11/19放映分「すごいキノコがやってきた」他 | 週刊サザエさん

11/19放映分「すごいキノコがやってきた」他

●『顔に出るマスオ』脚本:雪室俊一


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 マスオは考えている事が全て顔に出てしまう性質である。ノリスケに懐が寒い事を見抜かれたり、その事でアナゴくんにからかわれたりする。本人も大事な取引を控えて、それに悩み始める。しかし、そんなマスオの憂鬱とは裏腹に「顔に出る」と言う意味を理解できないタラちゃんは、自分も顔に出ようとわざといたずらをしたりしてしまうような無邪気なところを見せる。
 そして、取引の日。相手先は隠し事の出来ないマスオを信頼して、書類に一発サインをする。顔に出てしまう事は決して悪い事ではない。こうして、見事に取引を成功させたマスオの喜びもまた、磯野家の人たちに見抜かれてしまうのであった。

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 ストーリー作品。マスオいい人型。
 ノリスケのチャッカリぶりは今に始まった事ではありません。しかし、今回は3本が3本とも、そんなノリスケの図々しさがフィーチャーされております。


 磯野家にて麻雀をしているマスオ、ノリスケ、アナゴ、その他(誰?)。何でも顔に出てしまうマスオは、それを隠すためにサザエからサングラスとマスクを借ります。しかし、そんな小細工のために、却ってノリスケに手を見抜かれてしまうと言うオープニング。麻雀は確かに人間性が出る競技です。大きな手が出来ると、途端に黙ってしまう人とかいますものね。ワタシは手が震える性質です。


 マスオは考えている事が顔に出てしまう自分の性質を悩みます。そんな彼に波平は「(顔に出ると言う事は)正直と言う事」と励まします。いや、マスオ以上に波平の方こそ考えている事がわかりやすいように思うのですが。なお、波平曰く、カツオは例外だそうです。息子に対してあんまりだ。


 カツオ達から「問題外」とされてしまうタラちゃん。自分も顔に出たいと、サザエの口紅を使って落書きをします。そして、サザエにそれを見抜かれるや「わーい、ボクも顔に出たですー」と大喜び。オイコラ!そこのジャリ!


 なお、タラちゃんは、この後のシーンにおいて笑顔で遊んでいたりするので、どうやら怒られていない模様です。何だか、将来、「どうして人が人を殺しちゃいけないでしゅか?」と言う疑問を持っても不思議ではない育てられ方です。二度とこんな事を思いつかないように、誰か地獄を見せてあげて下さい。


 毎度の如く、タイコさん家に油を売りに行っているサザエ。その傍らではイクラちゃんが元気に遊んでいます。今回、今までの沈黙を破るかのごとく、イクラちゃん3本ともフル出演です。ようやく、調子が戻ってきたよう。しばらく見なかった分、何だかイクラちゃんがかわいいです。
 さすがにイクラちゃんは顔に出ないというお話。「そりゃ罪の意識がないものね」とあっさり言いのけるサザエ。いやいや、それを植えつけるために「しつけ」と言うものが存在するのではないか?ちなみに、イクラちゃんは顔には出ないが態度には出るそうで、寝小便をしてすまなそうにしている光景が描かれます。タラちゃんだったら布団に出しておきながら「わーい顔に出たですー」と喜んだりして。


 マスオはノリスケに懐具合が寂しい事を見抜かれます。何でも顔に出てしまうからだと落ち込むマスオに対して、サザエは「(見抜かれるかどうか)試してみれば?」とマスオに小遣いを渡します。5万円くらいあります。気前良過ぎです。しかし、翌日、今度はまたもやノリスケに「一杯奢ってやろうというところですね」と、温かい懐を見抜かれます。更に会社ではアナゴくんに「フグ田君は何でも顔に出るから交渉しやすい」と指摘されて、だんだんとマスオは「世の中は正直なだけでは生きていけないよ」と、ブルーになっていきます。冒頭の波平発言に真っ向から反論してますよね。その時に直接言わなかったのがマスオさんらしい。一応、フネさん達から「そんなマスオさんが好きですよ」みたいな事を言われて、自信を取り戻したりもするのですが。


 マスオの様子を気にしたカツオは、イササカ先生から原稿を貰った帰りのノリスケを捕まえて真偽を問い質します。この際、カツオの「話があるんだけど」と言う誘いに対して「お金のかからない場所でなら聞いてもいいよ」と返す辺り、ノリスケのノリスケたる真骨頂。で、会談場所は公園。この寒いのに(笑)


