6/24放映分「父さん新婚時代」他 | 週刊サザエさん

6/24放映分「父さん新婚時代」他

●『むずかしい年頃』 脚本:城山昇


****************************************************************


 ホリカワくんが急にワカメと口を利かなくなった。嫌われたのではないか、とワカメは落ち込む。
 そこでカツオは花沢や中島の助力を得て、ホリカワくんから真相を聞きだす。実はホリカワくんは風邪をひいており、ワカメにうつしたくないので遠ざけていたのだ。真相を知り、安心したワカメは遂に学校を休んでしまったホリカワくんに、手紙を出して無事に仲直りするのであった。


****************************************************************


 ストーリー作品。ワカメ暴走機関車型。
 ワカメのバカっぷり(褒め言葉)もいいんですが、カツオのアニキっぷりがいいんですよね。城山先生って、こう言う古風な兄妹愛の描写が手馴れてらっしゃいますよね。


 何気にいいシーン(演出)だなあ、と思ったのは、花沢がホリカワくんから真相を聞き出している様子をカツオが覗いているシーン。後ろに中島がいるんですが、優しそうにカツオの肩に手を置いているんですよね。ワカメを心配しているカツオを気遣っているんでしょうね。何気ないシーンではあるんですが、中島、いいヤツ!と思ってしまいました。


 更にカツオは庭のくちなしの花をワカメに持たせて、ホリカワくんのお見舞いに行かせます。理由が理由だけに、波平が怒れないと踏んだ計算高い行動ではあるんですが、病気のお見舞いには花と言う年長者の知恵を妹に授けたと見るべきでしょう。


 ホリカワママはメガネをかけた教育ママっぽいタイプ。ちょっと、ワタシの中では、これまでに登場した記憶はないです。レアキャラだ!と思っていたら、3話目にも登場するんですよね。ちょっとビックリ。
 城山先生と雪室先生が「よーし、俊一!今週はホリカワママを出そうぜ!」「おう!何だか、オラ、ワクワクしてきたぞ」と示し合わせたのか、おじいちゃん(失礼)2人を取り仕切る成島女史が上手く組み合わせたのか・・・ま、単なる偶然でしょうけど。


 そして、今週最大のハイライトが元気になったホリカワくんが、その元気さをアピールするためにワカメを追いかけるシーン。いや、無邪気なシーンではあるのですけどね、笑いながら両手を振り上げてワカメに襲い掛かろうとするのですよ。変質者か!!(笑)


 さて、ホリカワくんに追いかけられた(もちろん喜んで)ワカメが、その眼前でこけてしまいます。慌てて助け起こすホリカワくんですが、ワカメは彼の顔をじっと見ると無言で立ち去ってしまいます。
 これを以って、ワカメに嫌われたと思ってしまったホリカワくん。志村喬のようにブランコに揺られながら落ち込んでいる彼を見かねたカツオが、ワカメに真相を問い質します。ところが、ワカメはただ泣くところをホリカワくんに見られたくなかっただけ、と言うオチ。カツオ「まったく難しい年頃だよ」と、呆れながらホリカワくんに説明に向かうカットで終了です。


 でも、3年生でしょ?転んだくらいで泣くか?
 ・・・と思うのは、たぶん浅はかな考えなんでしょうね。おそらく、転んだ痛みよりも、ホリカワくんが元気になってワカメを襲う(笑)までに回復した事に対する嬉し涙だったように思うわけです。・・・コケた際にパンツをモロに見られた恥ずかしさからかも知れんけど(笑)


--------------------------------------------------------------
磯野家株式市況
--------------------------------------------------------------


