ラオスでの私の任期も残りわずかとなりました。ルアンナムターへの出張も、今回を勘定に入れてもあと二回。

 

農場で、今までお世話になったお礼もこめて、ちょっと奮発して豪勢な宴会をやろう!と思い立ちました。何が食べたい?と農場スタッフに尋ねたところ、異口同音に「ヤギ!」という返答。で、山羊を一頭買いました。オスヤギ一頭50万キープ(約5千円)也。

 

ラオスの宴会では、牛や豚や山羊や鶏、時にはさえもが、料理されて供されます。

さばく手間を考えれば、市場で生肉を買った方が、もしかしたら安く上がるかもしれないのに、生きたままの動物を買ってきて料理する方が格段に人気があります。もう宴席の雰囲気からして違います。宴会開始前から参加者全員が軽くコーフンしているような気さえします。その宴のためだけに殺生をするということで、生贄的な意味もあるのかもしれません。

 

買ってきた山羊をいつものように若手スタッフがさばいてくれます。暴れないように縛りつけた山羊をさらに数人で押さえつけ、胸部にナイフを刺し入れて動脈を切断。溢れ出る血が止まったら熱湯を身体全体にかけて体毛を抜く。その後、熾した火にかざして取りきれなかった細かい毛を焼きます。

高熱で身体全体が膨張し始めた頃を見計らって、角を抜きます。鹿などの角は芯まで角ですが、山羊の角は硬いのは外側だけで、内部は脂肪分なんです。ですからムンズと掴んでグリグリと捻るとズボ!と抜けます。

 

 

この先細りのホルンにラオラーオ(米焼酎)を注いで一気飲みするのが慣わしになっているそうです。

注いだラオラーオは、角の内側に付着していた山羊の脂が溶け出して早くも白濁しています。なんか身体に悪そうな予感。こんなの飲んで大丈夫なのかな・・・?

 

「ダイジョブだー」「イッキにイケー!」

 

と、囃されてその気になってグイッと一気にイキました。

その途端! 強いアルコールの刺激と、それとは明らかに趣の異なる山羊の脂の変な刺激が喉にまとわりつく。

 

ぐえーっ! まずーい!

 

必死の思いで飲み下したものの、口中にはまだ脂の生臭さや渋みなどが残っています。それを洗い流すためでしょう、自然と口中に大量の唾液が分泌されて、おかげで徐々に楽になりつつあるのですが、今度はその刺激成分を含んだ唾液を飲み込むことができず、地面に吐き出してしまいます。その上、辛さから眼からは涙が、鼻からは鼻水が出ちゃって、誠にカッコ悪い。

そんな私を見て、けしからんことに、みんな大爆笑してやがるんです。笑いながら口々に「まずいだろ?まずいだろ?」とか「コイツ、本当に飲んでやんの」とか、勝手なこと言いやがって。

 

ばかー!なんで飲ますんだよ、こんなのー!

 

怒っているはずの私もどういうわけか笑いがこみ上げてきて、結局全員笑顔。その後は私の強制的なご返杯もあって、みんなで大騒ぎ。

 

最後にするには惜しいほど、楽しい宴会でありました。