3/26放映分「花壇にメダカを」他
来週は東海地区では「中日-広島戦」が放映されますので、サザエさんを含む春のアニメスペシャルの放送は4月9日の日曜日の昼に延期されます。そんなわけで来週の発行はお休み。再来週に2週間分アップします。
●『カツオ財テク術』脚本:雪室俊一
カツオがお金を貯め始めた。
株を買いたいと言うカツオに対して激怒する波平だが。
ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
オープニングのタイトルバックでちゃっかりネタバレしている辺りが何とも言えません。
新聞を読んでいる波平。「世の中に金で買えない物はないとは全く嘆かわしい!」と憤慨しております。うーむ、これって明らかにフジテレビの買収をしようとしたあの人に対してですよね。逮捕される前に波平がこの発言をしてくれたら、神だったのになあ。
そんな波平に対して「お金で買えない物、それは父さん」と言ってカツオはまんまとご機嫌と1000円札をせしめます。これって波平が甘いとか言う云々以前に「金で買えない物はない」と言う発言を肯定しているようで、ちょっとイヤな風刺のシーン。何気に黒い雪が今日も舞います。
更にカツオは「姉さんがいたおかげでマスオさんと言う素晴らしい義理の兄が出来た」と発言して、気分をよくしたマスオから300円を貰います。給料日前だからと言う事で300円のみでしたが、給料日の後だったらもっとお小遣いをあげていたのでしょうか。
調子に乗り始めるカツオ。ワカメに利息付きでお金を貸そうとしたり、甚六くんの車(浪人生のクセに生意気な!)を磨いたりして(※1)、とにかく財テクに励みます。一体、カツオはお金を貯めて何をやろうとしているのか?そんなタイコおばちゃんの問いかけに対して、カツオは「株をやりたい」を打ち明けます。
ノリスケを仲介にしてカツオ発言を聞いた波平は大激怒。小学生のクセにけしからん!とカツオを呼びつけて説教しようとします。でもまあ、今は小学生でも株をやっている時代ですからね。某生活窓の大暴落の時に、憤慨していた小学生株主がテレビに出ていましたが、1株程度で株主面されたらたまったものじゃあないですな。
しかし、株は株でもカツオがやりたかった物は野菜のカブ。「株式会社カブ」(※2)を設立して、カブの漬物の会社を作りたいのだとか。なんでも、カオリちゃんがカブの漬物を好きだからと言う何とも他愛のない理由です。だったら、漬物会社の株を買い占めて大手の株主になった方がいいよ、カツオくん。
そして、実際にフネさんから漬物の作り方を習うカツオですが、その糠味噌臭さと冷たさに早々にギブアップ。カオリちゃんの関心買いたいだけだったら、京都辺りから取り寄せた方が早いわな。
結局、カツオは株式会社カブを断念。貯めたお金でスニーカーを買ってご満悦。マスオさんにハイキングに誘われますが、せっかく買ったスニーカーを汚したくないと言う理由で断ります。「ボクの汗の結晶だからねー」と机に置かれたスニーカーを見てニヤニヤするカツオですが、おべんちゃら言って儲けた金じゃねーか、と言うツッコミをサザエの代わりにしておきましょう。
全然関係ないですが、今回はなぜかイクラがえらく可愛く作画されていたような気がします。ばぶー。
○カブの漬物
カツオはカオリちゃんがカブの漬物が好きだと言う事を聞き、カブの漬物作りを始めようとして、まず糠どこを買おうとします。ただ、ここで疑問な事はカブの漬物に果たして糠味噌が必要なのか、と言う事。赤カブならばわかるのですが、カツオのイメージは白カブ。で、白カブの漬物と言うと、千枚漬や甘酢漬などの酢や昆布だしで作る物をイメージするのですが・・・。まあ、白カブの糠漬も存在しない事はないですし、敢えて市場価値のない漬物にカツオがチャレンジしようと思ったと言う事にしておきましょうか。
※1
掃除中に現れたサザエが「カツオにお駄賃をやるな」と甚六くんに釘を刺します。しかし、カツオが運良く車内から200円を発見。甚六くんはそれをお駄賃としてカツオに渡します。もし、イササカ先生が落とした200円だったらどうしたつもりだ、甚六?
