7/16放映分「5年3組なぞなぞ王決定戦」他
本日はフジテレビ恒例の「26時間テレビ」に組み込まれた一編。今年のテーマは「史上最大真夏のクイズ祭り」と言う事で、オープニングも特別に用意されておりました。学者帽をかぶったサザエが繰り出すクイズ(ジェスチャーやシルエットクイズ)にカツオ達が答えていく流れ。本編は第3話目が、テーマに即した内容でございます。
●『ママが実家へ帰ります』脚本:雪室俊一
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近頃、帰りの遅いマスオにあてつけるように、突如、サザエは実家に帰ると言い残して、タラヲと共に磯野家から出て行ってしまう。
もちろん、サザエにとっての実家は磯野家。どうせ、ノリスケ家にでも行ったのだろう、とタカを括っていたマスオであるが、何処にもサザエの姿はない。次第に焦りを見せ始めたマスオは、波平やノリスケからの酒の誘いも断って、本気になってサザエを心配する。
その夜、ようやく帰って来るサザエ。実は実家は実家でもタイコの実家に出かけていたのである。その理由はただ単に「一度(実家に帰ると)言ってみたかっただけ」と言う単純なもの。さすがに、マスオは「ムカー!」と腹を立てる。
とは言え、本気でサザエを愛しているマスオ。翌日の昼には、すっかり怒っていた事も忘れるのであった
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ストーリー作品。マスオいい人型。
サザエのいい加減さ、マスオの怒声、波平の毅然さ、ノリスケのお気楽さなど、細かなセリフでいい味を見せているお話。ストーリーの流れを楽しむよりも、セリフの掛け合いで楽しむタイプのお話でした。
おままごとをしているタラヲとリカちゃん。突如、リカちゃんが怒り出して「実家に帰ります!」と言い出します。幼稚園児がそんな言葉を自然と覚えるわけがないので、リカママがしょっちゅう口にしているのでしょうね。夫婦仲が危ぶまれます。
その話を聞いたサザエは、タイコさん家で「一度、私も(実家に帰ると)言ってみたい」と言います。そんな、サザエにタイコが何やら耳打ち。ここから騒動が始まります。
その夜、タラヲに「グリム童話」(※1)を読んでやっているサザエ。そこで突然読み聞かせ内容を「ハンスは仕事にかこつけてBARを飲み歩いたり・・・」と改変。横で酔っ払って帰って来ていたマスオが「当てこすりはよしてくれよ~」とぼやきます。こちらから言わせれば、「読み聞かせにかこつけてイヤミを言ったり・・・」てな感じですな。
ここでサザエが「実家に帰らせていただこうかしら?」と言いますが、サザエの実家は磯野家なので、マスオはダチョウ倶楽部のように「どうぞどうぞ」と安請けあいしてしまいます。
翌日、サザエはカツオに「実家に帰ります」と言い残し、タラヲを連れて磯野家を後にします。マスオはもちろん、カツオもフネさんもサザエの本当の行き先を知りません。
焦ってサザエを探しに行くマスオは、会社から帰って来た波平とバッタリ出会います。波平はマスオを屋台に誘いますが、既にマスオはビールも口に出来ないほど、サザエを心配して憔悴しています。この辺になると、オチがやや見えて来るのですが、マスオの心配ぶりのエスカレートを見ると、この後、訪れるであろうオチがなかなか怖いものになりそうな予感がします。
酔い潰れた波平を抱えて磯野家に帰って来るマスオ。すると、彼らを出迎えたのはサザエでした。実家は実家でもタイコさんの実家に行っていたのだとか。サザエ曰く、本当は1泊するつもりだったが、タラヲが帰りたいと言い始めたと言う事。
そんなサザエに最近帰りが遅い事を改めて謝るマスオですが、サザエはあっけらかんと「一度、実家に帰ると言ってみたかっただけ」と言います。ここでマスオがブチ切れ。深夜の磯野家に「絶対許さん!!」の声が響きます。マスオが大声を上げて怒鳴るなんて、1年に1回あるかないか位のレアなシーンではないでしょうか。「ムカー」と画面に文字が浮かび上がる程です。
翌日もマスオの怒りは収まらず。しかし、会社で「奥さんからだよ」と言うアナゴくんの言葉に電話を取るやいなや「もう怒ってないよーだって愛しているもの」と、あっけなくのろけ始めます。しかし、奥さんは奥さんでも、取引先の「尾久さん」だった・・・と言うオチでした。
あまりにもサザエの行動が痛すぎます。結局、サザエは身勝手な行動を謝っていませんしね(波平やフネさんからは責められますが)。せめて、フネさんくらいには言い残していくべきですわな。これがいい年こいた大人のやる事ですか?
