週刊サザエさん -3ページ目

5/20放映分「あうんの呼吸」他

●『タラちゃん胸の振り子』脚本:雪室俊一


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 公園で美少女を見たタラちゃんは、胸がドキドキする体験をする。タラちゃんにとっては生まれて始めてのドキドキだったのだ。
 そして、タラちゃんをドキドキさせる美少女をひと目見ようと、マスオやカツオが公園に集う。しかし、現れたのはおばあちゃん。実はタラちゃんがドキドキしていたのは、彼女が連れていた犬に恐怖を感じていたからなのであった。

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 ストーリー作品。タラちゃんかわいいなあ型。
 波平ハゲネタ数あれど、今日ほどツボにハマった回はないのではなかろうか?


 人間の体に興味を持ったタラちゃん。心臓がどこにあるのか知りたがります。そこで波平は「実地教育が一番いい」と、自分の胸にタラちゃんの耳を当てさせます。しかし、聞こえてくる音はドキドキではなくてコチコチ。実は、波平が胸に懐中時計を入れていたと言うオチ。家の中まで時計を持ち歩くとは、何て几帳面な波平さん。


 心臓に夢中なタラちゃん。いきなり「(心臓の)毛が見えないですか?」と言い始めて、サザエをたちろがせます。これは、カツオがタラちゃんに、サザエの心臓には毛が生えていると吹き込んだため。かくして、廊下にてサザエとカツオの「毛」論争が勃発します。
 夕方6時半の番組で「毛」を連発するタラちゃんやサザエ。何だか、恥ずかしくなっちまいます。もう少ししたらカツオには、別の所に毛が生えてくるでしょうね。

 そんな中、居間から波平の咳払いが聞こえます。すると、フネさんがそっと2人に「とにかく毛の話はおやめなさい・・・」と耳打つオチ。ハゲネタ入りました!フネさんの忠告も絶妙のタイミング。これには笑い転げました。


 もう、今回はこれで満足なんですが(笑)まだまだ話は続きます。て言うか、まだだ、まだ終わらんよ!


 カツオの「心臓に毛」発言について、マスオにぶーたれるサザエ。サザエ曰く「学生の頃はノミの心臓と言われたものよ」と、ウソをつきます。絶対にウソに決まっています。
 すると、タラちゃんが「ボクも心臓がドキドキしたいです」と言い始めます。これに対してサザエは「もう少し大きくなって可愛い人を見つけたらドキドキするかもね」と、甘い発言。そう言うドキドキならいいんですけどね。タラちゃんは、危なっかしい母親に対してドキドキする事の方が多そう。


 さて、サザエの発言を真に受けたタラちゃん。公園で遊ぶリカちゃんをストーカーの如くじっと見詰めます。しかし、ドキドキはしません。リカちゃんに対して失礼な!
 すると、そこに巨大なムク犬を連れた美少女が登場します。
 ・・・・・・
 えーと、アナタ、出る番組間違えてません?ロングヘアーにパッチリ目玉の美女です。明らかに番組から浮いています。何てったって、後半のシーンでは夕日をバックに、キラキラと効果音を立てながら、髪をなびかせるんですから。先日の桜井マホと言い、最近のキャラクターデザインは何かと画期的です。


 そんな彼女を見たタラちゃんは、胸がドキドキします。まあ、正直、この時、タラちゃんの目がはっきりとムク犬を捉えているので、オチはバレバレなんでありますが。
 超絶美少女を目撃したため、胸の鼓動が止まらない悩み?を家族に打ち明けるタラちゃん。すると、カツオは「3歳児に相応しいドキドキを(あげよう)」と、タラちゃんをマラソンに連れ出します。しかし、息を切らしているカツオの反面、タラちゃんはけろっとしています。もちろん、心臓は平常なまま。タラちゃんが鉄の心臓を持っている事が明らかになって、後半へ突入。


 タラちゃんに連れられて、公園へ訪れたカツオは、そこで例の美少女と遭遇します。顔を真っ赤にして「ボクもドキドキして来たよ~」と、ふにゃふにゃになります。
 美少女出現の噂を聞いたマスオ。ひと目拝まんと、翌日、サザエに内緒でこっそりと公園に訪れます。先週からエロチカモードが止まらないマスオです。
 すると、公園になぜか現れるノリスケとイクラ。実は、サザエ→タイコと美少女の噂が伝わり、さっそく見物に訪れたのだとか。こう言う時の行動は異様に早いノリスケ。


 しかし、皆が待ち構える中(怪しい集団だよなあ)、ムク犬を連れて現れたのはおばあちゃんでした。実は、美少女はおばあちゃんの孫でして、実家のある京都から遊びに来ていたのだとか。そして、タラちゃんは、実は美少女ではなくて、怖そうなムク犬(本当は優しい犬であるとフォローアリ)を見て、ドキドキしていた事を悟ります。予定調和のオチと言うか何と言うか。


 こうして、美少女騒動は一段落して、一家団欒へ。
 カツオは恥も外聞もなく「ボクのドキドキは美人を見た時だけ」と、臆面もなく言います。波平が呆れかえりますが、こんな発言を堂々とする我が子を持った親の気持ちを考えると、何ともいたたまれませんね。
 すると、そんな波平の気持ちを察したのか、フネさんがカツオに「そんな事より、親をドキドキさせないように」と釘を刺します。フネさん、ナイス突っ込みです。まさに、あうんの呼吸と言うヤツですね。

 ラストはほのぼのモード。マスオがタラちゃんに「一番最初に(タラちゃんの)ドキドキを聞いた」と言います。タラちゃんがサザエのお腹の中にいた時、マスオがその鼓動をお腹越しに聞いたのだとか。そりゃ、タラちゃんの心臓の音じゃなくて、サザエのお腹が空腹で鳴っていただけかも。


 そして、夜。タラちゃんは寝言で「ドッキンドッキン」と言います。どんな夢を見ているのかな?と微笑ましく見守るサザエとマスオ。夢の中では、巨大な振り子が時計の音を刻んでおり、それがやがてブランコに揺られるタラちゃんに変わっていく・・・と言う、ちょっと幻想的なシーンで終わりです。本当の心臓の音を知らないタラちゃんですから、冒頭の波平の懐中時計の音が強く印象に残っていたのでしょうか。
 でも、このシーン。物寂しい音楽と相まって、何だかもう、タラちゃんと言う存在がこの世にいないのでは?と思ってしまったりします。


 冒頭のハゲネタ、作画的にも演出的にも凄まじい美少女の登場、フネさんのツッコミ、ラストのファンタジックなムードと、見せ場が盛りだくさんの面白い回でした。時々、こう言うはじけたお話があるので、サザエさん鑑賞は止められないのですよね。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●エビフライ(夕食)
 2尾。相変わらず、大人も子供も同じ量です。サラダを添える事によって、栄養のバランスは取っている模様。


☆磯野家豆知識================================================


●美少女
 京都出身と言う事で納得しましたが、ステロタイプな京美人のイメージなんですよね。夕日に照らされながら、伏し目がちに胸のリボンをなびかせると言う過剰とも言える演出が効果的でございました。
 なお、セリフは冒頭でタラちゃんを見て「ん?」と言うだけ。まあ、黙っていれば美人と言うタイプなのかも知れません。喋らせたら、オセロ松嶋みたく関西弁バリバリの過激な女性だったりして。


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磯野家株式市況
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タラ+3円
・・・まあ、何をしたと言うわけではないですが、美少女(実は犬)を見て「ドキドキして来たです!」なんて言う所は、普通にかわいいなあなんて思っちゃいました。先週、いろいろあっただけにねえ。
 あと、鉄の心臓を持っている事が発覚した事は大きいです。20年後にこの少年が金メダルを日本にもたらす事を、この時はまだ誰も知らなかった・・・なんて、ナレーションを勝手につけたり。


カツオ▲1円
・・・悪い印象はないんですが、先週の土下座と言い、今週の「ボクがドキドキするのは美人を見た時~」発言などが情けなくて情けなくて、、、


波平+1円
・・・こんな息子を持った彼に同情します。


フネ+2円
・・・「毛の話は~」「親をドキドキさせるな」の2大ツッコミに敬意を表して。前者に関しては、フネさんが言った。。。と言う点がかなり笑いに拍車をかけております。


サザエ+1円
・・・ノミの心臓ですか・・・先々週、リカちゃんのママが「見栄を張ってウソをつく事は一番いけない事よ」と言ってましたけどね。
 美少女に憧れる?マスオに「あなた!」と釘を刺したものの、こっそりとカツオ達と一緒に公園に行くマスオを、微笑みながら見過ごしてあげたりした点は評価したいです。


ワカメ0円
・・・美少女にワクワクドキドキしていただけ。


マスオ+1円
・・・自分の欲望に案外と正直です。


ノリスケ+1円
・・・お金のかからない欲求充足に関しては、やたらと行動が早い事に何だか笑えました。ノリスケだなあ。
 それから、おばあちゃんに「(孫は)昨日、(京都に)帰りましたけど?」と言われて、あからさまに「1日遅かったかあ」とぬかす所なんて、ババアに用はない!と言っているようなもんですよね。毒蝮三太夫か、キミは。


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●『マスオ通勤友だち』脚本:雪室俊一


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 満員電車で学校に通うカナちゃん。ある日、人の波に揉まれて駅で降りられなくなっていた彼女を、マスオが助けてあげる。これをきっかけにして、毎朝、カナちゃんは磯野家にマスオを通勤に誘いに来るようになる。
 最初は、満員電車で助けてくれるのだったら自分じゃなくてもいい、と考えていたマスオであったが、カナちゃんの目はマスオにのみ注がれている事が発覚する。果たして、この2人の終着駅はいずこか?

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 ストーリー作品。マスオいい人型。
 あ、このストーリーダイジェストはウソです(笑)でも、このように見れなくもない展開ですけどね。


 ある朝、磯野家にワカメくらいの女の子がマスオを訪ねて来ます。彼女の名前はカナちゃん。実は、先日、マスオとノリスケが満員電車で助けてあげた女の子なのでした。ある日の帰りの電車でカナちゃんと偶然一緒になったノリスケが、磯野家の場所を教えたと言う次第。こうして、マスオとカナちゃんは仲良く、満員電車で通勤するようになります。


 ここで注目は、カナちゃんの心境でしょう。カナちゃんはノリスケに磯野家の場所しか聞いていません。
 はっきり言って、カナちゃんの存在が鬱陶しい(恥ずかしい)マスオは、ノリスケの家を教えて、彼にお供を任せようとします。しかし、カナちゃんは全然興味なし。マスオにしか興味がないようなのです。
 多感な年頃の女の子、たった一人の通学が寂しくて、マスオと言う通勤友だちができた事を素直に喜んでいる・・・と考えるのは簡単なのですが、なぜ、ノリスケに見向きもしないのか。
 ノリスケの事をフォローすると、彼も冒頭のシーンでしっかりとカナちゃんを助けてあげているのですよね。カツオやワカメ、あまつさえ波平さえ「マスオとノリスケだったら、マスオを選ぶ」と、ヒデエ事を言いますが、少なくとも、ノリスケが頼りなく見える展開ではないのです。
 そう考えると、やっぱり、少なからず、カナちゃんはマスオに気があったのではないでしょうか。まあ、そうすると、ラストのあっさりさにやや不満も出るのですけどね。


 さて、マスオは大弱り。サザエに向かって「責任を感じちゃうんだよね」と愚痴さえこぼします。いつもの優しい頼れるマスオさんを見ていると、この辺の流れは彼らしくなく思うのですが、、、と言いますか、今日のマスオさんは、この話に限らず、かなり負の部分が描かれています。
 そんなマスオを見かねたらしい波平は「明日はワシが行ってやろう」と言い出します。実はうらやましかったんじゃないか?(笑)
 なお、カナちゃんが波平の事を怖がるんじゃないか?と、堂々と毒を吐くワカメに対して、カツオが「かみつきませんって貼り紙をしておけば?」と、波平をいじります。相変わらず、息子にいじられまくる波平。


 翌日、今日もニコニコとマスオを迎えに来るカナちゃん。しかし、代わって現れたのは「今朝はおじさんがご一緒しよう!」と言うハゲたおっちゃん(笑)カナちゃん、戸惑ってます(笑)
 そして、卑怯にもマスオはカナちゃんに見つからないように2人を見送ります。マスオは、一緒に行きなさいよと言うサザエに対して「お父さんの立つ瀬がないよ」と言い訳しますが、カナちゃんの気持ちを考えると、このマスオの態度はちょっといただけません。


 満員電車。波平は片手でカナちゃんを抱きしめています。おいおい、カナちゃんの顔が波平のスゲー位置にあるぞ!ちょっとヤバくないか、これ?
 そして、始まる波平大暴走。電車の中で「すいませーん!おろしてやって下さい!」と絶叫するわ、自分も人の波に巻き込まれてホームに押し出されてしまうわ、挙句に転倒して顔面強打するわ、カナちゃんに「おじいちゃま、怪我しませんでした?」と、逆に気を使われるわ、力尽きてホームのベンチでくたばっているわ・・・な、情けない・・・(ただし、見ているワタシは大爆笑)。


 その夜、カナちゃんに「おじいちゃま」と言われた事がショックらしい波平は、焼き鳥屋でマスオとノリスケに慰められます(笑)更には、今日の失態を隠したいらしく「サザエ達には上手く言っておいてくれ」と、隠ぺい工作を図る始末。ああ、サザエの見栄張りの血はアナタから来ていたのね。


 そんなわけで、翌日から再びマスオがカナちゃんのお供をする事になります。しかし、その日を境にカナちゃんの行方がぷっつりと途絶えます。そんなに波平がイヤだったか(笑)


 ある昼間、磯野家に一人の女性が訪ねて来ます。彼女こそが実はカナちゃんの母。カナちゃんからマスオの話を聞きだして、お礼に来たのでした。そして、学校の近くに引っ越すこと、それまでは自分がカナちゃんの通学のお供をする事を告げます。めでたしめでたし、でした。電車通学しなきゃいけない小学校って、私立の有名校かなんかですかね?


