天水田(雨水に頼る水田)の一角を苗代にするため、農家のヒトたちと一緒に作業しておりました。幅1メートルの短冊形の苗代を作るため、水の下から土を持ち上げて積み上げます。上部を均(なら)して平らにし、低い部分にはさらに周囲の土を積み上げて均します。

そよぐ風がひげに遊んで行きます。額にかく汗も乾かしてくれます。
天気の良い日の農作業は気分の良いものです。

 

 

突然、誰かが「コブラが出た!」と叫び、その途端、作業していたほとんどのヒトたちが放射状に逃げました。残った数名が勇敢にも鍬で叩いて攻撃しています。


水田用の長靴を履いて足元を固めている私と違い、裸足で作業している農家にとって毒蛇は大いなる脅威であります。コブラなんて大型毒蛇に咬まれちゃったら命が危ない。最寄りの病院に行くにもクルマで悪路に揺られて軽く1時間以上かかってしまう僻地でありますし、ようやく到着した病院に血清が備えてあるかどうかも疑わしい。
そのせいでしょう、どんな蛇でも見つけたら必殺!であります。農家の多くが信者であるキリスト教の教えでも「アダムとイブに悪を吹き込んだ蛇は敵」とされておりますし。

 

盛大に水しぶきを上げて田面をバッシャンバッシャン叩きまくっていたツワモノどもが「もう大丈夫」と一息ついたところ、見に行きました。どんな大蛇が出たのか、興味があったんです。
そしたら、こんなにかわいいの! 手前の円は直径約2センチ半の硬貨ですから、長さはおよそ10センチくらいでしょうか。探せばミミズでももっと大きいのがいそうなほど。

 

 

頭が小さく、同様に口も小さく、顎の関節を外したとしてもその内径の狭さではきっと私の小指を飲み込むこともできないでしょう。

確かに形は蛇ですが、これはコブラじゃねーよ。おめーらビビりすぎだよー。
今度出たら俺に言え。捕まえて蝶結びにして見せっから。

 

なーんちゃって。そんなことしませんけどね。