 実はノリスケがマスオの懐具合を見抜いたのは、マスオの顔色を伺ったわけではなくて、彼独特の洞察力。給料日前のサラリーマンは例外なく誰でもお金に困っている、そして、おそらく見抜かれた事を気にしたマスオがサザエから小遣いを貰って来たに違いない・・・と、ノリスケは読みきったわけです。他愛もないと言えば他愛もない推理ですが、大事な事は、これをズバリと確信を持って言い切れるかどうかですよね。ノリスケ、カマかけの達人です。ただ、お人好しのマスオには通用しますが(この後のお話でも同様のシーンが存在する)、お馬さんや玉を弾く機械に通用しない事は明らかです。


 大事な取引を控えているマスオ。カツオから「(顔に出ないように)唐辛子でもなめていけば?」と言われていましたが、そんな事が出来るはずもなく。そこで、サングラスとマスクで顔色を隠す手段に出ます。しかし、これはアナゴくんの「相手に失礼だよ」と言う珍しく常識的な発言により却下。ここでアナゴくんが「キミは黙っているだけでいい」と、頼もしい一面を見せます。頼れる男だ、アナゴくん。


 しかし、実際の交渉において、見積書を差し出すアナゴくんを差し置いて、取引先はマスオの様子を伺います。「フグ田はん、これがギリギリの線ってこったな?」と言う取引先の言葉にマスオは冷や汗もの。ですが、一転、取引先は「契約しまひょ。フグ田はんは嘘をつけん人やから」と、あっさり契約は成立します。マスオは万々歳。それはともかく、いいところ見せようとしたアナゴくんの立場がまるでない辺りが気の毒です。おそらく、アナゴくん、単独の見積もりでこれまで何度も水増し請求したりしていたのだろうなあ。


 嬉しそうに口笛を吹きながら帰って来るマスオ。サザエ達に契約の成立を祝福されて「どうしてわかった?」と驚きますが、答えを言うまでもなく、あんなに明るく帰ってきたら誰でもわかりますって。
 最後は、タラちゃんがタマを見て「タマは顔に出ないですー」とほざいて終わりです。


 海山商事でのアナゴくんとマスオの力関係、ノリスケのブラフなどいくらでも掘り下げ可能なテーマが満載でなかなかに面白いお話でした。


☆突撃!磯野家の晩ご飯==========================================


○トンカツ、キャベツの千切り、トマト(夕食)
 先週、オムレツが登場してようやくマンネリ食卓に楔を打ったかと思いきや、今週はまた油ものメニューに逆戻り。なお、最初はブラウン色のソースがかかっているのですが、その次のシーンではいきなりソースだけなくなります。タラちゃん、ソースだけ舐めたのか?(作画ミスでしょうけど)


○ハンバーグ、キャベツの千切り、トマト(夕食)
 キャベツとトマトは、前日の使い回しかも。鮮度が心配です。


☆磯野家豆知識==================================================


○取引先
 えらそうな人。関西弁丸出しなので、関西出身である事は確実です。おそらく、マスオも同郷である事を活かした営業トークをしてきたのでしょうね。そう考えれば、この人もアナゴくんではなくてマスオを信頼していた理由もわかります。東京モンは信用できへんさかいにな。
 もっとも、何の取引をしていたかは全く不明です。また、見積書を書類ではなくて、ノートで提出していたのはいかがなものか。


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●『母さんは勉強中』脚本:雪室俊一


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 フネさんが英会話の勉強を始めた。母さんを勉強に集中させるべく、カツオ達は家事を分担したり、やたらと気を使う。
 すっかり、英会話にハマったらしいフネさん。みんなから若くなったと言われて、ちょっぴり嬉しいようである。

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 ストーリー作品。磯野家型。
 しかし、肝心な「フネさんが英会話を始めたきっかけ」が不明なんですよね。単なるボケ防止のためでしょうか。


 サザエがカツオ達に「(母さんがテレビ英会話を見るから)見たいテレビを譲ってあげて」とお願いしまして、それを受けた彼らが「いいともー!」と大合唱。しかし、フネが勉強中に寝こけた様子を伺って、「こうなるとわかっていたから」と好きな番組(アニメとか)にチャンネルを回すオープニング。来週もサザエさん見てくれるかな?いいともー!