 ただ、個人的には最後はカナちゃん本人にお礼に来てほしかったな、と強く思いました。これだと、カナちゃんがマスオと言う存在を利用してただけのように見えてしまって。ノリスケは眼中になかった、と言う伏線をここで活かしてほしかったものです。


 ラストは級友のヤスコちゃんと通学途中のワカメ。独りで通勤するマスオに向かって「近くにお友だちいないの?」と聞きます。これに対して、マスオは大邸宅を指差して「いるよ、ここ、専務さんの家だ」と回答。すると、ワカメがマスオに代わって「専務さーん、会社に行きましょー」と声を張り上げまして、驚いたマスオが慌てて逃げ出していくと言うオチでございました。


 本筋とは関係ないのですが、磯野家を訪ねてくるカナちゃんの姿を見ている裏のおじいちゃんの姿が印象的でした。
 都合3回登場しまして、2回目は裏ばあも連れてマスオとカナちゃんを見送ります。3回目は誰も居ない磯野家の玄関を覗きこんで「今朝は(カナちゃんが)来ておらんな・・・」と言う役どころ。何か話に絡んでくるのかしら?と思っていたのですが、あくまでも、第三者的立場でした。
 おそらく、見知らぬ少女を連れて歩いているマスオに向けられるであろう、世間の好奇な目を代弁する存在だったのでしょう。普通ならおカルさんが演じそうな役どころを、しばらくご無沙汰だった裏じいに振ってくれたあたりは心憎い演出に思います。


 いろいろ書きましたけど、かなり面白いお話でございました。詳細は豆知識と株式市況の方で。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●焼き鳥(居酒屋)
 年寄り扱いされた波平がマスオとノリスケに慰められる。焼き鳥を肴にビールを飲むと言う定番の展開。波平は結構大きな焼き鳥を口にしています。おそらく、そのボリュームからしてぼんじりでしょう。
 なお、後ろのお品書きに「ねぎ間」とありましたが、ねぎの間に鶏肉があるので「ねぎ間」なのだとか。ワタシは「葱鮪」だと思っていたのですが、こちらは葱と鮪を煮込む料理の事で、焼き鳥のねぎ間とは全く関係ないそうな。


☆磯野家豆知識================================================


●カナちゃん
 名前に関して明らかになるのは、後半のお母さん登場シーンにおいて。それまでは、名無しなんですよね。
 オカッパ頭で赤いランドセル、ピンクの髪留めが印象的。ただ、それよりも、マスオを迎えに来る時の本当に嬉しそうな表情や、波平が現れた時の困ったような顔、ホームで転倒した波平に帽子を差し出してあげる仕草など、細かい所で印象に残るキャラクターでした。
 ちなみにこの子も桜井マホちゃん同様、パンツは見せてません。


●ヤスコちゃん
 ワカメの友だち。ミユキちゃん、スズコちゃんに次ぐ第三の存在か?この子はワカメと揃ってパンツ見せてます・・・うーむ・・・。


●パンツ
 機動戦士ガンダムで有名な富野由悠季監督作品の女性キャラクターにはある法則がありまして、それは「非処女はルージュを引いている」と言うものです。これが、実はサザエさんの女性陣におけるパンツを見せている見せていないの線引きになるのではないか?などと考えてみました。
 先日の桜井マホちゃんや今回のカナちゃんはパンツを見せていません。一方、ワカメやミユキちゃんは朝から晩まで露出しています。
 で、マホちゃんは中島兄に惚れていました。カナちゃんも見方によってはマスオに憧れていた節があります。この辺に「女性としての目覚め」があったのではないかと思うのですよ。噛み砕いて言うと、好きな男性にパンツを見せる事は恥ずかしいと思う気持ちです。
 つまり、ワカメにはまだそう言う気持ちが芽生えていない=あからさまに性差と言うものを意識していない表現の現われが、あの露出パンツなのではないかと思います(ホリカワくんに対して、そう言う気持ちを見せる事もない事はないですが、具体的なものではないような気もします)。いかがでしょう?


 それにしても、こんな夜更けにパンツに対して熱く考察している自分と言う存在が、カツオ以上に情けなく感じますね、、、


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磯野家株式市況
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マスオ▲10円
・・・マスオの気持ちもわからないでもないですが、あからさまにカナちゃんを邪魔者扱いしていてちょっと不愉快な印象がありました。もちろん、マスオの都合も聞かずに磯野家に押しかけてきたカナちゃんにも問題はあるのですが、信頼して頼ってきてくれた子を邪険にするのはねえ、、、この辺りに関しては、マスオ派とカナちゃん派で意見が分かれるところかと思います。
 それから、波平に気を使ったのか、サザエに対して「(カナちゃんにとっては)ボクよりお父さんの方が評判いいみたいだよ」などと言ったり。この発言、波平の耳にも届いているはずですが、とんだ褒め殺しですよね。
 それにしても、マスオさんに悪印象を抱いたのは初めてではなかろうか。


波平+5円
・・・カナちゃんからしてみれば「波平、空気読めよ!」って感じなんですが(笑)駅でのドタバタぶり、おじいちゃんと言われてショボーンとしている様子、姑息に自分の体面を保とうとマスオに隠ぺい工作を持ちかける姿が、もう、威厳も何もない情けない中年男性そのものでした。波平さんのこんな描写も珍しいです。かなり笑えましたけどね(笑)


サザエ+1円
・・・マイナスにするほどでもないですが、お礼を言うカナちゃんの母に対して「いいえ、ウチはみんな子供好きですから」と返す。サザエはカナちゃんに対して何もしていません。
 昼メシをたかろうとしたノリスケを、容赦なく追い出した点は評価したい。


ワカメ+1円
・・・なぜ、カナちゃんはノリスケの住所を聞かなかったのかと言う疑問に対して「何となく頼りないのよね、ノリスケおじさん」と、家族の前で毒。小学校低学年にまでなめられているノリスケが哀れ。


ノリスケ+1円
・・・カナちゃんやワカメに見切られてしまった人。イササカ先生の原稿待ちの間に、サザエに「そろそろお昼時ですね~」と昼食をたかろうとしたセコい行動のツケが出たとも言えます。


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●『あうんの呼吸』脚本:城山昇


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 波平とフネさんはあうんの呼吸。波平の考えている事が、フネさんにはすぐにわかる。一方、サザエ・マスオ夫妻の息はグダグダ。何をやるにも1テンポずれて呼吸がかみ合わない。2人が波平夫妻のようになれるのはいつの日の事だろうか。

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 ストーリー作品。サザエウッカリ型。
 先週、完璧超人ぶりを見せつけたたフネさんですが、今回は更にスケールアップしております。


 サザエのガイド(波平の補助つき)で「あうんの呼吸」と言う言葉の意味が説明されて本編へ。


 神社に行った帰り、喉が渇いたとサザエに言うカツオ。しかし、サザエは「ウチに帰ってお茶にしましょう」と返答。カツオがうらめしそうに自動販売機を見ながら「あうんの呼吸にならないや」とぼやくオープニング。


 そして、帰宅後、サザエ達はオレンジジュースを飲みます。そこに昼寝から目覚めた波平が登場。すると、フネさんがすかさずお茶を差し出します。波平は「ちょうど(お茶が)飲みたいと思ってたんだ」と満足します。まさにあうんの呼吸のお手本。
 それを見習ったサザエ、続いて起きてきたマスオに対してお茶を煎れようとしますが、マスオはあっさり「冷たい飲み物の方がいい」と返答。呼吸の合わない夫婦ぶりを見せ付けます。


 こうして、サザエとマスオのずれっぷりは最高潮に。朝、サザエがマスオを起こしに行くと、既にマスオは起きていて顔を洗った後。サザエが作った朝食(パン)に対して、マスオは「ごはんと味噌汁が食べたかった」、サザエが用意した黒い靴下に対しては「グレーを出しておいてほしかった」、サザエがマスオを見送ろうとすると「トイレだよ」・・・と、阿吽の呼吸の欠片も見えない隙間風吹く夫婦を演じます。
 意外だったのは、マスオのわがままっぷり。マスオの好みを把握していないサザエにも非がありますが、細かい事に愚痴愚痴言うマスオの姿を見せられたら、サザエに同情したくもなります。いつものマスオなら「サザエが用意してくれたものなら」と喜んで受け入れると思うのですが、いい人マスオにも浮き沈みがあるんですね。


 海山商事では、えらそうな管理職がお局風OLに「あれを出してくれ」と指示。すると、OLは「これですね」とファイルを差し出す一幕が繰り広げられます。それを見たマスオが「阿吽の呼吸か・・・うらやましいなあ」と感服。サザエの気の効かなさにどうやらうんざりしている模様です。遂にマスオさんも傍若無人なサザエに我慢ならなくなってきたのでしょうか。
 ちなみに、ひょっこり登場したアナゴくんが「(キミの家には)いいお手本があるじゃないか」と、マスオにアドバイスします。アナゴくんの出番、これだけ。


 さて、超人ぶりに拍車がかかってきたフネさん。サザエに料理の続きをお願いすると、波平の帰りを待ち構える姿勢を見せます。すると、それに呼応したかの如く、波平が帰宅してきます。いやいや、いくら阿吽の呼吸と言っても、これはないだろう?(笑)カツオ曰く「父さんが(今から帰ると)電波を送っているのでは?」と言う危ない発言をしますが、こりゃ、超能力者の域でっせ。
 好意的に解釈するならば、このシーン、雨が降っているのですよね。
 雨→バスで帰ってくる→バスの時刻表は頭に入っている→大体の帰宅時間が割り出せる・・・と言う流れが考えられるものの、別にフネさん、時計を見ているわけではありませんしねえ。もっとも、残業や飲んで帰る時は必ず家に電話をする波平ですから、おおよその帰宅時間はフネさんの頭に入っているのでしょうが、、、


 勘が働かない事をカツオにからかわれたサザエは、フネさんに料理を押し付けて、マスオの帰宅を待ち受けます。しかし、そこはサザエ。マスオはなかなか帰ってきません。諦めたサザエが出直そうとすると、マスオが帰ってくる・・・と言うオチ。
 予測ですが、波平は残業がない限り、キッチリと退社時間には帰宅しているものと考えられます。だから、磯野家到着時間も一定なのではないでしょうか?
 一方、マスオの場合は、退社時間になってもサービス残業したり、アナゴくんやヤカマシさんとくっちゃべっていたりして(若いしねえ)、10分20分の遅れはザラなのではないかと考えられます。こうなると、勘が働かないとサザエを責めるのはかわいそうになります。


 マスオがサザエに、ネクタイの締められたワイシャツの上から着物を着せられると言う小ネタを挟んで終盤へ。こりゃ、阿吽の呼吸云々じゃなくて、単にサザエがそそっかしいだけだ。

 ある日、波平が帰宅すると、カツオがまだ帰って来ていません。波平は「遅くまで遊んどるとはけしからん」と激怒。ようやく「ただいま~♪」と、帰宅してきたカツオに「何がただいまじゃーーっ!」と、大激昂。そして、カツオを外へと投げ飛ばすと(笑)「オマエのようなヤツは家に入れるわけにはいかん!」と、鍵を閉めてしまいます。これまで、小爆発は何度かあった波平ですが、今日のは大噴火でございます。


 しばらくして、台所にてフネさんが「カツオを入れておやり」とサザエに告げます。本当に追い出すつもりなら、勝手口を開けておくはずがないと言うフネさんの見解です。
 そして、サザエに連れられて勝手口から入って来たカツオに対して「よく反省してお父さんに謝るんですよ」と忠告します。それをフスマの影から聞き耳を立てていた波平が満足そうに頷くオチ。厳格な父親に優しい母親と、昭和初期の夫婦を思い出させるような2人ですね。


 そんな2人の阿吽の呼吸に感心するマスオ。サザエも「私たちもそうなるかしら?」と、憧れを口にします。自分たちはまだ2人の域に達していない事を素直にサザエが認める一幕。こう言う姿勢は好感が持てますね。
 さて、マスオにケーキを勧めるサザエですが、マスオは「もう歯を磨いたから」と遠慮します。阿吽の呼吸以前に、寝る前にケーキを勧めるサザエもいかがなものか?
 それはともかく、布団に入って本を読んでいるマスオは、ふとケーキが食べたくなります。そして「もう一度、歯を磨くとするか」と起き出して来ると、サザエが「そう来ると思って紅茶を入れておいたわ」と、ケーキを用意していたと言うオチでした。殆ど、かみ合う事がなかった2人ですが、最後にようやく阿吽の呼吸が達成できたと言う微笑ましいラストでした。


 今回は3本ともかなり面白くて楽しめるお話が揃っていました。破天荒な1本目2本目ももちろんいいのですが、この3本目は磯野家それぞれがいい意味の磯野家らしさを出していまして、自分は好みです。
 特にここしばらくはサザエにムカつかない週はなかったのですが(笑)、今回は彼女に好感が抱けただけでも価値があるものと思います。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●トースト、ハムエッグ、ミルク(朝食)
 和食を食べたかったマスオが文句を言う。いつもはトーストとコーヒーだけなのに、珍しくハムエッグまで作ったサザエは報われません。
 ハムエッグと言えば、次回予告に謎の自動卵割り機械が登場していました。もしかしたら、伏線???