※2
カツオが一晩寝ないで考えたらしいネーミング(笑)たぶん、一晩寝ないで昼に寝たのでしょう。
□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □
●『母さん相談室』脚本:城山昇
人の悩みにすぐに乗るフネさんは町内の人気者。
今日もあっちこっちと引っ張り凧でありまして。
小ネタつなぎ作品。フネさんいい人型。
以前、波平がノリスケの雑誌の人生相談を執筆すると言う話がありましたが、人の話に親身になって相談に乗る辺り、似た物夫婦なのかも知れません。
夜道を行くフネさんに、いきなりハンマーを持った老婆が出現。「そこに座ってワタシの愚痴話を聞くんじゃ!」と言う老婆に対して、フネさんは公園のベンチで「倅は嫁の言いなり、孫は口を利いてくれない」と言う老婆の愚痴を延々と聞く羽目になります。いくら聞いてもらいたかったからって、ハンマーで脅すのは犯罪ではないか、と。誰かに聞いて欲しいのならば、昼の1時過ぎに日本テレビに電話してみるとどうかな?
今日も今日とてお小遣いの値上げを波平に要求するカツオ。しかし、全く暖簾に腕押し状態。そこで、カツオはフネさんに相談しますが「勉強していい成績を取って、言う事をよく聞いて」といい事しか言いません。お小遣いのために勉強しろと言う考えもどうかとは思いますが。
押しかけのセールスマン。ヘアースタイルがグチャグチャでいかにもやさぐれてそう。対応に出たフネさんですが、気付くとセールスマンの身の上話に乗っております。あまりの長話に見兼ねたサザエがカツオ(魚)と枝豆を持って来て、2人にカツオを削らせたり枝豆のフシ取りを行わせたりするオチ。実の母親に対してよくやらせるよ、サザエ。
そんな感じで、ついつい聞き役になってしまう事が多いフネさん。「親身になって話を聞いてくれるからですよ」と言うマスオですが、世の中には聞き上手な人は存在するのですよ。
聞き上手の一つのテクニックとして「忍法オウム返し」と言う技がありまして、例えば「上司が嫌なヤツでさー」と言う言葉に対して、そのまま「うんうん、上司が嫌なヤツなんだ?」と返すわけです。こうすると、相手は自分の話をしっかり聞いてくれていると認識して、いろいろと喋ってくれるという技。興味がありましたら、一度、実生活にお役立てください。
カツオとワカメが珍しくケンカ。「カツオが悪い!年上だから!」と決め付けるサザエに対して、タラヲは「ケンカはどっちも悪いですー」と公正な判断を下します。この辺、サザエもWBCの誤審アンパイアも見習って欲しいところです。
ちなみにここで「(カツオとケンカすると)いつも私が怒られていた」と言うサザエの学生時代が回想されますが、あのヘアースタイルに三編み髪は幾らなんでも無理があるところ。
そんなこんなで、町中の主婦から身の上話に引く手数多のフネさん。どう言うわけか、それが縁で英会話を習い始める事になるのですが、英会話の先生も身の上話をフネさんに持ちかけて、とてもじゃないが勉強している感じではないというオチでエンドです。
でも、人の愚痴って、聞いているとこちらまで欝になってくるのですよ。他の主婦達はフネさんに愚痴をこぼす事でストレス発散していると思うのですが、果たして、フネさんは受け取った恨みつらみのパワーをどこに散らしているのか?もっとも、そう言う怨念のパワーを全部吸収してしまうようなビッグな人なのかもしれませんけどねえ。
○ポークソテー?