 やる気を出しているフネさんのために磯野家は一致団結。ここで、カツオがテレビ英会話の放送日をチェックするために、カレンダーに赤○をつけますが、どうやら、木曜日らしいです。番組を特定してやろうかと思ったのですが、現在放送されている英会話講座は大体が深夜(再放送でも昼)なのですよね。一体、何を見ているのだろう?と思って調べたところ、条件に合致する番組が一つありました。


http://www.nhk.or.jp/kids/program/eigo.html
(えいごであそぼ)


 フ・・・フネさん・・・;;
 ちなみに、同じく英会話を始めたおカルさんは甚六くんにビデオ録画してもらっているらしいです。波平、お前もビデオくらい買ってやりなよ。今なら、時代の波はDVDレコーダーなどに移っていて、ビデオデッキ安いから。


 フネさんが英会話を始めるメリットとして、波平は「洋画を字幕無しで見れるぞ」カツオは「英語を教えてもらえる」点を挙げます。いや、何と言うか、海外旅行で困らないとか、もっとワールドワイドな視点を持とうよ。


 フネさんに気を使いまくりな磯野家一同。家事の負担を減らすべく、カツオ達はタイコおばちゃん宅に夕食を頂きに、波平とマスオはノリスケと共に居酒屋「ほろ酔」に呑みに行きます。しかし、フネさんはおカルさんと一緒に勉強すべくイササカ家に行ってしまい(※1)、残されたサザエが独りでお茶漬けをすすると言う物悲しいシーンが繰り広げられます。


 家事の負担を減らすと言いますが、サザエがもっと頑張れば済む話でしょうに。ちゃっかり、タイコさんとこに行くカツオ達もどうもなあ。極めツケがノリスケの「毎週飲み会が開けますねー。おばさんに感謝しなきゃ」発言。おいおい、ノリスケ、お前、どうせ波平にタカるつもりだろう?


 英会話にハマったフネさんに対して、ワカメが「お母さん若く見える」と発言。マスオもそれに同意して(居候の悲哀だ)、波平は「脳を刺激したからかも知れんぞ」などと言います。フネさんよりも、波平が刺激すべきかと思われます。頭の内も外も。


 その晩は波平とマスオが夕食作り。豪快な男鍋です。フネさんに勉強に集中してもらうためなのですが、フネさんと一緒になってサザエまでくつろいでいる点を見逃してはなりません。誰もサザエにまで楽をしてもらおうとは思っていないぞ。あまつさえ、後片付けを引き受けたカツオに対して「汚れ物持っていかないと」などと言います。オマエがやれよ(笑)
 サザエってフネさんへの依存症と言うか、実はまだ乳離れしていないのではなかろうか。一緒に風呂入ったりしているしねえ。


 ラストは洗い物を終えたカツオ。「かけらを拾い集めるのに時間がかかっちゃった」と言う言葉に、驚いたフネさんとサザエが台所に行くと、鍋が豪快に割れていたと言うオチ。カツオはともかく、ちっとも悪びれていないワカメが印象的です。


 フネさん、英会話続行なんですよね。もっとも、すぐに忘れ去られる(忘れなきゃいけない)設定なんでしょうけど。


※1
 結局、フネさんはおカルさんと古いアルバムを見ながら思い出話に花を咲かせていた、と言うオチ。サザエの油売り癖はフネさんの血が濃いのかも。それにしても、サザエが夕食を独りで食べていた事から、フネさんはイササカ家で食事も頂いたと思われます。何と言うチャッカリ家系なんでしょ。


☆突撃!磯野家の晩ご飯==========================================


○鮭の切り身、ごぼうのキンピラ(夕食)
 久々に魚。さすがに肉料理ばかりでは飽きてきたと見えます。ちらりと見える小鉢は、中身の色合いからしてごぼうのキンピラと判定しました。ちゃんとささがきして作ったのか、総菜屋で買って来たかどうかは不明。


○昆布巻き(居酒屋)
 波平、マスオ、ノリスケが居酒屋「ほろ酔」でつまんでいたメニュー。熱燗の肴です。量からしておそらくつき出し。こういうつき出しは作り手側のセンスと誠意を感じますね。なお、熱燗はやや乳白色。とろみがかった甘口のお酒と考えられます。


○豪快男鍋(夕食)
 フネさんに代わって波平とマスオが作る。中身はシイタケ、ネギ、青菜など。メイン具材は不明です。来週は何を作ろう?と言うマスオに対して、サザエは「予算の問題があるから(任せられない)」などと答えます。それから察するに、結構、値の張る具材だったのではないでしょうか。エビとかカキ辺りか?