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磯野家株式市況
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サザエ+10円
・・・今回、なぜサザエに好感を抱けたのだろう?と考えたのですが、それはしっぺ返しを食らっているからなんですよね。いつもは手を抜いたり、いい加減な事をしても、それが全てスルーされるから腹が立つのでありまして、今回はマスオの機嫌を損ねると言う痛い目を見ているからなんです。
 いつになくわがままなマスオに責められて、完璧すぎる波平・フネ夫妻に素直に感服する。それ故に、最後の最後でマスオとの阿吽の呼吸を達成した流れには、爽快感さえ感じました。


マスオ▲3円
・・・ちょっとイヤなヤツ。まあ、誰か(今回はサザエ)をよく描こうと思えば、相対的に悪役が必要になるわけでして。


フネ+1円
・・・完璧。夫婦を30年続けたからって、あの域には達しないように思います。熟年離婚とは程遠い2人やなあ。


波平+3円
・・・カツオへの大激怒の迫力に一票。一週間に一度は波平のバカモンが必要だと思う今日この頃。


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今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +667円(+9)→
マスオ+233円(▲12)→
フネ +207円(+3)→
中島 +116円(0)→
タラヲ+77円(+3)→
ワカメ+72円(+1)→
カツオ+37円(▲1)→
花沢 +25円(0)→
イクラ+21円(0)→
ノリスケ▲97円(+2)→
サザエ▲291円(+12)→


 サザエがプラス評価になる日が来るなんて。

5/13放映分「待ってました!授業参観」他

●『待ってました!授業参観』脚本:雪室俊一


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 今年の授業参観は波平が出席する。いい所を見せたいカツオは、手を挙げても当てないように、担任にお願いをする。
 一方、ワカメの不満は波平が年老いている事。他のお父さん達は皆若いので、波平の存在自体が恥ずかしいのだ。そこでカツオとワカメはサザエを巻き込んで、波平に若々しい格好をさせる。
 そして、授業参観当日。張り切って手を挙げるカツオであったが、独りだけしか挙手していなかったために、見事担任に当てられてしまう。もちろん、答えられるわけがなく、波平・カツオ共々恥ずかしい思いをするのであった。

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 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 波平とワカメの年の差って、45歳もありますものね、、、


 いきなり、授業参観で自分を当てないでほしいと、担任に土下座するカツオからスタート。男が軽々しく土下座なんて、父ちゃん、情けなくて涙が出らあ。


 今年の授業参観日は日曜日。磯野家からは波平が出席する事になっています。一方、中島は両親(いるのか?)おじいちゃんとも都合があって来られず、また、花沢父は学校が苦手なため、欠席を表明しております。割合とどうでもいい、カツオの友達情報。


 一方、磯野家ではワカメがショボーン。カツオが理由を問い質すと、それは波平が授業参観に来るためとのこと。ワカメ曰く「だって、お友達のお父さん、みんな若く見えるんだもの」の、波平が聞けばショックで寝込みそうな事を平気で言います。確かに、小学生の親で50代と言うのは、ワカメくらいの子供には辛い現実なのだろうなとは思わせますが。しかも、髪の毛ないし。


 更にワカメは「マスオ兄さんが来ればいいのに」と、ひどい事を言います。絶対に波平さんには聞かせたくありません。それに対して、カツオが「じゃあ、姉さんがお母さんと言う事になるぞ」とツッコミ。すると、ワカメは「それは・・・」と口ごもります。波平がお父さんなのは嫌だが、サザエがお母さんと言う事はもっとイヤと言う事か(笑)


 なお、そんなワカメですが、フネさんが姿を見せると、あっさりと「お母さんが授業参観に来ればいいのに」と、調子のいい事をぬかします。おいおい、ワカメ、ウソだろ?(笑)波平はもちろん、フネさんも、お友達のご両親よりはかなり老けていると思いますけどね。


 そこで、カツオはサザエを巻き込んで、波平が若く見えるファッションを見繕います。もちろん、マスオのコレクションから。そこで、彼らが選んだものは網目模様のスーツに、黄色と緑の縞のネクタイ、更には水玉模様のハンカチ。後半の授業参観シーンで、波平がそれらを普通に着ているところを見ると、サザエが上手く説得して着せたのでしょうね。


 そんなこんなで授業参観日。カツオの教室に若作り(そうは見えないが)した波平の姿が見えます。一方、花沢父は予告通りにおりません。後半の展開で整合性がつかなくなりますが、いないんだからしょうがない。
 先生から約束を取り付けているカツオは、波平にいい所を見せようと、皆に混じって果敢に手を挙げます。橋本は挙げてません(伏線・・・かも?)。
 西原、早川さんと当てられて、いよいよ最後の問題。カツオは張り切って手を挙げるのですが、他は誰も手を挙げていません。バベル花沢に指摘されて、初めて状況に気付くカツオですが、時既に遅し。先生に指名されまして「間違えました・・・」と答えます。見守っているお父さん達は大爆笑。波平が独り肩身の狭い思いをしている姿で終盤へ。
 ちなみに、担任が黒板に書いている算数の問題。桁数が何か変です。小数点がついているから、と言うのは理由にならんと思いますけどね。


 波平の雷にびくつきながら、そっと帰ってくるカツオ。磯野家では、ワカメが「お父さん、若くてステキだって褒められた」とはしゃいでいます。きっと、こんな調子のいい事を言うのは、ジゴロホリカワでしょうね。


 しかし、波平はなかなか帰宅して来ません。昼間っからノリスケ家でビール飲んで酔っ払っているマスオに問い合わせても、波平の行き先はわかりません。息子のバカさ加減に悲観して、家出してしまったのではないかと不安に感じるカツオですが、やがて波平が帰宅してきます。帰り際にバッタリと花沢父に出会ってお喋りしてきたのだとか。


 そして、説教タイム。波平はカツオに「どうして、オマエしか手を挙げなかったかわかるか?」と不思議な事を聞きます。実は、手を挙げても当てられないカツオを気の毒がったクラスの皆が、気を遣って挙手しなかったのだとか。いやあ、ウソだろ?(笑)クラスが一致団結して、カツオに恥をかかせようとしたのだと思うぞ。そして、首謀者は一切手を挙げなかった橋本と見た。


 なぜ、波平がそんな事を知っているかと言うと、花沢→花沢父→波平のルートで真相を聞いたのだとか。花沢父は授業参観に来ていませんでしたから、家に帰るなり、花沢が全て花沢父に喋っちゃったものと思われます。しかも、カツオが担任に土下座した事まで。そんなわけで、久々に波平のバカモン!が炸裂して終わりです。


 磯野家株式市況に書きますが、平坦な話ながらも、各キャラクターの個性が存分に出ていて楽しめました。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●ぶりの切り身(夕食)
 切り身と言えば、鮭が定番の磯野家ですが、今週はちょっと違う感じでした。おそらく、分厚さから考えてぶりの塩焼き(照り焼きではない)ではないでしょうか(ちょっと、季節は外れているように思いますが)。なお、この食事シーンでのタラちゃんが異常に面白かったので後述します。


☆磯野家豆知識================================================


●担任
 久々に登場したような、、、それにしても、カツオの土下座に免じて、本当に指名しなかった(最後の問題はカツオしか手を挙げていなかったので無問題)点は教育者としてどうなんでしょうね?見かけ以上に、案外と賄賂とかに弱いキャラクターだったりして。


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磯野家株式市況
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カツオ+1円
・・・オープニングの土下座シーンは、ちとやりすぎかと思いましたが、その分、痛い目を見たので、これでいいかと。ただ、波平が老けて見える最大の原因は、間違いなくその頭。カツオには、波平に帽子を被らせる知恵を見せてほしかったものです。


ワカメ+2円
・・・ストレートな波平批判。いかにもワカメって感じで好きです。あと、フネさんに対して、波平に言ってた事とコロッと態度を変える辺りも、いかにもワカメ。でも、ワカメの気持ちもわかります。波平には悪いですが、小学生くらいの女の子にとって、波平は必ずしも誇れるお父さん(人格面は別として)ではありませんからね。波平にその不満を直接ぶつけなかった気遣いだけは評価してあげたいものです。


波平0円
・・・まあ、可も不可もなく。ワカメの気持ちなんて気付かないだろうな、この人は。


サザエ+1円
・・・珍しく腹立ちがなかった。こんな事は稀なので、プラスで(笑)


花沢▲3円
・・・波平に伝わるとは思っていなかったのでしょうけど、それにしても、細かい事まで父親に喋りすぎ。カツオの土下座の事まで言う事ないでしょうに。


タラ+1円
・・・食卓の話題は授業参観一色。そんな中、タラちゃんは無言でごはんを食べているんですよ。ビデオを持っている人は見直してください。カツオやワカメが賑々しく喋っているその横で、タラちゃん、シラーっとした感じでごはんを頬張ってますから。
 どんな話題でも首を突っ込むタラちゃんですが、自分には全く縁のないイベントである事を感じ取っていたのでしょうね。
 しかし、通常ならば、笑顔で耳を傾けているタラちゃんの姿が描かれるはず。そこでなぜか、わざわざ作画枚数使って、目を閉じて箸を口に持っていくタラちゃんの姿が描かれているのですよ。何かの伏線かな?と思いきや、何にもなし。今週、もっとも強烈な印象が残った演出でした。


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●『マスオひっぱりだこ』脚本:城山昇


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 タラちゃんを連れて公園に遊びに行ったマスオは、そこにいた子供達の人気者になる。彼らを肩車したり、鉄棒の相手をしたりするのだが、すっかり足や腕を痛めてしまう始末になる。しかし、同時に彼らの若い母親からもモテモテ。肉体は酷使したものの、悪い気はしないマスオであった。

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 ストーリー作品。マスオいい人型。
 ああ、サザエに好感を抱けたのはいつ以来の事でしょう(笑)


 マスオに連れられて、公園に遊びに来ているタラちゃん。しかし、お目当てのブランコは他の子供達でいっぱいです。そこで、マスオは代わりにタラちゃんを肩車してあげます。ところが、それを見ていた子供達が肩車してもらうために、マスオの前に順番待ちの列を作ってしまうオープニング。相変わらず、マスオさん、受難の日々です。


 表を掃除中のフネさん。そこに、タラちゃんが「パパが倒れたですー」と慌てて帰って来ます。そして、カツオに肩を借りて帰ってくるマスオが登場。結局、子供達全員に肩車をして全力疾走したために、足を痛めてしまったと言うオチ。マスオさん、ひ弱すぎです。


 ところが、怪我の功名と言うべきか、そんなマスオの行為を近所の主婦達が大絶賛。噂を聞いてきたサザエも鼻高々です。そして、マスオも自部屋でこっそりと鏡を見て「若いお母さんたちに評判いいのか、ボクもまだまだ捨てたもんじゃない」と独りほくそ笑みます。マスオさん、案外とエロチックです。


 さて、後日。また公園に行きたいと言い出すタラちゃん。先日の事があるマスオは、今日も子供達がブランコを独占しているかも、と何とか公園行きを回避しようとします。しかし、タラちゃんはあっさりと「(その子供達に)パパを貸してあげるです~」と言います。マスオさん、今日もモノ扱いです。


 そんなわけで、公園にやって来たマスオとタラちゃん。すると、遊んでいた子供達が先日のようにマスオの元に集ってきます。先日の一件で肩車には懲りたマスオ、今度は子供達相手に鉄棒の相手をします。しかし、今度は子供達を鉄棒に乗せたりしたために腕を痛めてしまいます。マスオさん、まるでマサルさんに出て来るキャシャリンみたいです。


 そこに買い物帰りのサザエが登場。マスオの苦闘を見抜いたサザエは「お客様が見えてるわよー」と、マスオを呼び出します。サザエは公園から抜け出してきたマスオに「やめるきっかけを作ってあげたの」とニッコリ。サザエ、珍しくGJです!!


 家に戻ったマスオは、フネさんにサロンパスを貼ってもらうやいなや、グッタリ。フネさんと波平に「せっかくの休日だから体を休めてくださいな」と労わってもらいます。本来なら、サザエが言うべき言葉なんだけどねえ。
 そして、マスオは相当疲れたらしく、そのまま寝込んでしまいます。マスオさん、もうちょっと鍛えてください。


 後日、公園のベンチに座っていたマスオは、通りがかった子供に、ふざけて「いないいないばあー」をします。しかし、マスオが顔を伏せている間に、子供は親に連れて行かれてしまい「ばあー」をした瞬間に、代わりにその場所にいたのは若い女性。子供達のアイドルから、途端に近所の不審者になってしまうオチでした。


 カツオ達の野球に参加するマスオさん。ホームランをかっ飛ばして、一躍ヒーローになります(マスオが重すぎてカツオ達が胴上げできずに苦しんでいるオチつき)。最大ヒットポイントが1桁くらいしかないと思われるマスオの体力を気遣うサザエですが、マスオは「ストレス解消に役立っているから」といい顔します。


 そして、ある休日。マスオの言葉を信じたカツオが、再びマスオを野球に誘いますが、マスオは「タラちゃんと遊んであげなきゃいけないから」と、やんわりと断ります。そこに唐突に現れたノリスケ。ノリスケは、イクラの子守と引き換えに、野球に参加してきましょうと言い出します。取引上手なノリスケ。


 そんなわけで、タラちゃんとイクラちゃん相手に遊んであげるマスオ。2人の馬代わりになったりして、野球よりも体力を消耗しているようです。そこに早々と帰ってくるノリスケ。三振とエラーばかりでチームを追い出されたのだとか。単に早く野球を止めたくて手を抜いたとしか思えませんね。


 絵本を読んで、2人を寝かしつけるマスオさん。眠った事を確認して、その場を離れようとしますが、2人が眠りながらもマスオの着物の裾を握ったまま離しません。様子を見ていたワカメが「こっちでも引っ張りだこみたいねえ」と笑って終わりです。


 ここで終わればよかったんですけどね(笑)


 シャツとステテコ姿になって部屋を出てくるマスオさん。後には、脱ぎ捨てられた着物を握ったまま眠っているタラちゃんとイクラちゃんの姿・・・と言う終わり方でした。いや、ここは動くに動けず困ってしまっているマスオさんの姿・・・の方が、彼らしいと思ったんですけどねえ。


 なお、このシーン。マスオさんがステテコ姿のまま、ワカメの前を走り抜けていく姿が描かれます。思春期に入ろうかと言う女の子の前で、その行為は随分ハシタナイと思いますよ。


☆磯野家豆知識================================================


●ハンスと王女
 マスオがタラちゃんとイクラちゃんに読み聞かせていた絵本。最後はハンスと王女が結ばれると締められていますが、果たして、いったい何の童話なのでしょうか?ハンスと言う名前は結構童話に出てきますしね。
 で、引っかかってきたものは、ドイツの民話「三本の金髪のある王女」。王女が出す難問を解いたものは、王女と結婚できると言う設定でして、その謎を解いた貧しいハンスが、王女と結ばれると言うお話です。でも、これってマイナーですよね(笑)


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磯野家株式市況
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マスオ+5円
・・・マスオさんがひ弱なわけではなくて、体を痛めるほど、一生懸命になって子供達を楽しませてあげた、と解釈したいところです。この辺がノリスケとの違いでしょうか。


サザエ+1円
・・・本来なら、フネさんの役割はサザエが果たすべきでしょう。でも、マスオを公園地獄から機転で助けてあげた所は評価したいです。サザエにしては、珍しくいい仕事しましたよね。


フネ+1円
・・・波平もフネさんも、マスオとは(言い方悪いですが)赤の他人なんで、逆にあそこまで気を使えると見るべきでしょうか。


タラ▲10円
・・・だから『マスオさん=いい人』が生まれた時からデフォルトになっているタラちゃんの行く末が心配なんです。だって、パパが倒れるほどの所を見せられた後に「パパを貸してあげるですー」はないでしょう?キミは、またパパを倒れさせたいのか?と、タラちゃんを問い詰めたい。


ノリスケ▲1円
・・・見ず知らずの子供達のために、倒れるまで遊んであげるマスオ。一方、野球を早々に抜け出してきた(本人曰く「追い出された」と言ってますが、随分と疑わしい)ノリスケ。まあ、この世の中、ノリスケみたいな人間が生き残っていくのでしょうけどね。


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●『お母さんの時間』脚本:成島由紀子


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 誰よりも早く起きて、誰よりも遅く寝るフネさん。ワカメはそんな母親の眠る姿を見た事がなかった。そして、母の日にはフネにゆっくり寝てもらおうと、家事を全て引き受けることにする。
 そして、母の日。家族全体が団結してフネに楽をしてもらおうとする。しかし、何かをしていないと落ち着かないフネは、ついつい家事に手を出してしまう。希望に添えず、ガッカリするワカメであったが、フネにとっては皆が自分の事を考えてくれる素敵な母の日であったようだ。

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 ストーリー作品。ワカメ人間砲弾型。
 主役はワカメ。そう言えば、母の日だったんですよね。皆さんはお母さんに何かしてあげました?