○トンカツ(両方とも夕食)
前者はおそらくポークソテーと認識。煮魚のように見えましたが、網目のような切れ込みが入っているので、ロース肉と判定。たぶん、大量に買って翌日のトンカツにも同様の肉を使用しているのではなかろうか、と思います。
ちなみに今日はフネさんも皆と一緒に食事をしておりました。会話に加わる時には箸を握っている、背景と化している時は食べ終わってお茶を飲んでいる・・・そう言う法則が成り立つものと思われます。
□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □
●『花壇にメダカを』脚本:雪室俊一
波平とマスオが作った花壇を池と勘違いするタラヲ。
そして、リカちゃんから貰ったメダカが後に大騒動を。
ストーリー作品。タラヲかわいいなあ型。
次週予告から全く話の内容の見当がつかなかった1本。いろいろと裏の見方も出来て面白いお話でした。
最近、胃がもたれているという波平とマスオ。それを聞いたフネさんは「体を動かせば?」と言い、2人は庭に花壇を作り始めます。作り終わった後(未完成)にビールを飲んでいるんだから、何の解決にもなっていないのですが。
さて、その花壇を池と勘違いしたタラヲ。その話をリカちゃんにしてメダカを貰ってきます。もちろん、花壇は池にはなりませんから、風呂場の洗面器にメダカを入れて楽しみます。メダカに名前をつけようというカツオ。「メダカ1号2号はどうだろう?」と言いますが「ロボットみたい」とワカメがすかさずツッコミ。ワタシはテレビの前で「ロンブーかよ!」とすかさずツッコミ。
しかし、残念ながら磯野家にはタマがいるのでメダカは飼えません。メダカに愛着が沸いたタラヲは必死に防衛しますが、サザエはリカちゃん家にメダカを返そうとします。ですが、あいにく、リカちゃん家は旅行に出かける事に。なし崩し的にメダカは磯野家で飼われる事になります。ところでリカちゃん家ってやたら旅行に出かけていませんか?ブルジョアなんだなあ。
そんなある日、メダカが1匹消失。タマが食べたと思い込んだタラヲは怒り狂ってタマを追いかけます。しかし、これはタラヲの勘違い。メダカは海草の影に隠れていただけでした。タラヲが誤解に気づいたのも後の祭り、タマは磯野家を出て行ってしまいます。相当、タラヲが怖かったのだろうな、うん。
どうでもいいですが、この時点でまだ洗面器にメダカはいますよね。磯野家の風呂はどうしているのでしょうか?
いろいろあって、家出をしたタマは何とノリスケ家に出現。よく、ノリスケさんの家を知っていたなあ、タマ。タマが居なくなって泣いていたタラヲはひと安心しますが、同時に「タマとメダカは同時に飼えない」事を改めて悟り、メダカをイクラにあげる事にします。
そんな折、旅行から帰って来たリカちゃんが磯野家へ訪れて「メダカを川に返してあげて欲しい」と言います。なんでも、旅先の小川でイキイキ泳ぐメダカを見て自然に戻してやりたいと思ったのだとか。
そこで、リカちゃんを伴いノリスケ家へ出かけるサザエやタラヲたち。しかし、イクラは頑としてメダカを手放そうとしません。そんなイクラを必死に説得するリカちゃん。リカちゃんとイクラの会話と言うヤジロベーとクリリンを彷彿させる何とも笑えるシチュエーション(※1)です。
しかし、うっかりタイコおばちゃんが水道の水を使用したために弱りかけ始めているメダカ(※2)。それを知ったイクラはようやくメダカを川に逃がす事に同意します。そして、メダカを川に開放してあげて終わりです。
オチは花壇に何やら撒いたタラヲ。「8年経ったらわかりましゅ~」と言うタラヲですが、実際に撒いた物は「柿の種」。桃栗3年柿8年と言うわけか、とサザエがギャフン!と言う感じなエンドでした。もちろん、タラヲに入れ知恵したのはカツオです。
※1
リカちゃんとイクラの声優さんはどちらも桂玲子。リカちゃんの声は「フランダースの犬」のアロア(雪道で「ネーローー!!」と絶叫する最終回でおなじみ)、イクラの声はろぼっ子ビートンと言えばわかりやすいか。ちなみに、カオリちゃんの声もこの方。
※2
おそらく、タイコおばちゃんの事なので、そんなミスはしないと思います。きっと、イクラを納得させる方便だったのではないでしょうか?さすがタイコおばちゃん・・・なんで、アナタみたいな出来た女性がノリスケなんかの嫁に。