カツオ+10円
・・・頼れる兄貴だ、磯野カツオ。ウルトラ兄弟の長男とはえらい違いです。


ワカメ+3円
・・・ワカメらしいと言えば、ワカメらしいお話でしたね。ただ、兄妹愛を描く話になると、急にワカメが幼児化すると言う特徴もあり。


中島+1円
・・・いつも、中島はカツオを見守っています。


花沢0円
・・・ちょっとおせっかいが気になる。何か10年後「なによ、磯野くん、カオリちゃんが好きなの?ワタシが言ってあげるわ!」と、空気読まずに「カオリちゃん!磯野くんがあなたのこと好きなんだって!」と大声で言いそう。


タラ0円
・・・完全空気。ミスターエアー。

□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □


●『カツオのための反省室』 脚本:雪室俊一


****************************************************************


 狭くなった物置を改築する事になった磯野家。そして、工事に呼ばれたのは、かつて磯野家の風呂場を直した大工の棟梁の弟子、金次郎であった。
 棟梁から一本立ちした初めての仕事に張り切る金次郎は、磯野家にとんでもない物置の設計図を提示する。それはカツオが物置に閉じ込められた際に警報が発令するかなりイカれたシロモノであった。
 そんな金次郎に呆れた大工の棟梁は、金次郎を仕事から下ろしてしまう。そして、自分で物置を改築しながら、気になって現れた金次郎に対して、職人の心得を説くのであった。


****************************************************************


 ストーリー作品。ゲスト活躍型。


http://ameblo.jp/weeklysazaesan/entry-10010451228.html
(2006年3月19日放映分「待ってました!大統領」)


 かつて、クルミちゃんが再登場した時、ジミーや究極美少女浅沼さんも出してほしいと願いましたが、現実になるとは、、、ただ、これが面白いのは、もしも「大工屋ジミー」なる物語があるとすると、きちんと、起承転結に当たる「承」の部分を請け負っている点です。


 ワタシは2006年のベストの1つに挙げたように、ジミー登場話はかなり気に入っています。はっきり言えば、このような続編は不要なくらい、話としては完成しているんですよ。昨日の○日新聞でどっかの映画評論家が、パート2もので面白いのはゴッドファーザーくらいのものだ、と言ってましたけど、全くその通りだと思います。


 しかし、今回のこのお話は面白かったのですよ。カツオ探知機(笑)なんて小ネタはともかく、今回は前回では描かれなかった要素が存在するためです。それは「挫折」です。


 今回のジミーは、磯野家の人々が困るくらいに暴走します。
 「日陰者の物置にスポットを当ててやりたいんです!」なんてセリフに代表されるように、ただ単に物置を広げたいだけの波平の意図なんて関係ないんですよね。この辺、ちょうど仕事を覚え始めた新入社員が天狗になるようなもんです。少なくとも、ジミーは磯野家のために仕事をしにきたわけではなく、自分のために仕事してるんですよね。


 そこを棟梁がガツン!とやる展開。仕事を外されたジミーが、気になって覗きに来たところを「目立っちゃいけねえんだ、目立たねえのが職人の仕事だ」と諭します。ドラクエで言えば「ジミーのレベルが1上がった!」って感じですね。


 さて、物語はこれで終わりです。ただ、冒頭にも書いたように、これは「起承転結」の、あくまでも「承」の部分。
 ここまで来れば、「大工屋ジミー」をレギュラー化してほしい気持ちがあります。次に待ち受けるのは「転」の部分です。その要素はもちろん棟梁。昨年の話で、体の悪いことが描かれているわけでして、これを伏線として、いろんな展開が考えられませんか?ジミーが一人前の大工として、棟梁の元から巣立つ姿をぜひ見たいと思っております。・・・まあ、でも、サブちゃんも万年御用聞きの世界だしねえ、ちょっと無理かも(笑)


 オチは、お馴染みのカツオが女装して、波平の怒りから逃れるネタ。服はワカメのものを着ているとして、三つ編みのヘアピースはどうしてるんだろ?