 夜中にトイレに起きるワカメ。すると、フネさんがまだ起きていて、ワカメの体操着を縫っています。誰よりも早く起きて、誰よりも遅く寝るフネさん。そう言えば、母親の寝ている姿を見た事がない事実にワカメが気付くオープニング。


 母の日が迫り、カツオとワカメはフネさんに「一番嬉しい事ってなあに?」と聞きます。すると、フネさんは「あんた達が病気をしないこと。いい子でいること。幸せになること」と、母親の鏡のようなことをおっしゃいます。


 そこで、ワカメの提案で「母の日はお母さんに休んでもらおう」と言う事に決まります。すると、サザエが「私に任せて~」と、フネさんに『マッサージつき日帰り温泉チケット』をプレゼントします。なお、サザエがこのチケットを差し出す時、♪ちゃららら~んと、ドラえもんがポケットから道具を出すようなBGMが流れます。


 しかし、そのチケットは期限切れ!しかも、それに気付いたのは渡されたフネさん!気付かなかったのか!さすがサザエ!きっと、安売りチケット屋で(期限が近いので)投げ売りされていたものを買ってきたんだろうなあ。


 そんなこんなで母の日。カツオとワカメは、サザエも巻き込んで一切の家事を引き受けようと早起きをします。時間は何と5時!いくらなんでも早過ぎだ・・・と、思いきや、フネさんは既に起きていてゴミ捨てに出かけていると言う驚愕の展開。いやいやいや、早過ぎにも程があるだろう?(笑)


 そこで、彼らはフネさんを強引に寝かしつけて、代わりに朝食を作ります。後述しますが、結構なメニューなんですよね。おそらく、一緒に起きてきたサザエが中心に作ったと思われますが、やれば出来るじゃん(笑)


 しかし「今日はお母さんは何もしなくていいからね」と言うワカメの気持ちの反面、フネさんは何かと家事に手を出そうとします。フネさん曰く「だって、私は動いている方がいいから」との事。うーむ、、、フネさんのそんな性格はわかりますが、逆に子供達のそんな気持ちを無にしているとは言えまいか?正直、この辺のフネさんの行動はちと疑問に思います。


 その後、戦力外(笑)のタラちゃんは、サザエに言われてフネさんに絵本を読み聞かせます。その最中、フネさんはうっかり居眠り。一生懸命なタラちゃんに対して失礼な!(笑)しかし、ワカメは「やっと母さんの寝顔が見られた!」と喜びます。


 こうして眠ってしまったフネさん。その間に残りの家事を済ませようとする磯野家一同ですが、波平は「一日中、動いていると疲れるものだな」とポツリ。すると、サザエがこう言いやがります。


「わかったでしょ?主婦の大変さが」


 オマエが言うな!!!(笑)
 サザエさん、しょっちゅう、タイコさん家に油売りに行ってますけど、それでも大変なんですかあ?←イヤミ


 さて、一休みしてから家事を始めようとしていた一同ですが、疲れたのかうっかり寝てしまいます。彼らが目覚めると、先に起きていたフネさんが夕食の支度から風呂の準備まで全て済ませていた、と言うオチ。うん、波平やマスオはわかる。カツオとワカメもまあ仕方がない。でも、サザエまで昼寝してしまったと言う現実はどう受け止めるべきなの?普段、殆ど、家事をしていないんじゃないですかあ?←イヤミその2


 最後は一家団欒。サザエが「母の日だから、ゆっくり休んでもらいたかったんだけど」と、自分がゆっくり休んでいた事を棚に上げると、フネさんは「とっても嬉しい母の日でしたよ」と感謝の一言。その理由は「皆が私のことを一生懸命考えてくれたからよ」と、何とも泣かせる言葉。本当にサザエにこの人の血が流れているのでしょうか?(笑)


 相変わらず、フネさん、人間が出来過ぎています。ただ、空気読まずに家事を手伝おうとしていた面はいただけません。その辺が、フネさんの(いい意味での)欠点と考えれば、ちょっとは人間らしさが見えてはきますよね。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●母の日メニュー(朝食)
 内容を列記すると、サケの切り身、ネギとワカメの味噌汁、蒸かしたサツマイモ、玉子焼き、煮物、サヤエンドウ?、サラダ。
 豪華すぎます。朝からこんなに食べられません。5時に起きているのだから、2時間かければこれくらいは作れるでしょうけど。でも、それだったら、パンとコーヒーだけと言う普段の朝食の貧相さは何なのでしょうね?


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磯野家株式市況
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ワカメ+1円
・・・一番、一生懸命フネさんの事を考えていたのは間違いなくワカメ。6月の父の日には波平にもこのくらいの事はしてあげてください。


フネ0円
・・・正直、完璧すぎてちょっと鼻についたりもしたので上げ下げはナシ。天邪鬼かも知れませんが、これだけ、フネさんの見事さをアピールされると、逆にアラを探したくなってしまうものです。
 磯野家は押しなべて早寝なので、11時には就寝していると考えて、朝は5時前に起床。年寄りは朝が早いと言いますけど、平均睡眠時間は5~6時間と言ったところでしょうか。


カツオ0円
・・・んー、今回に限って言えば、ワカメの腰巾着。寝坊の常習犯のカツオが、ワカメに起こされたとは言え、朝5時に起きるなんて滅多に見られるものではないですが。


サザエ▲5円
・・・「主婦の大変さが・・・」のセリフに、神経を逆撫でされたので(笑)みんなと一緒に昼寝してしまった展開に苦言を呈しましたが、よく考えてみれば、サザエも5時に起きているわけで、そりゃあ、昼は眠くなってしまうよなあ、と一応の弁護も。


タラ▲1円
・・・キミの母はフネさんじゃなくて、サザエだよ?まあ、サザエがそれを盾にして、タラちゃんに何かを要求すると言う展開はイヤですけど。


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今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +658円(0)→
マスオ+245円(+5)→
フネ +204円(+1)→
中島 +116円(0)→
タラヲ+74円(▲10)→
ワカメ+71円(+3)→
カツオ+38円(+1)→
花沢 +25円(▲3)→
イクラ+21円(0)→
ノリスケ▲99円(▲1)→
サザエ▲303円(▲3)→


 サザエが現在の阪神タイガースのように見えてきました。

5/6放映分「マスオとヤカマシさん」他

●『マスオとヤカマシさん』脚本:雪室俊一


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 海山商事の掃除のおばちゃんヤカマシさん。そのあだ名の通り、あまりに小言が多いので周囲からは嫌われている存在だった。
 そんな折、女子社員たちが突然、社内旅行をボイコットすると言い出す。それは、ヤカマシさんも旅行に参加するためだった。旅行を楽しみにしているヤカマシさんと女子社員との板ばさみになり、幹事のマスオは苦悩する。
 しかし、ヤカマシさんはその辺りはきちんとわきまえていた。サザエを通じてマスオに迷惑をかけない事を約束する。
 そして、旅行当日。ヤカマシさんはマスオの代わりに宴会芸を引き受けたりして、すっかり女子社員たちと打ち解けるのであった。

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 ストーリー作品。マスオいい人型。
 ちょっといいお話。ヤカマシさんは、ひょっとすると再登場してきてもおかしくないキャラかも知れません。


 サザエに落語の「寿限無」を教えてほしいとお願いするマスオ。今度の社内旅行の宴会芸に使いたいのだとか。しかし、調子に乗ったサザエが「芸の道はつらいのよ」と、マスオに廊下の雑巾掛けをさせるオープニング。マスオがガレッジセールのゴリに見えてきました。


 そこにタラちゃん登場。三輪車に乗りながら「寿限無」を口ずさんでいます。なんでも、リカちゃんの持っていた絵本で覚えたとのこと。そこでマスオはサザエの弟子を辞めて、タラちゃんに弟子入りします。
 確かに、数年前に落語の絵本が流行ったのですよね。でも、幼稚園の子供に「寿限無」の絵本を買ってくるリカママのセンスはいかがなものかと。それ以前の問題として、若い子が多い社内旅行の宴会芸で「寿限無」がウケるのか甚だ疑問でございます。


 そこにアナゴくんから電話。女子社員の旅行ボイコットが告げられます。
 どうでもいいですが、このシーンにおいてマスオとアナゴが電話で会話する様子が画面2分割で描写されるのですが、どう見ても、生活ランクはアナゴくんの方が数段上に見えてしまいます。


 会社の鼻つまみ者であるヤカマシさん。本名はヤマナシなんですが、女子社員に対して小言を言っては「最近の若い者ときたら」と文句をつけたり、マスオの靴の汚れを指摘して「(得意先に対して)失礼よ!」と告げたりする事から、ヤカマシさんと影で言われている存在です。そんなヤカマシさんを、社内旅行幹事のマスオが旅行に誘ったため、トラブルが発生した次第。


 さて、そんなゴタゴタも知らず、ヤカマシさんは旅行に大乗り気。マスオを捕まえて、旅行用の服をサザエに選んでほしいとお願いします。なんでも、サザエが海山商事に訪れた際、その洋服センスに感心したのだとか。
 ここはちょっと深読みするべきシーンなのですが、おそらくヤカマシさんはサザエのセンスがいいなんて思っていないでしょう(実際にサザエが選んだ服はお世辞にも似合っているとは思えない)。
 ヤカマシさんの過去はこの後明らかになるのですが、きっと、マスオに亡くなった旦那さんの影を見ていたと思うのですよ。社内の鼻つまみ者であることを本人も自覚していて、それでも旅行に誘ってくれたマスオの優しさに、彼女は旦那を思い出したのだと考えられます。だからこそ、その奥さん(つまりかつての自分)であるサザエと接触して、旦那さんを大切にしてあげてほしい思いを伝えたかったのではないでしょうか。


 一方、混迷の海山商事。マスオとアナゴくんがボイコット表明した女子社員3人を説得中。調子のいいアナゴくんは「フグ田くんが責任を持って(ヤカマシさんを)静かにさせるから」と、何とも彼らしい説得をします。オマエが何とかしろよ(笑)で、もともと、女子社員に信頼の厚いマスオさんですから、女子社員は声を揃えて「フグ田さんを信じま~す」とあっさり折れます。
 女子社員って3人しかいないのかよ!そりゃ社内旅行じゃなくて単なる仲よし旅行じゃ?と思ったのですが、後半の宴会シーンではズラリと海山商事軍団が揃っています。つまり、この3人がわがままなだけって話ね。


 その夜、サザエはヤカマシさんに招待されて、夜景の見えるレストランでワインを飲みながら食事をします。ヤカマシさんは「大事な方を招待する時は、ここにしようと決めていました」と告げて、サザエに「幹事にご迷惑をかけるようなことは致しません」と約束します。・・・いやさあ、ヤカマシさん。だったら、マスオさんを招待してあげなよ(サザエを誘ったのは照れ隠しと考えるべきかも)。


 さて、ヤカマシさんの一件で、宴会芸については棚上げ中だったマスオ。今度はカツオに1000円札を消すマジックを教わります。
 カツオがマスオから借りた1000円札をズボンのポケットに入れると、あら不思議、たちまち消えうせます。これ、実はズボンのポケットに穴が空いていたというオチ。カツオが1000円札でマジックをすると言いだした時には、ターバン野口でも作るのかと思いました。


 そして、旅行当日。海山商事社員を乗せた新幹線が海沿いを走っています。車内ではマスオとヤカマシさんが向かい合う席。ああ、きっと、ヤカマシさんを押し付けられたのだね、マスオさん、、、何だか、アナゴくんがニコニコしながら「じゃあフグ田くん、ヤカマシさんは頼むよ~」などと言って、自分は女子社員たちをはべらしてワイワイやっている姿が容易に想像できますなあ。


 このように回りから遠巻きにされているとしか思えないマスオとヤカマシさん。ヤカマシさんは車窓から海を見ながら、マスオに「主人が元気だったら、一緒に来れたのにね」と言います。新婚旅行の思い出の品だった幅広帽も持参。マスオは話に聞き入ります。亡くなったご主人の思い出と一緒に旅行に参加している様子が伺えます。
 そして、ヤカマシさんは宴会芸が完成しなかったマスオの代わりに「亡くなった主人の得意芸だった」ドジョウすくいを披露したりもします。ヤカマシさんの正体が結構謎なのですが、この辺りから推測できますね。


 このドジョウすくいのハッチャけぶりがきっかけで、すっかり女子社員とも仲良くなったヤカマシさん。しかし、日常に戻ると相変わらず小言の日々。ただ、女子社員たちも前向きに彼女の小言を受け止めるようになりました。めでたしめでたし。


 ラストは、ヤカマシさんがマスオに「奥さんを大切にね」と忠告して終わりです。いやいやいやいや、サザエに旦那を大切にするように言ってくれ!「寿限無」伝授と引き換えに旦那に掃除をやらせる奥さんだぞ!?(笑)
 まあ、中盤に書いたように、サザエに自分の影をダブらせていると考えれば、旦那に長生きしてもらって、もっと自分を愛してほしかったと言う女のわがままなのかな、などと思ったりもしました。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●レストラン
 料理は殆ど映らなかったので不明。ワイングラスだけが目立っておりました。旦那との思い出の場所だそうです。ホントはマスオを誘いたかったのだと思うのですが、社内の人間をこう言う形で誘うと、角が立っちゃいますから、賢明な判断なのかも知れません。