そんなサザエに強烈なしっぺ返しがあれば溜飲も下がるのでしょうけど、ああして「罪を憎んで人を憎まず」的なマスオにそれを期待するのも無理ってもんです。まあ、この後、本当にサザエから謝罪の電話が会社にかかってきて、これをマスオが今度は「尾久さん」と勘違いしてしまうオチを脳内保管しておきましょうか。
☆突撃!磯野家の晩ご飯==========================================
○焼き鳥、ビール(屋台)
波平が、駅前でサザエを待っていたマスオを誘った場所。焼き鳥はネギマ。サザエを心配するマスオはお酒が喉を通らずに、ふらりとやって来たノリスケにあげてしまいます。ノリスケはタカりに来たとしか思えません。
○トースト、ハムエッグ(朝食)
卓上トースターでぽんと焼く。サザエはそんなトーストにバターを死ぬほど塗りつけております。相変わらず、朝からカロリーが高い磯野家でした。
※1
グリム童話と一口に言っても、248編もの短編からなる代物。サザエが何の話を読んでいたかと言うと、手がかりは「ハンス」と言う言葉と、そのハンスが「森に出かけた」と言う事だけ。で、調べてみるとハンスと言う名前はグリム童話には結構出ています。母親の教えを一つずつずらして実践してしまう「ものわかりのいいハンス」や、わらしべ長者の逆バージョンで身包み剥がされて行く「しあわせなハンス」、シザーハンズの元ネタのような「ハリネズミのハンス」などなど。グリム童話にはあんまり明るくないので、次回までに調査しておきます。
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●『マスオうっかり注意報』脚本:末永光代
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最近、マスオはどうも一言多い。失言して他人を怒らせてしまう事が多多あるのだ。マスオもそれを自覚していた。
そんな折、マスオは部長から取引先の社長への接待を頼まれる。失言癖を気にするマスオは、カツオのアドバイスもあり、磯野家の人々を相手に、失言をせずに相手に気持ちよくなってもらう話術の勉強に取り組む。ただ、どうにもマスオが喋ると、単なるおべっかにしか聞こえないようだ。
無理をするマスオに対して、磯野家の人々は「自然体でいる事が一番」とアドバイスする。接待当日、マスオは、その言葉に従い、タラヲがくれた似顔絵をお守り代わりにして出かける。そして、お土産屋で一緒になったご婦人もまた、息子の作ったアクセサリーを大事にしていた事から、2人は意気投合する。
そして、社長宅に訪れたマスオは、そのご婦人こそ取引先の女社長である事を知るのであった。家族を愛する自然体のマスオの姿が女社長に気に入られたのである。大役を果たせた、と胸を撫で下ろすマスオであった。
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ストーリー作品。マスオいい人型。
珍しく、立て続けのマスオ話。脚本の末永光代さんは初参戦でしょうか。経歴を調べてみると、アニメを中心に幅広く作品を手がけていらっしゃる方のようです。サザエさん参加は、同じくエイケン製作の「プレイボール」繋がりと思われます。
知り合い?の出産にお祝いを持って訪れるマスオ。ところが、それは三つ子であり「こんなに!?」と驚いたマスオに対して、「フン!」と母親が機嫌を悪くするオープニング。これ、原作4コマでは「3匹もいる!」とマスオが失言して、母親を怒らせてしまうネタだったはずですが、この改変でははっきり言って意味が通じませんね。そりゃ、予め聞いていなければ三つ子だと驚きますよ。
会社の屋上で体操しているマスオに迫る美女。「どう?染めちゃったの」と自慢する美女に対して、「とても染め直したとは見えないじゃないの」とスカートをつまんで感心するマスオですが、実は彼女が染めていたのは髪の方。ここでもいらない事を言って相手の機嫌を損ねてしまうマスオが描かれます。ところで、この美女、真っ赤なスカートなのですが、会社にそんなものを穿いてきてはイカンと思うぞ。スカートを摘み上げるマスオも下手すればセクハラですな。