--------------------------------------------------------------
磯野家株式市況
--------------------------------------------------------------


 今回は完全ジミー中心のため、磯野家の株式は動きがなし。強いて言えば、ジミーにガツンと言えなかった波平がちょっと情けなかった位ですかねえ。


タラ0円
・・・完全に状況説明役、、、


□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □

●『父さん新婚時代』 脚本:雪室俊一


****************************************************************


 偶然、サザエ達はノリスケがタイコにアーンしてお寿司を食べさせてあげている現場を目撃する。ワカメはそんな2人の様子に、波平達にもそんな時代があったのだろうか、と思う。
 そんなワカメにサザエはフネさんから聞いた2人の新婚時代のエピソードを語る。ある雨の日、傘を持って行かなかったフネさんに対して、波平が駅まで迎えに行ってあげたと言うのだ。しかも、相合傘をしたいがために、1本しか傘を持たずに。
 その話を聞いたワカメは、同じ様な雨の日に波平を駅まで迎えに行く。そして、そのお話のように波平と相合傘をして、父さんの新婚時代の思い出のかけらに少しだけ触れるのであった。


****************************************************************


 ストーリー作品。ワカメクロックアップ型。
 傑作だと思います。波平の回想自体は「波平らしい」で片付けられてしまうものなんですけど、その後のワカメの行動とさりげなく登場するホリカワ親子の描写が憎らしいくらいに上手いのですよね。


 波平と相合傘で雨の道を行くワカメ。その姿を見かけたホリカワくんが声をかけようとすると、空気を察したホリカワママがそっと彼を制止するのですよね。この辺、余計なセリフもなく、とてもいいシーンです。ホリカワママ、わずかの登場ですけど、助演女優賞もんです。


 その他にも、今回は見所がありすぎ。


・イクラに寿司を食べさせるため、自分の寿司を食べる事ができないタイコさんを見かねて、「あーん」させてあげるノリスケ。
・ハンカチ入れ忘れたくらいで、フネさんに電話で文句をつける波平。
・夜遅くまで遊んでいるホリカワくんを怒鳴りつける波平。
・波平の傲慢ぶりに幻滅したワカメに対して「大きくなったらおじさんみたいになりたい!」と言い出すジゴロホリカワ。
・回想シーンにおいて、雨降りの日に駅までフネさんを迎えに行く波平。もちろん、言い訳は「タバコを切らしてな」。このツンデレめ。


 そして、ラストは駅まで波平を迎えに行ったワカメが、波平に対して「ちょっとノートを切らしてね」と、回想シーンの再現に取り組みます。自分の過去の事と気付いた波平は、昔を思い出しながらワカメと相合傘で帰る・・・と言うラストでございました。雨に濡れそぼる紫陽花の描写と相まって、なかなかに情緒的です。そして、ここでホリカワ親子がいい味を出しているんですよね。


 昨今、ネットで「全自動卵割り機」の話が、結構話題になっているようですが、こう言うお話ももっとクローズアップされてほしいものですね。


--------------------------------------------------------------
磯野家株式市況
--------------------------------------------------------------


ワカメ+3円
・・・ラストで全てOK。タバコをノートに置き換えるところなんていいですね。カツオじゃ、この役割はできんだろうねえ。


波平+10円
・・・ツンデレ炸裂。でも、ハンカチ如きで文句をつけてくるなんて、案外と女々しい所もあるよな、このオヤジは。


イクラ+1円
・・・寿司を食べさせてもらう時の大口(笑)て言うか、幼児に寿司なんて食わせていいものなんだろうか?見るからに、ノリスケたちと同じくらいの量を食ってるぞ、この幼児は。


タラ0円
・・・え?いたの?


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今週の磯野家株式市況まとめ


波平 +709円(+10)→
フネ +210円(0)→
中島 +137円(+1)→
マスオ+94円(0)→
ワカメ+84円(+4)→
タラヲ+75円(0)→
カツオ+64円(+10)→
花沢 +25円(0)→
イクラ+23円(+1)→
ノリスケ▲127円(0)→
サザエ▲292円(0)→


 主役は確かフグ田サザエのはず。。。