先日、深夜放送でイジュウイン・ヒカルが「どうしても秘密にしておきたいことがあるオトコの口を割らせるのに最も効果的なのはキンタマをペンチで挟んでコレデモカ!と圧力を加えること。でもこの方法だと秘密は二つまでしか聞き出せないよね」と言ってましたが、私の場合は三つ目の秘密までオッケーです。
…単に弱点が増えただけの話じゃねーか。
というわけで、私の股間に三つ目のキンタマが出現した話、続編です。
その後の4年間、何の支障もなく生活しておりましたが、およそ2か月前、4回目のモザンビーク赴任中にキリマネの街を歩いていましたらタマ・ナンバー3に鈍痛を感じました。その時に着用していたジーンズのシワや下着の股への食い込み方などが関係して変な圧迫を受けたのだと思います。痛みそのものは非常に鈍いのですが、歩き続けるのが困難なくらい重い痛みで、実際、私は痛みをやり過ごすためにちょっと立ち止まって1分ほど休む必要があったほどです(股間を押さえてうずくまるのはかろうじて我慢できました)。
不安になりました。
4年もの間ほったらかしにしていたせいで、いよいよ事態が悪化してしまったのかも知れない。ちゃんとした泌尿器科に行って診てもらおう。
モザンビークから帰国した私は、有名な大学病院の泌尿器科の診療科長を数年間務めた経歴を持つ開業医を訪れました。内科がメインでオマケのように泌尿器科がくっついているのではなく、泌尿器科がメインのクリニックです。ここならちゃんと診断してもらえるでしょう。
保険証を提示して受付を済ませますと、問診用のタブレット端末を渡されました。表示される質問に答えるように、とのこと。
質問事項は、今まで大きな病気をしたことがあるか、とか、現在服用している薬の種類は、とか、ごく一般的なものでしたが、困ったのが来院目的が問われるページ。尿道結石とか前立腺肥大とか尿道炎とか、いくつかある選択肢の中、どこを探しても「キンタマ増量5割増し」という項目がない。私の症状に近いと思われる項目は、かろうじて「性器の不具合(包茎手術)」くらい。
これでいいのかなぁ? まぁ他に適当な選択肢がないしな。しょうがないからこれ押しとこ。
カッコ内の包茎手術というサブタイトルが気になりましたが、とりあえず性器の不具合を自己申告。私の回答は、診察室にいる医師と処置室の看護師のコンピュータに瞬時に送信されたようです。
しばらく待っていると私の番が回ってきました。名前を呼んだ看護師さんは私を見てちょっと驚いたようでした。
「えっ? こんなオジサンが今更包茎手術を受けるの?」
と思ったんでしょうね、きっと。
診察室に入って医師が最初にかける「今日はどうなさいましたかー?」という決まり文句も、少々訝(いぶか)しげでした。ですが、
あのー、陰嚢内に三つ目の睾丸が出現して・・・、
と説明しかけた途端、
「あー、はいはいはいはい!」
いかにも「合点がいった!」と言うふうに、医師は威勢の良い民謡の合いの手のような声を発しました。
今まであまり痛くなかったのに最近は時折重い痛みを感じるので心配になった。
と私が訴える不安を、うん、うん、と優しい頷きで受け止めてくれた先生は
「身体の左側でしょ?」
と発生個所を言い当て、念のためのエコー検査のあと「ウム、やはり」と頷き、
「これは精液瘤(せいえきりゅう)というものである」
と、わざわざメモ用紙に書いて教えてくれました。そして
「長径は22.3ミリである」
…それ重要な情報なんですか?
「いや、興味あるかと思って」
何かと親切な先生であります。
説明によると、精液瘤とはキンタマから伸びる精管の途中に水が溜まり、膨らんだものだそうです。悪いものではなく、これ以上の大きさになる可能性もなく、数が増える心配もないそうです。邪魔に感じるようなら注射針を差し込んで中の水を抜き出すこともできるけど、たぶんすぐに元通りになってしまうだろう、とのこと。
「なので、このままにしておいた方が良いと思いますけど」
というわけで、私、まだ三つ持ってんです。