サッカーをしていて、ご近所の家の庭の花壇を潰してしまうカツオ。ダメおやじに出てくるオニババのようなご婦人が怒り心頭になりますが、カツオは咄嗟に「おばさんみたいなきれいな人と出会えてラッキー!」とおべんちゃらを言って切り抜けます。それを聞いたマスオが「カツオくんくらい、ボクも気の効いた事を言えたら」とボヤきますが、子供が言うのなら冗談で済みますが、マスオがオニババに同様の事を言ったら、すぐさま旦那と別れて乗り込んできてしまいますよ。
社長接待に備えて、気の効いた事を言う訓練を始めるマスオ。サザエには「台所に立つ女神だ」、波平には「心から尊敬するお父さん」、あまつさえ、タマにまで「この鈴がかわいい」などと言います。気の効いた言葉と言うより、単なる褒め殺しのようです。
で、結局、タラヲが書いたマスオの似顔絵(ほぼ直線のみ)が縁で、女社長から気に入られるマスオ。しかし、取引先の社長が女性である事くらい、事前にリサーチしておかないと。失言云々の問題ではない気がします。
ラストは、デスクワークに励むマスオの前を横切ったOLが、股間からパンツらしきものを落としていきます。真っ白な物体を前にして、知らせるべきかどうか悩むマスオ。すると、アナゴくんがそれを摘み上げて「落としたよ」とOLに知らせます。実はそれは椅子カバーだった・・・というオチでした。何で彼女が椅子カバーを股間(書類で隠れていて厳密ではありませんが)に入れていたかは謎。温めていたのだろうか。
☆突撃!磯野家の晩ご飯==========================================
○ビール、刺身(昼から)
三つ子に対して失礼な事を言ったマスオの話を聞く波平。昼間っからビール瓶傾けてますよ、このオヤジたちは。
○ビール、枝豆(晩酌)
マスオのおべんちゃらに照れる波平。夜もビール瓶傾けてますよ、このオヤジたちは。まさに水代わり。その割には、焼き鳥屋台(1話目参照)のビールくらいで波平は足腰に来ているんですよね。
○スナックさっぱりしお味(おみやげ)
カツオがオニババから貰う。パッケージに「スナック」「さっぱりしお味」の文字が見えます。特定は難しいですが、スポンサーがカルビーなので、、、
http://www.calbee.co.jp/yasai-snack/products/product05.php
(さやえんどうさっぱりしお味)
この辺りかと思われます。
☆磯野家豆知識==================================================
○マスオの知り合い夫婦
ちょび髭のオヤジ。どう見ても、マスオと同年代とは思えないほど老けてはいますが、タメ口を利いている事から近しい関係かと思われます。出産している事からも、見た目程の年齢ではないと言う事か。
○OLその1
マスオにスカート(実は髪)を見せびらかしに来た女性。真っ赤なスカートに栗色の髪、耳にはでっかいピンクのイヤリングに、白いバッグ。会社の屋上なので、同僚のOLだとは思うのですが、それにしても派手。早退か、はたまた社長出勤か、実はマスオの愛人か、それとも行きつけのキャバクラのねーちゃんか。
○OLその2
股間から椅子カバーを落とすOL。いかにも作業着と言った感じのおばちゃん。OLその1とのギャップに悩みます。
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●『5年3組なぞなぞ王決定戦』脚本:成島由紀子
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中島が出題したなぞなぞを、カツオは一笑に付す。怒った中島はカツオになぞなぞ対決を申し入れる。意地になったカツオがその要求を受け入れた事により、今度のおたのしみ会において、2人の勝負が行われる手はずとなる。
