫌やし。
せめてこの気持ちは
伝えなあかん。




『あん時の私さ
   アホでさ………
   いろんな子に手出したのは
   ホンマのことやけど
   それでも、、、それでも
   1番好きやったのは美優紀やった』

『そんなん信じられるわけないやん』

『ぅん…でもわかってほしい
   どんな人でもすぐに
   美優紀を重ねてしまって
   長く続かへんかった……
  
   美優紀と別れてからは
   誰とも付き合ってない
   それくらいに美優紀を
   好きやったって、、、
   大切やったって、、、
   必要やったって、、
   思い知らされた。』

『今は?』

『…もちろん今も大好きや
   だから会いに来た
   しんどいなら私が支える
   辛いなら幸せにさせる
   寂しいなら楽しいに変えてやる
   だからもう1回私に
   チャンスを下さい‼︎
   お願いします』



そう言って彩ちゃんは
私の目の前で
手を差し出して
頭を下げた



『信じてええの?』

『えっ?』

『信じてええの?
   幸せにしてくれるん?
   大切にしてくれるん?』

『はい』



『任せて下さい』

『お願いします』


そう言って静かに
ただただ抱きしめあった



私らは寄りを戻すことになったけど
菜々がどういうかわからへん
パパの記憶が残ってる限り
私らが付き合うこと
ましてや家族になることを
拒むかもしれんな……



それでも今日は
家族になるために
近付くために
スタートを切ったんや