☆磯野家豆知識================================================


●ヤカマシさん
 この人、結構謎なんですが「主人が元気だったら、一緒に来れたのにね」とのセリフから、ご主人は海山商事所属だったのでは?と思われます。それも、結構な地位にいたからこそ、あれだけ社内で幅を利かせていたのではないでしょうか。
 また、汚れたマスオの靴を磨いてあげたり、女子社員たちにきちんと朝ごはんを食べてくるように忠告したり、いいところもあるんですよね。若い子達を精神的に指導する事により、主人の愛した海山商事を支えていこうとしているなんて風に理解するといいのかも知れません。


●ヤカマシさんのファッション
 サザエがヤカマシさんに選んだ服は、黄色のヒラヒラスカートに白い蝶ネクタイ風のリボン。はっきり言って似合ってません。正直に告白すると、先週の予告編でこのシーンを見た時は不気味にさえ感じました(笑)本文中にも書きましたが、本気でサザエのセンスがいいなんて思ってないよな、きっと。


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磯野家株式市況
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マスオ+3円
・・・いい人。アナゴくんが幹事だったら、ヤカマシさんはハブにされているよな。


サザエ▲5円
・・・冒頭のシーンは嫌な印象しか残らないのですが、、、ヤカマシさんが、サザエに説教でもしてくれた溜飲が下がったものの。


フネ+1円
・・・ヤカマシさんの話をマスオから聞いたカツオが「母さんと姉さんを一緒にしたような感じだね」と感想を言うのですが、フネさんは「お母さんは間違った事は言ってません」と余裕で切り返します。すぐにカッとなったサザエとは、器の大きさが違うよ。


タラ▲1円
・・・センスと言う言葉を聞いて「センスって何ですか?」と聞き返す。
 ここで、いきなり昨年12月10日放送の「ワカメお目が高い」からの一節。


 ワカメ「お兄ちゃんにはセンスがない」
 タラ「おばあちゃんから借りたらいいです~」
 ワカメ「それは扇子!!」


 キミは、4か月前に覚えた事をもう忘れたのか?いや、それならそれでいいんです。でも、なんでここでボケない?絶好の場面じゃないか。タラヲボケーのないタラちゃんなんて!


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●『サブちゃんの行方』脚本:城山昇


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 御用聞きの最中に、サブちゃんが失踪した。三河屋の主人も行方がつかめない。そこで、カツオ達が中心となり、あさひが丘に大捜査網が敷かれる。しかし、それでもサブちゃんの姿は見当たらない。ひょっとして、故郷の青森に帰ったのではないか?との噂さえ立つ。
 だが、皆の心配をよそに、サブちゃんがひょっこり磯野家に姿を現す。実は、お得意先のおばあちゃんが病気になり、ずっと身の回りの世話をしていたのだった。磯野家一同はサブちゃんの優しさと共に、そんなサブちゃんに対して、厳しくも優しい三河屋の懐の広さを褒め称えるのであった。

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 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 次週予告の段階で、久々に失恋ネタか!?と期待したのですが(笑)


 歩道橋に上って、民家の2階から御用聞きをしているサブちゃんの姿からオープニングへ。仕事熱心と言うよりも、それは手抜きだと思うぞ。


 一方、磯野家に三河屋の主人が御用聞きに現れます。話を聞けば、突然、サブちゃんが行方をくらましたのだとか。サブちゃんが公園でよくサボっている事を知っているカツオが様子を見に行きますが、そこにもいません。きっと、美人をストーカーしているに違いありません。


 こうして、蒸発してしまったサブちゃん。以前に、公園で空を見上げながら「この空も青森に続いているんだなあ」と感慨深くつぶやいていたり、歩道橋の上から車の列を見ながら「青森ナンバーの車が何台通るか見ていた」現場を目撃(危ないヤツだなあ)していたカツオやマスオは、ひょっとしたら?の思いに駆られます。一方、サザエは「その内戻ってくるわよ」とマイペース。


 心配になったカツオは、ゲゲゲの花沢さんを頼りに、サブちゃんの足取りを追います。しかし、これもぷっつりと途中で行方が消えています。


 いったい、サブちゃんはどこへ行ってしまったのか?磯野家はチャーハン食いながら(笑)心配しますが、突然、サブちゃんが「遅くなりましたー」と磯野家に現れます。
 たまたま、磯野家に居合わせた三河屋を交えて、事情を語るサブちゃん。実は、お得意先の独り暮らしのおばあちゃんが病気になっており、お粥を作ってあげたり、買い物を代行してあげたり、身の回りの世話をしていたのだとか。


 そんなサブちゃんの優しさに感心する磯野家の面々ですが、ただ一人、三河屋だけが「オレは気にいらねえな」と不機嫌そうに吐き捨てます。そして「何ですぐに連絡しねえんだ!」と激怒。
 そりゃそうです。社会人としての常識です。仕事の途中であり、更に先のカツオの聞きこみ調査の際、御用聞きを待ち続けている奥さんなどもいたわけで、サブちゃんの行為は褒められるものではありません。例えば、他の人が忙しそうだからと仕事を手伝ってあげた上、自分の仕事を期日に終わらせられない存在は、ワタシの中ではダメ社員です。
 ただ、ここは三河屋のご主人「そう言う事なら、オレが代わりに御用聞きを全部やってもよかったのに」と、厳しい中にも優しさも見せます。えーと、三河屋さんの店舗って結構ヒマ?


 更に、ご主人の怒りを受けたサブちゃんが「残りの御用聞きに行ってきます!」と言うと、主人は「バカヤロウ!昼メシ食ってからにしろ!」と、またまた愛のムチ。社会人としての常識を持ち、そして優しさもある・・・理想の上司ナンバー1ですね。


 ラストは数日後。磯野家に御用聞きに訪れるサブちゃんですが、誰も応対に出て来ません。実はカツオがでっかい風船を膨らませており、いつ破裂するかとびびったサザエ達が耳を塞いでいたので聞こえなかった、と言うオチでございました。て言うか、カツオには聞こえてるはずですよね、これって。


 磯野家が卓袱台囲みながら「困っている人を見ると放っておけない性格ですものね」と、サブちゃんを褒め称えるシーンがあるのですが、ワタシは正直、違和感が残りました。三河屋の主人の毅然とした態度がなければ、スッキリとはしなかったでしょうね。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●チャーハン、中華スープ(昼食)
 磯野家の食卓において、これは珍しい類かも知れません。皆、レンゲを手にしてバクバク食ってます。ただ、そんな中、波平だけがなぜかチャーハン食わずにお茶を飲んでいるんですよね。お口に合わなかったのでしょうか。それとも、休みの日くらい、和食を食わせろ!と言う無言のアピールかも。


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磯野家株式市況
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カツオ+1円
・・・サブちゃんを本気で心配してあげる。いい子だねえ。


ワカメ+1円
・・・最初の登場シーンにおいて、珍しく大きなリボンをつけて、更にポシェットまでしているオシャレっぷり。桜井マホに感化でもされたのでしょうか?なお、サブちゃん追跡シーンでは、普段着に戻っております。


波平+1円
・・・卓袱台シーンで、きちっと三河屋に対して「立派な方だ」と評価する。サブちゃんいい人ネタだけで終わったらどうしようかと思いました。


花沢+1円
・・・青森に帰ったんじゃ?と真剣に考え始めたカツオに対して、だったら御用聞きの途中でいなくなるわけがないと冷静な判断を見せる。サブちゃんの御用聞きルートを把握していたり、不動産業と言うより、探偵とかの方に向いているかも知れません。


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●『タラちゃん自立のとき』脚本:森山あけみ


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 タケオくんが既に親を離れて独りで寝ている事を知ったタラちゃんは、独り寝を宣言する。磯野家一同は心配するも、タラちゃんの決意を買って、独り寝を容認する。
 その夜、独り寝に挑戦したタラちゃんだが、風の音に怯えて、波平の布団に潜り込んでくる。自分の意志の弱さにガッカリするタラちゃんだったが、強がっていたリカちゃんもタケオくんも、実はまだまだ親と一緒に寝ている事を知って安心するのであった。

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 ストーリー作品。タラちゃんかわいいなあ型。
 森山あけみさん脚本と言う事で、暴走を期待してみたのですが、至って普通のお話でございました。


 タラちゃんを寝かしつけているサザエ。しかし、その本人が大いびきをかいてしまい、タラちゃんはサザエの元を脱出して居間で昼寝をしようとします。しかし、目覚めたサザエがタラちゃんを追いかけてきて、再び大いびき。タラちゃんがひとつも昼寝ができないと言うオープニング。


 公園で遊んでいるタラちゃん、タケオくん、リカちゃん。タケオくんは2人に「オレはもう(親と一緒に寝る事は)卒業したぜ」と自慢します。タケオくん、相変わらずのダミ声。
 こんなタケオくんに憧れたタラちゃんは、家族の前で敢然と独り寝を宣言します。マスオは「独りで寝るにはまだ早いよ」と、それを止めようとします。すると、カツオが「ボクだってタラちゃんくらいの時、独りで寝た事があるんだ」と告白します。3歳の時点でもう既に独り寝をしていた事より、8年前の事を覚えている方がすごいな。


 そして、波平の「ここはひとつ(独り寝を)やらせてみたら?」と言う言葉に、タラちゃんのチャレンジが始まります。
 こうして、居間で独りで寝る事になったタラちゃん。皆が心配しますが、タラちゃんは様子を伺っているサザエ達を追い出したりして、やる気満々です。一方、サザエとマスオは心配中。トイレに行きたくなったらどうしよう、布団がはだけたらどうしよう、と要らぬ心配をします。もっとも、言うだけで自分からは動こうとしないのがサザエ。


 深夜、真っ暗な居間。外では風の音が響いて、タラちゃんは怯えます。そして、波平とフネさんが、カツオが独り寝していた頃の思い出話をしているところに、遂に決意が折れてしまったタラちゃんが枕を抱えて現れます。タラちゃん、なかなか意志が弱い。


 実は、カツオが初めて独り寝に挑戦した時も、同じように夜中に怖くなって波平の布団に入ってきた事が明かされて終盤へ。


 独り寝に挫折してガッカリしているタラちゃんですが、同じように独り寝に失敗したリカちゃんが、リカママに「タラちゃんには言わないでよ」と釘を刺している現場に出くわします。タラちゃんに失敗を隠そうとしたリカちゃんに対して、リカママが「そう言って見栄を張ってウソをつく事は一番いけない事よ」と教育的指導。そのセリフ、ぜひサザエに言ってください!!!


 こうして、タケオくんの家の前を通りかかった2人ですが、中からはタケオくんの泣き声が聞こえます。タケオ家では、使わなくなったベビーベッドを解体中。ベビーベッドが恋しいタケオくんが泣いていたのでした。
 こうして、タケオくんもまだまだ乳離れしていない事が判明。まだまだ独り寝の出来ない3人の心が通い合い、手を取り合って踊りまくると言うラストでした。て言うか、未だにベビーベッドで寝ていた(らしい)タケオくんの方が、タラちゃんやリカちゃんよりよっぽど幼稚っぽくないか?


 最後は、縁側に敷かれた布団にフグ田家が川の字で寝ている姿で終わりです。てか、昼から寝るな、サザエ。


 8年前(3歳児)の頃の記憶が鮮明なカツオ、いつもと違う感じのタケオくん(後述)、もう春なのに三輪車が吹き飛ぶくらいの風が吹いている深夜の描写などなど。何だか、妙に引っかかりの多いお話でした。
 そう言う表面上の問題以外にも、どうにも釈然としない面があって、それはやっぱり、タラちゃん何も変わってないじゃん、と言う事に尽きるのですよ。話の中で成長しろとまでは言いませんけど、これをきっかけにしてタラちゃんが何も得てない事が気になるのです。
 例えば、自分を心配してくれているマスオとサザエの心を知るとかね。さりげなくでも、そう言う描写があれば随分と印象が変わったお話になるのになと思った次第です。


☆磯野家豆知識================================================


●タケオくん
 違和感があるなと思ったのですが、身長が縮んでいるんですよね。さすがにタラちゃんよりは大きいものの、リカちゃんとは殆ど変わらないくらいです。てか、4~5歳?でベビーベッドを恋しがるのはいかがなものか。


●タケオくんの母
 ワタシは初めて見ました。外見は肝っ玉母さん風。タラちゃんやタケオくんとの比較からすると、体重100キロを越えるくらいの巨漢に見えます。


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磯野家株式市況
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タラ0円
・・・結局、何も変わらず。何か1つくらい学習してほしかったものです。


サザエ▲3円
・・・タラちゃんの事を心配しているのですが、自分からは動かないのですよね。明らかにマスオに様子を見に行かせようとしているようにしか見えませんでした。
 また、カツオが独り寝した時、波平とフネさんは「なかなか眠れなかった」と語っていますが、この人は朝、寝坊するほどグッスリでした(笑)
 翌朝、タラちゃんが独り寝できたものと勘違いしている点からして、夜中に一度も様子を見に行かなかった、と言えます。(もし見に行っていたら、波平と寝ていた事を知っていたはず)。うーん、これはちょっといただけません。


マスオ▲1円
・・・同上。心配だったら、夜中に見に行くよね。
 ただ、一つサザエとマスオをフォローするならば、翌日、タラちゃんを挟んで昼寝するのですよね。様子は見に行かなかったが、心配で満足に眠れなかった事は確かなのでしょう。タラちゃんの意志を尊重した結果と考えるべきなのでしょうけど、ワタシはそれは優しさではない、と考えます。


カツオ0円
・・・タラちゃんを心配するサザエとマスオに対して「ちょっとは子離れしたら?」とツッコミ。翌朝、タラちゃんが独り寝を完遂できなかった事を、その目の動きから見抜いた。


波平+1円
・・・タラちゃんを優しく布団に迎え入れる。今日の波平さんは終始ニコニコ。本音を言えば、優しい波平さんもいいのですが、やっぱり、週に一度は「バカモン!」を見たいもんです。