打倒中島に燃えるカツオは、本屋にて中島のなぞなぞの元ネタ本を発見。これで守りに関しては大丈夫だが、問題は攻め。カツオは、サザエや波平からオリジナルのなぞなぞを教えてもらい、着々と準備を進める。
そして、対決当日。5年3組一同が固唾をのんで見守る中、遂にカツオと中島の壮絶ななぞなぞバトルが開始された。お互いに次々と問題を出し合って、答えられなかった方が負けと言うルールである。花沢の提言により、敗れた方は罰として顔に墨を塗るルールが追加適用される。
火花を散らしながら徹底的に中島を攻めるカツオだが、相手も然る者、激しい攻防は同点のまま、最終ラウンドに持ち込まれた。カツオの出す問題に答える事が出来れば、中島の勝利が確定する。そこで、なぞなぞのストックが尽きたカツオは、波平から授かった絶対にわからないであろう時代がかった問題(後述)を出題する。しかし、中島はそれをあっさりクリアー。同じなぞなぞをおじいちゃんに教えてもらっていたのである。
敗れて、顔に墨を塗りたくられたカツオが「もうなぞなぞはこりごり」とぼやいて、決戦は幕を閉じたのであった。
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ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
この話が今回の26時間テレビに即した内容です。本来なら中居正広が例年通りにオリジナルキャラクターとして出演するところなのですが、今回、中居くんは「ちびまる子ちゃん」の方に登場。案外と脚本段階ではなぞなぞを出すのは中島ではなくて、中居くんだったのではないか、と思わせる節があります。
ストーリーに関しては、概略に書いた通り。今回、5年3組のメンツがずらずらと出てきますが、印象に残ったキャラがお下げのメガネっ子。冒頭のシーンでは、西原などを押しのけて花沢やカオリちゃんに混じっております。お下げのメガネっ子・・・と言えば、「ちびまる子ちゃん」のたまちゃん。「ちびまる子ちゃん」が中居くんを独占した見返りに「サザエさん」にたまちゃんをブッキングした・・・と考えると、ちょっと面白いかも。
中島を打ち負かすなぞなぞを模索するカツオ。カツオがサザエから授けられたなぞなぞは「晴れたら着て、雨だと裸のものは?」と言うもの(答え:物干し竿)。これはカツオが即答できたため、却下。
一方、波平の出したなぞなぞは「いつもすごい勢いで相手を叩き合っているが、美味しい食べ物を作る2人組は?」(答え:杵と臼)。これは古すぎて答えを聞いてもピンとこないので、却下。
クライマックスの対決シーンでは、花沢が汗を流すほど、2人の勝負は白熱します。本当に炎が吹き上がる演出は、ミスター味っ子を彷彿させます。
そして、最終問題。カツオのなぞなぞに中島が答える事が出来ればそこで勝利が確定。・・・と言う事は、どこかでカツオが間違えたと言う事なのでしょうか?
結局、最終問題を中島にクリアーされてカツオが敗北するわけですが、ひょっとしてサザエのなぞなぞを使っていれば勝っていたかも?と言う描写が欲しかったところですね。
作中、夜中も机にだけ明かりを点けてなぞなぞ作りに励むカツオが印象に残りました。波平も言ってますが、これだけの情熱を勉強に注ぐ事が出来れば、カツオももう少し幸せになるのに。しかし、とにかく今回に限らず、カツオには集中力があります。勉強なんて頭の良し悪し以上に集中力の問題ですから、さほど、カツオの学力を心配する事もないような気がします。
「口から出る首は?」(あくび)「小学2年生しか診ない医者は?」(小児科)「本棚に入りきらないほど大きな本は?」(日本)など、全編なぞなぞ一色だった今回の話。世代的に「秘密戦隊ゴレンジャー」においてキレンジャーが出すなぞなぞに鍛えられていますから、ワタシは楽勝でした(笑)
☆突撃!磯野家の晩ご飯==========================================
○ビール、煮物の盛り合わせ(晩酌)
煮物はサトイモ、えんどう、ごぼう、ニンジンなどが見えます。それにしても、今更ながら、波平、ビール飲み過ぎ。