ケニヤに来てからおよそ一ヶ月間、業務開始準備のためにナイロビに滞在しておりましたが、先日エンブという町に拠点を移しました。

 

エンブはナイロビから北に約130キロ。天気が良ければ国内最高峰のケニヤ山(5199m)が臨める気持ちの良い町です。標高がおよそ1500mで気候も冷涼。これでも今が年間で一番暑い季節なんですって。日本の夏と比べたら天国のようです。エアコンも要らないし、こりゃあラクチンだ。

借家を見つけて早いとこ落ち着こうと考えており、実は先月からたびたび訪れて程度の良い借家を探しているのですが、現在はまだホテルに仮住まいです。

 

借家探しには少々コツが要ります。

今まで滞在した他の国々と同様、ケニヤでも個人賃貸用住宅の不動産屋さんというのはありません。不動産エージェントに空き家物件を紹介してもらうシステムになっています。エージェントと言うとカッコいいですが、ガソリンスタンドのオバチャンとかホテルの従業員のオッサンとかが兼業しているもので、あまりシステマティックではありません。加えて、ナイロビのような都会ならば外国人向けの物件も豊富ですが、エンブのような田舎町ではそうそうありません。気に入った物件を見つけるまで、結構時間がかかります。

クルマを用意して、エージェントの案内で空き家物件を見て回ります。見せてもらった中に気に入った物件がなければ、別のエージェントに頼んで空き家めぐりを繰り返します。エージェントには半日つきあってもらって約¥500の謝金を支払います。契約が成立すれば1ヵ月分の家賃と同額の謝金が大家から支払われるケースもあるようで、これはかなりまとまった額の臨時収入でしょう。

うまくいけば大金が得られるんですから、もっと真面目に熱心に取り組めばいいのに、そういう姿勢はあまり見られません。物件に関してエージェントが知っているのは大家が希望する月額家賃だけで、こちらが欲しい情報は何も知らないことがほとんどです。

 

借りる立場で住宅を見る際にチェックすべきは建物の雰囲気や内装のクオリティだけではなく、*近所も含めてセキュリティは良いか、*敷地は塀で隙間なく囲われているか、*水道から水がちゃんと出るか(冗談みたいですが、重要です)、*予備の水タンクがあるか(断水が数日間に及ぶ可能性もあります)、*その地域の停電頻度はどれくらいか、*敷地内で携帯電話のアンテナが2本以上立っているか、*家の前の道は行き止まりになっていないか(万が一、近所で暴動などが発生した場合、どちらか一方に逃げ道を確保するため)、*街へのアクセスはどうか(近すぎると騒々しいですし、遠いと不便です。当たり前ですが)、*道の状態はどうか(舗装されていない場合、雨季には路面がどういう状態になるかを想像する)、などなど、多岐に渡ります。

幸運にも「これはなかなか良いかも」という候補物件に巡り合ったら「内部の壁を塗り替えて壊れている戸棚なんかを直して、それで月額家賃がいくらになるか大家に聞いといて」などと要望をエージェントに託しておくと、あとで大家本人から電話がかかってきて、契約交渉が始まることになります。

 

契約時には当然のことながら契約書を熟読しなくてはなりません。まれに「アレするなコレするな」と、その通りにしていたらその家には住めないような内容の記述があったり、「契約期間終了時には内装全てを再塗装すること」なんて、その支出だけで数十万円もかかるような約束をさせられそうになることもあるため、知らない単語は辞書で調べ、必要であれば大家にその真意を確認した上で自分で理解できる表現に書き換えてもらったり、眉にツバを塗って念を入れて取り組みます。

 

現時点では、エンブの丘の上にある一軒が気に入っています。窓が多くて全体的に明るい雰囲気。居間には小振りの暖炉があります。家の中で焚き火が出来るなんてサイコー。庭にも緑が多く、また充分な面積があり、近い将来に娘やバタコさんが合流しても遊び場には困らない。

現在、契約交渉中です。