ワカメ+1円
・・・独り寝をしようとするタラちゃんに「これ貸してあげようか」と、熊のぬいぐるみを差し出す。さりげないシーンですが、ワカメらしい気の使い方のように思います。


タマ
・・・空気。せめて、独り寝しているタラちゃんの元にひっそりと現れて、お化けと勘違いしたタラちゃんがビビる・・・なんて流れがよかったなあ。


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今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +658円(+2)→
マスオ+240円(+2)→
フネ +203円(0)→
中島 +116円(0)→
タラヲ+84円(▲1)→
ワカメ+68円(+2)→
カツオ+37円(+4)→
花沢 +28円(+1)→
イクラ+21円(0)→
ノリスケ▲98円(0)→
サザエ▲300円(▲8)→

4/29放映分「親の心子知らず」他

●『カツオ夢の有給休暇』脚本:雪室俊一


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 ゴールデンウィーク。カツオは、タイコさんの実家に行く事になったノリスケから家の留守番を頼まれる。思わぬアルバイトに張り切るカツオであったが、誤配された宅配ピザを勝手に食べたり、洗濯物を濡らしてしまったり散々な結果になる。しかし、カツオらしい様々な策で、無事に要求以上の立派な留守番をこなすのであった。

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 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 今年の磯野家のゴールデンウィークは遊園地に行ったきりになりそうです。


 会社の医療室で健康診断を受けている男性。どこも悪くないのに、静養が必要との診断書を書いてほしいと医師に言い出します。察しのいい医師が、ゴールデンウィークにどこにも出かけたくないからかと指摘して、順番待ちしていた波平が苦笑するオープニング。果たして、この医者が偽の診断書を作成したのかどうかが気になります。波平、笑っていますが、本当は自分も同じ事を企んでいたのでは、などと思わせます。


 ニコニコ顔のマスオ。本来、4連休である所を有休を使って5連休にしたとの事。人のいいマスオさんですが、こう言うところはチャッカリしてますね。
 それを聞いたカツオも、有休を使うと言い出しますが、小学生に有休はないとサザエに切り返されます。おそらく、カツオ、有給休暇の意味がわかってないんだろうな。


 そこにノリスケから電話。カツオに有休ではなくて有給をあげると言い出します。ゴールデンウィークにタイコの実家に行く事になったノリスケ。10分間500円で、その間の留守番をお願いするとの事。1時間で3000円かよ、まるで篠原涼子並みのスーパー派遣社員じゃないかと思ったら、朝と夕方、それぞれ10分間だけと言うオチ。
 朝は新聞と郵便を取り込んで、夕方は部屋の電気をつけておく(留守である事を悟られないため)と言う単純労働です。ワタシなら、そんな事より、カツオが鍵を閉め忘れてしまわないか、タイコさんの下着を変な事に使わないかの方が心配になります。


 それはさておき、張り切るカツオ。不在に気付かれないために、磯野家から持って来た洗濯物を干したりして知恵を働かせます。カツオ曰く「頼まれた事だけやるんだったら、タラちゃんにもできるから」と、3歳児を引き合いに出して自分をアピールします。志が低いぞ、カツオ。。。


 そんなノリスケ宅にピザが配達されてきます。てっきり、ノリスケからの差し入れと思い込んだカツオは、ワカメとタラちゃんも呼んでそれを平らげてしまいます。しかし、それはピザ屋の誤配だったと言うオチ。カツオは、せっかくのアルバイト代をピザの支払いに全て吸い取られてしまう事になる悲惨な結末を迎えます。


 その翌日、磯野家は遊園地に出かけます。しかし、カツオは朝からノリスケ家でアルバイトをしておりまして、なかなか帰ってきません。心配したマスオが様子を見に行くと、カツオは郵便屋から速達を受け取って戸惑っている最中。ノリスケにも連絡がつかず、途方に暮れておりました。更にそこに、冷凍便(まあ、クール宅配便と言うヤツか)も届けられて、大弱り。ノリスケ家の冷凍庫は冷凍食品でいっぱいのため(片付けていけよ、タイコさん)、急遽、磯野家で保管する事になります。


 結局、ノリスケと連絡が取れて、その速達は冷凍便(中身はアイスクリーム)を届けた旨である事が判明。ようやく、つっかえの取れたカツオは遊園地でエンジョイします。


 ラストは、遊園地からの帰り道。磯野家がノリスケ家の前を通ると、窓には人影が。実はこれは、カツオが防犯用に作ったノリスケに似た人型だったと言うオチでした。
 でも、一晩中、窓から人影が動かないわけですよね。見る人が見たら、人が首でも吊っているかのようで、警察に通報されてしまうのではないか、などと思いました。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●宅配ピザ
 誤配の物をカツオが食べてしまう。
 トッピングはトマトと小エビ。見るからに一番安そうなタイプです。確認せず食べてしまうカツオもカツオですが、間違えてしまうピザ屋も、この商売をするには不向きなようで。


☆磯野家豆知識================================================


●宅配ピザ屋
 伝票と言うものがあると思うのですけどねえ。何で、配達先を間違えるかな?カツオは所詮子供ですし、宛先を確認せず食べてしまう事はまだ理解出来ます。でも、このピザ屋は大いに問題ありです。カツオがお金を払う事になったようですけど、本来ならピザ屋の自腹ですよね。


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磯野家株式市況
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カツオ+3円
・・・カツオらしい知恵を働かせたと言えます。ただし「ボクはお金のためにやっているんじゃないよ。人助けだよ」のセリフ・・・ウソツケ(笑)


波平▲1円
・・・例のピザの下りですが、波平は「ワッハッハ、全く呆れたものだな」と笑っているだけなんですよ。いや、ここは「バカモン!よく確認せんからだ!」と怒るところではなかろうか(怒りながらもピザ屋に自分が代金を払う流れが一番波平らしく感じます)。息子の不始末(ピザ屋にも問題ありますが、迷惑をかけたことは間違いないですし)に笑って誤魔化すとは、アンタが全く呆れたものだ。先々週から始まった波平異変はまだ続いている模様です。


サザエ▲1円
・・・ピザの下りにおいて「アルバイト料で払うのね」と、カツオに言う。いやらしい言い方なんですが、これがサザエと言う人間だと学習したので、この件に関しては上がり下がりは特にナシで。
 それより、帰って来ないカツオに対して「遅いわねえ」だけなんですよね。心配したマスオが見に行きますが、本来なら姉の役割だろうに、、、


マスオ+1円
・・・カツオをいろいろフォローする。一番、カツオの事を親身になって考えてあげているのが、磯野家では唯一カツオと血のつながりがないマスオであると言う現実はどう理解しましょうか、、、


ノリスケ▲1円
・・・小学生に留守番頼むなよ(笑)


フネ、ワカメ、タラ0円
・・・空気。


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●『親の心子知らず』脚本:城山昇


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 ワカメへの処遇を巡って、カツオと波平がケンカを始めた。2人とも、意地を張って一切、口を利かなくなる。ただし、何かとカツオの事が心配な波平は、何とかきっかけを作って仲直りしようとするも、肝心のところで意地を張ってしまってなかなかに上手く行かない。
 そんな2人の仲を取り持ったのは、何と雨上がりに現れた水溜りであった。

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 ストーリー作品。波平型。
 ここ3週間ほど、波平の様子がおかしかったのですが、今回は久々にバカモンが炸裂します。ただ、カツオにやり込められてしまうのですよね。


 子供とのコミュニケーションが必要と悟った波平は、テレビを見ているカツオ達をトランプに誘います。大ハシャギでババ抜きなどをしている一同。これでコミュニケーションが取れたと満足する波平ですが、カツオやワカメが「これで親との交流を果たした」「テレビの方がいいもんねー」と、言っている姿を見てギャフン!とするオープニング。お馴染みネタなんですが、いつ見ても哀愁を誘うネタのように思います。


 庭が散らかっている事を発見した波平。カツオの仕業だと思い、久々に「なんだ!出しっぱなしで!」と、怒りを爆発させます。しかし、実はワカメの仕業。すると、波平は急に態度を軟化させて「気をつけるように」と、優しく注意をします。


 これが気に食わないカツオ。波平に対して「あれは”注意”だ。明らかにえこひいきだ!」と、食って掛かります。カツオの怒りにたじたじの波平は、言い訳をしようとしますが「自分が悪かったらすぐに謝る!」と、カツオに諭される始末。な、情けない・・・波平異変はまだまだ続いています。


 カツオに叱られてショボーンと風呂に入っている波平。仲直りしようと、カツオを風呂に呼びますが、カツオはそれを拒否します。ショックを受ける波平。風呂の天井を見ながら「カツオにはワカメ以上にしっかりしてほしいから(厳しくしてる)なのだがなあ」などと独りごちます。父親の哀愁が痛いほど伝わるシーンです。


 そんな波平に対して、フネさんが「きっと(カツオは)反抗期なんですよ」などと言いますが、波平は「なら、ワシも反抗期だ!子供に迎合するような真似はせん!」と意地を張ります。波平ツンツンモードに突入です(笑)


 そして始まる波平vsカツオ。2人は食事の時も一切口を利きません。こんな冷戦状態に対して、ワカメは「どっちが長く続くのかなあ」とニヤニヤ。おいおい、もともとはキミの不始末が原因なんだぞ。


 磯野家一同は、2人の意地張りクセを知っているのか無関心そのもの。しかし、ここでただ独り、あの男が立ち上がります。そう、それは磯野家に残された希望の星フグ田マスオ!
 マスオさんは、カツオに「親の心子知らずって知ってるかい?」と、カツオに波平の気持ちを理解するように言います。しかし、そこは意地っ張り波平の息子、簡単には説得されずに「むしろ、子の心親知らずだよ!」と切り替えします。もともと、弱いマスオ(笑)何も言い返せません。


 さて、そうは言ってもカツオの事が気になる波平。独りで碁を打ちながらも、カツオの事が気になって仕方がありません。こっそりと寝床を見に行くと、既にカツオは眠っております。すると波平は優しい微笑みを浮かべながら「あどけない顔をしているくせに、起きてると生意気な口を利くんだから」と、布団を直してあげます。
 なお、空気読まずに現れたワカメに対して、波平は「カ、カツオの様子を見に来たわけじゃないのよ!国語辞典を借りに来ただけなんだからね!」(←このセリフ改変してあります)と、ツンデレ炸裂。寝ているふりをして、実はカツオは起きていたと言う流れを挟んで終盤へ。


 翌日、出かけた波平は電車の中において、子供を抱きながら眠っている親を見て「眠りながらも、しっかり親は子供を守っているんだ。それが親と言うものだ」と、自分の姿と重ね合わせます。
 その帰り、雨上がりの道路において、波平は遠くからやって来るカツオの姿を見かけます。カツオを驚かせてやろうと、角に隠れる波平。しかし、隠れている波平の姿を、水溜りがしっかりと映し出しており、それを見つけたカツオに笑われると言うオチ。


 これをきっかけにすっかり仲直りをした2人。サザエが「父さんの反抗期、あっさりと終わっちゃったわね」と、呆れたような嬉しいような笑いを浮かべてお終いです。


 ラストの小ネタは、サザエに怒られているカツオ。その様子を耳にした波平は「いきなり叱るな!こっちへ連れて来なさい!」と言います。
 すると、サザエにつままれて連れて来られたカツオが「ひどいよ、ボクがチョコレートケーキを食べたっていうんだよ!」と泣きながら冤罪を訴えますが、その口周りにはチョコレートがべったり。呆れた波平が「却下」とあっさりとカツオを突き放すオチ。波平のあっさりした「却下」がかなり笑えます。いろいろと実生活でも使えそうですね、「却下」。


 ワカメやタラちゃんに対して、波平は甘すぎ・・・とはよく言われる事ですが、人に対して怒るって事は、その人が嫌いなわけじゃないんですよね。本当に嫌いだったら見放しますもの。いじめでもない限り、その人の事を考えているからこそ、怒るものです。
 例えば、その人に対して腹が立つから怒るのであって、見放していたり意識にない人に関しては、腹が立つほど感情が左右されないのではありませんか?
 この話だけで、波平の心をカツオがどれほど知れたかは定かではありませんが、もっとも、カツオの場合は、それだけ怒られる材料があると言う事ではあるんですけどね。


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磯野家株式市況
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波平+10円
・・・波平のツンデレも見れたしバカモンも見れたし、満足です。
 ここ数週間の波平異変ですが、きっと、秋田の結婚式で親子の関係を考え直す何かがあったと思われます。結婚式と言えば、親と子の別れの儀式とも言えます。それを正面から見せられて、いつかカツオやワカメとも別れなければならないと改めて思い知らされたのではないでしょうか。それが原因で毒が抜けていたと考えると、ここ数週間の角の取れた波平の姿も納得がいきます。


カツオ+1円
・・・布団をかけてくれた波平の姿をカツオも知っていたわけでして、これで親の心を知ったのだろうと思いたいものです。


ワカメ▲1円
・・・とにかく、今回の一連の騒動はキミが原因。


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●『天まで泳げ』脚本:城山昇


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 こどもの日が近づいてきた。磯野家では、タラちゃんとイクラちゃんの鯉のぼりを手作りする事になる。皆の力を結集して、遂に出来上がった鯉のぼり。2人の将来の成功を約束するように、手製の鯉のぼりは優雅に、そして雄雄しく空を舞うのであった。

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 ストーリー作品。磯野家型。
 去年は鯉のぼり話はナシ。2年ぶりのエピソードとなります。


 魚屋が、新しく買う余裕がないからと、1枚の鯉のぼりを2枚に開いて2匹に見せかけると言うオープニング。開いちゃったら、鯉のぼりではなくて、単なる旗ですよね(笑)


 ノリスケ家はマンションなので、鯉のぼりが立てられないと言うネタふりから本編へ突入。
 磯野家では鯉のぼりの準備中。波平とマスオは竿を立てるために地面に穴掘り中。立派な竿を立てますが、矢車と滑車を付け忘れていたために、やり直しと言うオチつき。大の大人が2人揃って忘れているとは情けない。。。


 屋内では鯉のぼりの整理中。鯉のぼりをズボンのように履いたサザエが「私は人魚♪」と、ジャンプしながら飛び回ります・・・アホや、この女(笑)


 さて、鯉のぼりですが、カツオとワカメが大きい鯉を奪い合います。特にワカメは嫌らしいほど執念を見せて「タラちゃんは小さい方、私は大きい方」「おにいちゃんはもう卒業」と勝手に仕切り始めます。これに対してカツオは「だいたい鯉のぼりは男の子の節句」と反論しますが、ワカメは「今はそんなものは関係ない」と却下。ひな祭りは独占するくせに。


 2人の言い争いに、すっかり置き去りのタラちゃん。すると、サザエは「足りなかったら作ればいいじゃない」とあっさり。おいおい、タラちゃんの鯉のぼりはナシと決定か?