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●『すごいキノコがやってきた』脚本:森山あけみ


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 波平が上司の海外旅行土産としてトリュフを貰ってきた。初めての食材の登場に騒然となる磯野家。週末に予定されたトリュフ料理に向かって俄然気分が盛り上がる。
 しかし、磯野家のトリュフ入手をノリスケが察知、また、花沢にもそれを知られて、彼らがトリュフを味わいに来ると言う。分け前が減る事を恐れるカツオは気が気でない。
 その週末、トリュフの試食に集まった彼らの前で、何とタマがそれを強奪する。慌てるカツオに対して、波平はトリュフ如きに浮き足立った一同を嗜めて、これでよかったのだと締めくくる。しかし、諦めきれないカツオはただ呆然とするのであった。

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 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 予告の時点で、誰しもすごいキノコ=マツタケと思ったはず。しかし、まさかトリュフだったとは。想像ついた人います?


 今日はマツタケ料理。それを聞いて興奮したマスオが鼻息を噴射すると、透けるほど薄く切られたマツタケが宙を舞うと言うお馴染みネタのオープニング。これを見た時には、ああやっぱりマツタケ話なのね、と思ったのですが。


 波平が瓶詰めのトリュフを持って帰って来ます。何でも、海外旅行帰りの部長に貰ったのだとか。サザエは「これがトリュフ!?」マスオは「あの有名な!?」もちろん、カツオ達は存在すら知りません。磯野家、色めき立ちます。愚かな庶民どもです。


http://www.glico.co.jp/zeppin/stew.htm
(グリコZEPPINシチュートリュフ仕立て)


 とりあえず、キミたち、これ食べとけ。ちなみに、磯野家に負けず劣らず小市民なワタシも食べましたが、肝心のトリュフの味がよくわかりませんでした。それにしても、未だに落ち葉でイモを焼いたり、豆腐を笊で買いに行ったりするサザエさん世界では異色な存在です。まるで、登場人物が携帯電話で話しているような違和感さえ感じます。そのギャップが面白いのですが。


 トリュフの見た目は、泥団子のようにグロ。匂いも強烈です。少なくとも、視覚的に食欲をそそられるものではありませんで、その辺りは忠実に画面に再現されています。これで、カツオがやたらと興奮しているのですから、権威に弱いのでしょうねえ。


 サザエが本屋でフランス料理の本を立ち読みしながら、トリュフの料理法について悩んでいます。そこに現れたノリスケ、目敏く「今夜はフランス料理ですね」と指摘します。ご相伴になる気満々です。分け前が減る事を恐れたサザエはそのまま逃亡します。そこにサザエが頼んでいたと思われる「美味しいトリュフ料理」と言う本を持って本屋のご主人が登場。勘(と言うかタカリ癖)が鋭いノリスケは、磯野家にトリュフがある事を確信します。


 翌日、ノリスケの誘いで昼食を共にするマスオ。ここでノリスケにカマをかけられたマスオは、うっかりトリュフの事を喋ってしまいます。そんなマスオにウインクしながら、「美味しい物は分け合うのがボクの主義でね」といやらしさ全開です。今回、3本ともノリスケのこう言ういやらしさが前面に出ていて、ちょっと呆れます。それがノリスケの個性なんですが、何と言うか、よりによって集中した構成にしなくとも。。。


 結局、トリュフ料理法を求めて図書館にまで行ったらしいサザエ。刻んでオムレツに入れる事に決定します。先週、磯野家の食卓に突如登場したオムレツはこの伏線だったか!