 こうして、アジの開きを参考にタラちゃんの鯉のぼりを作ることになる磯野家一同。タラちゃんは「イクラちゃんの分も作る」と張り切ります。タラちゃん、優しいなあ。既製品の鯉のぼりを大人気なく奪い合うカツオとワカメも少しは見習えよ。


 そして、久々に波平ウンチクが爆発。中国の伝説における鯉が竜になる故事が語られます。これが「登竜門」と言う言葉の由来。そして、童謡の「鯉のぼり」の一節、「百瀬の滝を昇りなば忽ち竜になりぬべき」を歌い始めます。波平はこの故事をこの歌で覚えたのだとか。
 波平は「親から伝え聞いた話を子供にするとは思わなかった」と感慨深く言います。フネさんが「カツオもきっと自分の子供達に伝えますよ」とフォロー。こうして、伝説は語り継がれるのでしょうね。おはぎを38個食べたとか。


 そして、鯉のぼりは遂に完成。仕上げとばかりに波平とフネさんが片方の目玉を書き入れ、最後の目玉はタラちゃんとイクラちゃん本人が書き入れる事になります。


 こうして、大空に舞うタラちゃんとイクラちゃんの鯉のぼり。目玉を描けなかった(●が書けずに線だけ引いてある)イクラちゃんの鯉のぼりはウインクしています。バックに「鯉のぼり」の歌が流れて、それをイササカ先生や裏じいたちが見上げる情緒あふれるシーン。そして、菖蒲湯やちまきなど、端午の節句にちなんだものが次々と紹介されて終わりです。


 正直に言って、「鯉のぼり」の歌まで流れるのは、ちとあざとさも感じないではないですが、こう言う季節感は大切ですよね。大型連休ばかり取り沙汰されますが、その中の1日が「こどもの日」である事を(強いて言えば祝日の内容)をキッチリ説明できる日本人って、案外少ないように思うのですが、いかがでしょうか?


☆磯野家豆知識================================================


●鯉のぼりの歌


http://www.koboku.co.jp/tango/5-tango/koinobori-uta.html
(人形の町岩槻~小木人形)


 もちろん、鯉のぼりの歌自体は知っていましたが、そんなフレーズはしらないなあと思っていたところ、これは3番なんだそうです。
 1番の「甍の波」なんて、子供の頃は「田舎の波」って歌っていたような記憶があります。「故郷」における「ウサギ追いし~」を「ウサギ美味し~」と思っていたようなもんですな。


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磯野家株式市況
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タラ+5円
・・・先週はタマを家族の一員と認識した大金星をあげましたが、今週はイクラちゃんの分も作ってあげると言う優しさ爆発。いい子やなあ。


ワカメ▲5円
・・・そんなタラちゃんの優しさを煎じて、この子に飲ませたい。だいたい、端午の節句にしゃしゃり出てくるな・・・とまでは言いませんけど、タラちゃんのことをもっと気遣ってあげてほしかった。ホント、タラちゃん置き去りだものなあ。


サザエ+1円
・・・私は人魚(笑)アホ過ぎて笑えました。


波平+1円
・・・前話のバカモン!に続いて、今回はウンチク復活。徐々に崩壊しかけていた波平の自我が戻りつつあります。


イクラ+1円
・・・磯野家から鯉のぼりを奪い取った2年前の話に比べると、すっかり丸くなりましたね。


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今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +656円(+10)→
マスオ+238円(+1)→
フネ +203円(0)→
中島 +116円(0)→
タラヲ+85円(+5)→
ワカメ+66円(▲6)→
カツオ+33円(+4)→
花沢 +27円(0)→
イクラ+21円(+1)→
ノリスケ▲98円(▲1)→
サザエ▲292円(0)→


 次回注目は「サブちゃんの行方」。サブ!早まるな!人生長いんだから、きっとキミにもいい人が現れるよ!(笑)

4/22放映分「父さんの通信簿」他

●『趣味に泣くマスオ』脚本:雪室俊一


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 マスオが部長手作りの酒器を貰って来た。しかし、それは安定しないは、水漏れするわのとんでもない品物だった。だが、マスオがうっかり部長にお世辞を言ったために、今度はごはん茶碗をプレゼントされる事になってしまう。
 悩むマスオだったが、いくら、上司からの贈り物とは言え使えないものは使えない、と断りに行こうとする。しかし、マスオの悩みもどこ吹く風、既に実力の壁を感じていた部長は、陶芸から足を洗う決意を固めていたのであった。

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 ストーリー作品。マスオいい人型。
 このところ、哀愁続きのマスオさんですが、今回はマスオさん個人と言うよりも、サラリーマンの哀愁を感じますね。


 マスオがお土産を貰って来ます。中身は酒器。最近、陶芸に凝っている部長から贈られたものです。しかし、お酒を注ぐと倒れそうになるは、ぐい飲みの方は手で押さえていないと漏って来ちゃうわ、と明らかに使えない品です。まあ、何で部長がこんな欠陥品をマスオに贈ったのかは、後で明らかになりますが、それにしても、箱に入れる時に気付いておけよって感じです。


 翌日、部長室に呼ばれるマスオ。海山商事がどの程度のものかは知りませんが、部長室が存在するのですよね。部長以上は個室を持っているってどんなリッチな会社なのでしょう?
 得意げな部長は、さっそくマスオに酒器の感想を聞きます。ここで本当の事を言えないのがサラリーマンの悲しい性、マスオはついつい「お酒が一段と美味しくなったようでした」と、調子のいい事をぬかしてしまいます。
 すると、大喜びの部長。マスオの家族構成を聞くや「ごはん茶碗を作ってあげよう」などと言い始めてしまいます。やぶヘビってヤツですね。

 

断るに断れないマスオは、屋上にて久々登場のアナゴくんに愚痴。「ハッハッハ、それはとんだ災難だったなあ」と他人事のように笑うアナゴくんですが、そこに部長が登場。「お酒は飲むか?」との問いに「あいにくビール党でして」と、上手く断ろうとするアナゴくんですが、部長は「では、夫婦茶碗を作ってあげよう」と言い出します。藪から2匹目のヘビ。もっとも、夫婦茶碗を頂いたとしても、あの夫婦じゃ一生使う事はなさそう。


 その頃、学校では給食の最中。カツオは例の酒器を持ち込んで、皆に見せびらかしています。しかし、調子に乗って牛乳を注いだところ、もともと不安定だった酒器、床に落ちて粉々に砕け散ってしまいます。顔面蒼白のカツオ・・・と言いたいところですが、マスオさんの物なのでそんなに焦っている様子はなし。


 夜の磯野家では、部長が作ってくると言うごはん茶碗の話題で(マイナス面で)大盛り上がり。酒器から話題を逸らしたいカツオは、そんな茶碗を作られても手で常に押さえておかなければならないと言うサザエに対して「片手で食べられないおかずは作れない」から、いいんじゃないか?などと言います。すると、サザエもサザエで「(おかずが少なくて済むから)カツオの誕生日に使えばいい」と逆襲。鬼姉ぶり健在。


 その翌日、ゲンナリしているマスオですが、いきなり部長から茶碗引渡しを延期する旨を告げられます。何でも、社長からぐい飲みを作ってほしいと頼まれたのだとか。マスオから褒められた事で調子に乗ってしまっている部長は、休暇を取って作って差し上げよう、などと言い始める始末です。おいおい、趣味のために休暇を取れる会社っていいよなあ。でも、上の人間がこんなに贅沢してる会社って、先行きが不安ですよね。フランス革命みたくならなきゃいいけど。


 部長の陶芸の実力は、先の酒器の悲惨な出来栄えで明らかになっております。しかし、マスオがおだててしまったために、その気になっている部長。あんな代物を社長に送った暁には・・・恐ろしくなったマスオは「サラリーマンの先輩として」波平に相談します。
 すると、波平は貫禄たっぷりに「ワシなら正直に話すだろう」と言います。ウソツケ(笑)
 そこに、接着剤で酒器を修理したカツオが登場。すると、酒器は以前より座りがよくなっている事が明らかになります。皆、驚きますが、ただ単に無理やり貼り合せたために、下部がデコボコしているだけだと思うのですが。


 そして、真実を告げる決意を固めたマスオは、カツオが修理した酒器を持って部長宅に訪れます。実際に酒器が使い物にならないところを実演して、ほら見ろオマエはこんなに下手くそなんだよ、とでも言うつもりなのでしょうか。
 ところが、部長は「陶芸の先生に、人にあげるのは10年早いと言われた」との事で、社長への献上を断念した所でした。更に、カツオの修理した酒器が、自分の作った物より出来がよかった事にショックを受けまして、「この際、スッパリと陶芸から足を洗う事にする」と宣言します。人騒がせもいいところです。何で、こんなに根性も見る目もない人が部長になれたんでしょ?


 なお、部長がマスオに贈った酒器は、失敗作と入れ間違えていた事も蛇足的に語られます。つまり、本当の部長の実力は不明なままです。ま、失敗作とは言え、5年生が修理したもの以下なんですから、実力は推して知るべしかと。


 ラストは、仕事中のマスオとアナゴくんに対して、やって来た部長が絵の様な物を見せます。そして、困った表情をする2人に対して、部長は不満げに「可笑しくなきゃいいんだ、キミたち」と告げます。すると、マスオが「今、笑おうとした所です」と答えるものの、部長はまるで怒ったような足取りで退出していきます。
 実はその絵は4コママンガ。「ハア、今度はマンガを描く趣味か」とため息をつくアナゴくんに、マスオが「部長の趣味には泣かされるよ」と笑ってお終いです。ドラえもんで、ジャイ子の描いたギャグマンガを「絶対に笑えよ!」とジャイアンに読まされたのび太くんが、その恐怖に泣いてしまったところ、「ギャグには見切りをつけて、泣けるマンガを描いたのよ」とジャイ子が大喜びすると言う話を思い出してしまいました。案外と、マスオも本当に泣けばよかったのかも(笑)


 とりあえず、こんな会社(上司)には勤めたくはないなあ、と思った次第。でも、自分の趣味の成果を部下に見せたがる部長の気持ちって、お菓子を作って来ては「皆で食べて~」と言う女の子のものに近い気もしますね。あれも、例え美味しくなくても「不味い」なんて言えないんですよね。


☆磯野家豆知識================================================


●部長
 ハゲ、口ヒゲ、デブ、葉巻と、貫禄だけは社長クラス。
 マスオやアナゴくんと親しい事から、直属の上司かと思われます。マスオが営業課ですから、さしづめ営業事業部の部長と言ったでしょうか。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●トロサーモン(酒のつまみ)
 波平とマスオが部長作の酒器で酒を飲むシーンに登場。
 個人的には脂の強いサーモンで酒を飲むと、魚の生臭さを引き立ててしまうために、合わないと思うのですけどね。


●謎の味噌汁
 カツオのイメージシーンに登場。部長作のごはん茶碗でみんなが食事をするシーンにおいて、味噌汁が飲めないタラちゃん(茶碗を押さえておかないと倒れてしまうため)に、代わりにワカメがお碗を持って差し出します。この時、タラちゃんは左手でごはん茶碗を押さえながら、右手で味噌汁を「すくう」んですよ。いや、具を箸ですくったんだと思うのですが、その具がモロに味噌汁色なんですよね。まるで、ラーメンのようにして。
 まあ、あくまでもイメージなんで、あまり言及する必要なもないか。


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磯野家株式市況
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マスオ▲1円
・・・なぜ、マイナス??と思われるかも知れませんが、今回ばかりは優柔不断のマスオの悪い所が出たと個人的に思っています。波平に頼ってしまった辺りは、ちょっと不満です。サザエとの見合いの時も、自分では決められずに「人生の先輩としてどう思う?」と、サケオ兄さんに頼っていたのではないか、などと思ったりして。


カツオ▲2円
・・・勝手にマスオのモノを持ち出してはイカン。挙句の果てに割ってしまうし、自分の力で何とかした辺りはいいのですが、お咎めなしなのは厳しい。まあ、普段なら割った事を告げずに、こっそりと修理して誤魔化そうとするであろう事を考えると、サザエとフネさんに告白した点は認めてもいいかも。


波平▲1円
・・・上記の続きになりますが、カツオにバカモン!言わんと。お湯を注いでも倒れない酒器を見て「どうなっとるんだ?」と驚いている場合じゃなかろう。アンタが「どうなっとるんだ?」だ。なんか、先週からおかしいぞ、波平。


サザエ▲1円
・・・カツオがフネさんとサザエに割った酒器を差し出すのですが、お咎め一切なし。いつもなら、鬼のように怒ると思うのですが、、、確かに、使い物にならない酒器ではありましたが、マスオの私物なんですよ。旦那の物を勝手に持ち出した上に、粉々に破壊したカツオに対して、無表情のままだったサザエって、いったい・・・。私の物は私の物、マスオの物も私の物、大した物じゃなかったら、割ってもどうってことないわ、などと思っていらっしゃるのでしょうか。


フネ0円
・・・上記のシーンで「どうして、学校に持ち出したりしたんだい?」と、一応カツオに苦言を呈します。それだけなんですけど。


ワカメ、タラ0円
・・・空気。


アナゴくん(対象外)
・・・「フグ田くんに貧乏くじは引かせないよ」と、部長宅に付き合う彼の姿に男気を見た。・・・ま、マスオが墓穴を掘る事を見越して、それをフォローする事で自分の点数を稼ごうとする姑息な手段なのかも知れませんが。


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●『父さんの通信簿』脚本:雪室俊一


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 海平兄さんが、磯野家宛に竹の子と一緒に波平の小学生の頃の通信簿を送ったと言う。そんなものを家族に見られたくない波平は事実を隠蔽しようとするが、勘の鋭いカツオは気付いてしまう。
 巻き起こる通信簿争奪戦。結局、通信簿は海平が誤ってノリスケ家へ送っていた事が発覚する。
 こうして、無事に通信簿を奪取した波平だったが、執拗に食い下がるカツオに対して、遂に公開をする。しかし、そこにはカツオの予想に反して、素晴らしい成績が並んでいた。
 思わずひれ伏すカツオであったが、波平が見られたくなかったのはその裏側。そこには、担任からの言葉で、波平のイタズラぶりに対する苦言が並べられていたのであった。

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 ストーリー作品。波平型。
 裏側に書かれていた事はともかく、波平の好成績ぶりは意外でした。カツオは海平の性格に似たのかも知れませんね。


 いきなり、海平兄さんが電話口に登場。よく見なきゃ波平と全く区別がつかない海平なので、あまりに豪快な語り口に、遂に波平が壊れたのか?と思いました。
 電話に出た波平に対して、朝採りの竹の子を送ったと言う海平。ついでに、物置から発掘された小学生時代の通信簿も同封したと言います。思わず、焦りを見せてしまう波平。その様子を見ていたカツオに、竹の子以外の物も送られて来ると察知されてしまいます。カツオ、勘が良すぎです。


 荷物の到着は明日の午前中。通信簿を家族に見られたくない波平は、フネさんに対して、明日会社を休むと言い始めます。
 結局、フネさんが必ずこっそりと回収する事を約束して、波平の怠慢欠勤は未然に回避されます。それにしても、陶芸のために休暇を取ると言い出す部長がいたり、通信簿のために会社を休むと言い始める平社員がいたり、日本経済の明日は大丈夫なのでしょうか。


 翌日。なかなか荷物は届きません。すると、体育の授業中のカツオが宅配便屋と共に出現します。外をマラソン中、トイレに行くと言って抜け出してきたのだとか。ウソをついて授業をサボる少年がいたり、それを見抜けない担任がいたり、日本の未来は大丈夫なのでしょうか。


 こうして、カツオが荷物を漁りますが、入っているのは竹の子だけ。しかし、疑わしく感じるカツオは竹の子の皮を全部剥いて調べようとします。えーと、キミ、今は授業中だよね?
 更に心配する波平は、会社から海平兄さん宅へ電話で問い合わせ。えーと、キミ、今は就業中だよね?この親にして、この子ありだ、、、


 波平に対して「サザエさんはうっかり者だから(通信簿に)気付かなかったのだろう」と言う海平ですが、ふと思うところがあって、ノリスケ家へ電話をします。
 電話に出たタイコ、海平とタイコと言う10年に1度あるかないかと思われるレアな会話が飛び出すか、と思いきや、何と、このシーン、受話器を取ったタイコさんの独り芝居です。すごいですよ、30秒近く、海平の声が一切挿入されずに、タイコさんが独りで喋っているんですから。これはこれで妙なシーンです。


 結局、うっかり者はサザエではなくて、海平の方だったというオチ。海平から連絡を受けたらしい波平が、会社帰りに通信簿を受け取りに来ます。
 しかし、そこに現れるボリスケ・・・じゃなくて、ノリスケ。「ボクが帰って来たからには、返しませんよ」と、帰ろうとしていた波平を引きとめてビールで乾杯します。ただ、今回ばかりはノリスケ家の出来事ですので、さすがにタカり描写はありません。まあ、見方を変えれば波平の来訪にかこつけて、タイコさんの財布の紐をこじ開けた・・・とも取れるのですけどね。


 波平がノリスケ家へ寄ってきた事から、カツオはこれは何かあると睨みます。そして、翌日、ノリスケ家へ偵察に出かけたカツオは、そこに竹の子の箱を目敏く発見します。
 ここまでで、海平のミスを全て読みきったカツオの着眼点はさすがです。更に、波平に対して「入っていたものはテストでしょう?」と問い詰める辺り、当たらずも遠からずのニアピン賞ものです。あとで波平が「それだけの頭をなぜ勉強に使わんのだ?」と、褒めているのかけなしているのかわからない言葉も納得です。
 ただ、通信簿の裏を確認しなかった点に対しては、カツオも詰めが甘いです。好きな子とデート寸前まで行って、ボロを出してしまうタイプだな。


 さて、通信簿の裏には「若干落ち着きに欠け、忘れ物が多い。教師にあだ名をつけたり軽率な行動も多い」と書かれています。まさにカツオそのもの。しかし、波平はフネさんに「(担任教師が)海平兄さんとごっちゃしておるんだ」と言い訳します。それを聞いたフネさんは「双子は便利ですこと、フフフ」と意味深な笑みを浮かべます。きっと「そういうことにしておいてあげるわよ、フフフ」とか思ってるんだろうな。フネさん、意外と腹黒し。


 ラストはカツオ達と野球をしている波平。「やああああー!」と変な掛け声を出して1塁に滑り込みますが、1塁を守っていたカツオと判定で大揉めします。すると、波平は泣きそうになりながら「ちょっとは大目に・・・父さんはなあ、オマエをそれまでにするのにどんな苦労を・・・」と、泣き言。呆れたフネさんが「バカバカしいったらありゃしない」と、波平を強制退場させて終わりです。だから、波平、ここ数週間、ちょっと変だよ。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●竹の子の煮物(おつまみ)
 波平がノリスケ家でご相伴になる。刺身かと思いましたが、薬味もありませんし、ワカメも添えてあった事から、きっと煮物でしょう。
 ただ、朝採りと言うメリットを生かすには、ここは刺身にするべきです。イクラちゃんが竹の子ご飯をスプーンで食べていたりしますが、あまりにも普通のメニューでちょっとガッカリでした。考えてみれば、良妻ぶりが発揮されているタイコさんですが、料理のセンスがある、という描写はないですよね。


☆磯野家豆知識================================================


●海平兄さん
 朝から竹の子を取りに行ったり、昼間から家で波平と電話していたり、この人の本職は何なんでしょうね。早朝に竹の子を狩りに行って、それを売って生計を立てているのでしょうか。九州出の磯野家。案外と、広大な山などを持っているのかもしれません。
 それにしても、双子の兄と言うだけで、何でこの人はこんなに弟(波平)に対して傲慢な口の利き方をするのやら。波平も、なぜか敬語だしね。微妙なパワーバランス(家業を継いだ継がないの問題かも)がある気がします。


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磯野家株式市況
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波平▲3円
・・・オチに関しては笑うシーンなんですが、なんか情けなくて。それ以外にも、通信簿をサザエやカツオに見られたくないから、会社を休むと言い出したり、威厳のかけらもありません。悲哀が漂いすぎます。波平は燃え尽きてしまったのでしょうか。


カツオ▲6円
・・・学校サボって、竹の子の皮をむしりに来るなんてやり過ぎ。ノリスケ家へ出かけて、竹の子の箱があることを確認するや、挨拶もそこそこにすぐに帰ってしまう点も嫌な感じ。


サザエ▲2円
・・・海平から竹の子が届くと知り、喜んで「明日は竹の子ごはんね、母さーん」。おいおい、フネさんに作らせる気か?それから、学校サボったカツオに対して何にもナシですか。


フネ▲1円
・・・結局、波平の不満の捌け口になっただけで、役に立ってませんよね(笑)サザエやカツオには内緒でこっそり通信簿を回収しておくと約束した割には、あっさりと2人に先を越されたり。


ノリスケ+1円
・・・今回、波平にタカらなかった点は評価(タカりようもないが)。波平の通信簿を見たがったくせに、波平に「オマエの通信簿を見せてくれるなら」と切り替えされて撃沈した所もなんだか笑えました。


イクラ+1円
・・・海平からの電話を、タイコより先に取ろうと必死に努力した。まあ、イクラちゃんの場合、元気が一番ですね。


マスオ、ワカメ、タラ0円
・・・空気。


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●『遠足前夜』脚本:城山昇


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 明日はカツオやワカメが楽しみにしている遠足。一方、タラちゃんとタマもそれに合わせてサザエと公園に遠足に行く事になる。そこで、その日は波平とマスオもお弁当にして、同じ時間に一家それぞれが違う場所で同じ内容のお弁当を食べる事にしようと決まる。離れていても、磯野家の絆は永遠なのだ。

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 ストーリー作品。磯野家型。
 久々の遠足前夜ネタ。遠足1つでここまで盛り上がれるカツオやワカメが正直うらやましいです。


 明日は小学校が遠足と言う事で、乾物屋が大繁盛。干瓢が全て売切れてしまいます。完売に喜ぶご主人ですが、ついうっかり、小学生の娘のお弁当用の干瓢まで売ってしまい、娘が大泣きするオープニング。干瓢がないくらいで号泣する小学生って・・・軽くトリップしたような気持ちになります。
 なお、この件に関しては、駅前商店街を牛耳っていると思われる花沢不動産が中に入りまして、磯野家なら物持ちがいいからきっと在庫があるだろうと考えた花沢の目論見通りになります。そして、訪ねて来た乾物屋に干瓢をお譲りする事で、無事に解決。よかったなあ、娘(笑)


 さて、カツオとワカメが浮かれている事はともかく、なぜかタラちゃんまで浮かれています。実は、2人に合わせて、サザエと公園に遠足に行くのだとか。よかったなあ、タラちゃん(笑)
 そこに擦り寄ってくるタマ。タラちゃんはタマも遠足に行きたがっているのでは、と思いまして、サザエにタマの同行をお願いします。もちろん、サザエはOK。タマは大喜びです。よかったなあ、タマ(笑)


 すると、波平とマスオが「ワシ達も弁当を作ってくれないか?」と言い出します。明日の昼には一家(タマ除く)が同じものを食べると言う大家族ロマンの幕開け。「明日は、皆で家の方向を向いていただきますを言おうよ!」と言うカツオの提案に喝采が起こります。平和だなあ(笑)


 その夜、ワカメはファッションチェック(いつもとあまり変わらんように見えるが)に大忙し、カツオとタラちゃんは「ガム入りまーす」と、リュックサックの中身の入念なチェックをしています。それぞれ、皆、明日を楽しみにしています。
 そんな中、お弁当作りに忙しいフネさん。


 お弁当作りに忙しいフネさん。
 お弁当作りに忙しいフネさん。
 お弁当作りに忙しいフネさん。


 もう1人、主婦っぽい人いたよね、確か?
 そんなワタシの不満にフォローを入れるかの如く、波平が「母さんは楽しいんだよ、全員の弁当を作るんだから」と解説。あー、じゃあ、つまり、サザエは楽しくないわけだ(笑)その後、そんな声が聞こえたのか、サザエもようやくお弁当作りに加わったりしますが。


 お弁当作りに疲れたのか、肩を凝らしてしまったフネさん。すると、波平がその肩を優しく揉んであげます。意外な波平の行為に「雨でも降らなきゃいいけど」と笑うフネさんですが、それを聞いたカツオとワカメが「困るよ!」とクレームをつける小ネタを挟んで、終局へ。


 遠足前夜と言えば、ワクワクして眠れないのが定番。カツオとワカメも興奮しすぎて目がギンギンに冴えています。
 そんな2人に呆れたサザエがカーテンを開けると、外は雨模様。「遠足は中止ね」と言うサザエの言葉に、ガッカリした2人はようやく眠ります。
 しかし、これは2人を眠らせるためのサザエの策略。外では、マスオが屋根からじょうろでニセモノの雨を降らせていた、と言うオチでした。


 これ、賛否両論分かれると思うのですが、ガッカリさせて眠らせると言うのはアリか?
 「遠足は家に着くまでが遠足です」とはよく言われる言葉ではありますが、準備に心をワクワクさせている時点でも、遠足と言えないでしょうか。その気持ちをくじくのは、どうも虫が好きません。
 確かに、翌朝、晴れ上がった空にカツオとワカメがはしゃぐ様子も目に浮かびますし、睡眠不足で体力が持たなくなる事態を考えると、決してサザエが悪い事をしたとは一概には言えません。でも、そんなやり方は好きじゃないなあ。ウソも方便とは言いますけど、皆さんはどう思われます?


 あ、深夜に屋根へ上らされたマスオさんご苦労様。さすが、サザエの私物だ。


☆突撃!磯野家の晩ご飯========================================


●のり巻き(弁当)
 遠足の定番。しかし、これほど干瓢に拘るのは、お好み焼きにはマヨネーズに拘る大阪人みたいなもんですよね。


●せんべい詰め合わせ、チョコ、みかん、りんご、ガム(遠足のおやつ)
 小学生の頃、おやつは300円までだったワタシには買い揃えられなさそう。あ、みかんやりんごはおやつに入らないのかも(笑)


☆磯野家豆知識================================================


●乾物屋の娘
 干瓢に拘る娘。自分がクラスメイトなら「カン子」とかあだ名をつけて、通信簿に「軽率な行動が目立つ」と書かれてしまいそうです。


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磯野家株式市況
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カツオ、ワカメ0円
・・・いや、まあ、特に強調する事もないかと。


タラ+5円
・・・タマを家族の一員と皆に認識させた点はかなり大きいです。でも、皆がのり巻きを食べている中、サザエやタラちゃんと同行したタマはキャットフードらしきものを食べさせられているのですけどね。


サザエ0円
・・・フネさんを手伝えよとかマスオをこき使うなよとかいろいろあるのですが、前者は後から手伝いに加わり、後者は戻ってきたマスオに対してお礼を言ったり、文句を言う隙を与えませんでした。


フネ+1円
・・・よく頑張りました


波平+1円
・・・肩を揉むツンデレ。


マスオ+1円
・・・同じ時間、おそらくサザエに全身マッサージをさせられていたような気がする。。。


花沢+1円
・・・「磯野くんのために特別なサンドイッチを作って持っていくから(ブラックハート)」。ホントにハート型のサンドイッチでした。無理やり食べさせられようとするカツオのものスゲーイヤな表情が笑えます。


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今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +646円(▲3)→
マスオ+237円(+0)→
フネ +203円(+0)→
中島 +116円(+0)→
タラヲ+80円(+5)→
ワカメ+72円(+0)→
カツオ+29円(▲8)→
花沢 +27円(+1)→
イクラ+20円(+1)→
ノリスケ▲97円(+1)→
サザエ▲292円(▲3)→


 次回予告はカツオが、接着剤で直せるレベルではないほど盆栽の鉢を割った事を告白します。「こりゃお裁きを待つしかないだろうなあ」と言うカツオですが、酒器を見事に直したキミならできるよ、きっと。