 その頃、勝手にトリュフを持ち出したカツオは、空き地でそれを中島に見せびらかします。すっかり権威主義に埋没しているカツオ。「これがトリュフかー」と土管の上にトリュフを置いて、食い入るように見入る中島もまた小市民。そこに買い物途中の花沢がやって来て、2人は慌てて隠します。花沢に見せたら厚かましい彼女の事、食われるとでも思ったのでしょうか。花沢ってそんな悪い子じゃないよ?(笑)ちなみに、花沢に「何か隠しているんでしょう?」と詰め寄られて、カツオは冷や汗ダラダラ。マスオほどではないにせよ、カツオも顔に出るタイプです(波平曰く「例外」でしたが)。


 結果、カツオがそのトリュフを空き地に忘れてくると言う大失態を演じて、それを見つけた花沢が磯野家に届けに来ると言うオチ。でも、トリュフと言う物を知らないと、形状からして単なるゴミにしか見えないはず。花沢がわざわざ磯野家に届けたと言う事は、彼女は一応知っていたものと思われます。
 結局、花沢もトリュフを食べに来る事になり、分け前が減ってしまったカツオはゲンナリ。中島相手に見せびらかすに留めただけで精一杯でした。と言うか、あれだけ自慢されて試食会に誘われなかった中島がかわいそう過ぎます。


 週末。一家総出で磯野家にやって来るノリスケ(笑)なにこの卑しさ。イクラちゃんもバブーなんて言っている場合じゃないぞ。


 そして、仏前にトリュフを供えて、「ご先祖様、これからトリュフを頂きます」と、花沢も含めた全員で手を併せて拝む儀式。ギャグか!!(笑)
 さて、これから料理・・・と言う時に、波平が畳の縁に躓いて大ゴケ。手にしていたトリュフが転がって縁側のタマの下へ。すると、タマはそれを咥えて逃げ出します。この辺のシーンの流れには「8時だよ!全員集合」のBGMが似合います。


 騒然となる一同。すると、タマは屋根の上に駆け上がり、メスネコに対してトリュフをアピール。何だか知りませんが、すっかりいいムードになります。
 その様子を見た波平が「あれはタマにあげよう。みみっちく取り合うなと言う事だろう」と言います。おいおい、何をきれいにまとめようとしているんだ?アンタがコケなかったら、こんな事にはならなかったんだぞ?すると、すかさずノリスケが「高嶺の花は一生そのままがいいんですよ」と奇麗事。だったら、オマエ、家族連れてタカりに来るなよ!(笑)・・・もう、この辺りの一連の流れは凄まじくテレビに向かってツッコミまくりでした。いやー笑えた笑えた。


 最後はトリュフを挟んでラブラブなタマを見上げて、カツオが「ボクのトリュフ・・・」と呆然とつぶやいて終わりです。こればかりは、カツオに同情します。だって、どう考えても、タマはトリュフを食わないでしょう?みみっちい連中を戒めた波平ですが、カツオだけが煩悩を取り払う事は出来なかったと言う終わり方でした。


 ちなみに、トリュフのお値段について調べてみた所、中国産は割合と安価で手に入ります。しかし、海外土産と言う事なので、おそらくヨーロッパ産の物でしょう(まさか中国土産にトリュフは買って来まい)。すると、高い物では万単位です。あっさりと引いたサザエでしたが、金額を知ったら、屋根に駆け上がってでもトリュフ奪還に動いたでしょうね。もっとも、貰い物であり、懐がぜんぜん痛まなかった分、執念も薄いか。


 それにしても、波平。翌日、その部長に「磯野くん、トリュフの味はどうだった?」と聞かれたら、どう答えるのでしょうね。「飼い猫にあげましてな。ワハハハ」なんてバカ正直に答えた日には、稚内のカンヅメ工場辺りに永久移動させられてしまいそうでちと心配です。


 いやー、おもしろかった。大浜誠先生や林民夫先生に代わって、定期的に登板するようになった山田由香先生と今回の森山あけみ先生。絶対的作品数が少ないので、イマイチ個性を掴みにくかったのですが、ようやく色がわかってきたような気がします。
 山田さんの方は、隙のない手堅い作品(「もういちど七五三」や「がんばれ新一年生」とか子供視点でのお話が印象的)をお書きになります。一方、森山さんの方はかなり挑戦的。今回のトリュフと言い、「マスオ男のやせ我慢」のマスオの重病疑惑にパニくるサザエとか、「柿とるべからず」の柿を盗んでほしい爺さんとか。今後とも注目ですね。


 次回の注目はなんと言っても「ミセス穴子さん」。タイトルだけ見たら、奥さん(アナゴさんをKOする強烈キャラ)の登場を思わせますが、一筋縄ではいかんだろうなあ。