以前、ヒトにとってフトモモはラジエーターに相当する機能を持っている、と書きました。

運動時に上昇する体温をフトモモから放熱することによってコントロールしていると思うんです。

動物は種類によってそれぞれ身体の違う部分をラジエーターにしているようで、ウサギはその長い耳から放熱しており、変温動物であるワニは川辺で日光浴をしつつも口を開けて上昇した体温を逃がす。

鳥類はどうも嘴(くちばし)から放熱しているようです。飛行する際に最も風を切る部分なので、放熱するには都合が良いのでしょう。

 さて。

先日、友人が日本からラオスに遊びに来てくれました。

一緒に北部のルアンパバーンに旅行し、そこで象に乗るツアーに参加しました。象に乗ってラオスの森林を行く、という内容の「エコ・ツアー」だそうです。コレは面白そうだ。象に乗って移動するなんてめったに体験できることじゃない。早速申し込みました。

乗ってみて分かったことがいくつかありました。

 

       象は本当にパオーと鳴くこと。

象って本当にパオーって鳴くんです。いや、それは知ってはおりましたが、至近距離で鳴かれると結構感動します。おー、やっぱりパオーなんだなぁ、と。

パオーは良いんですが、時々鼻水を吹きかけるんです。鼻から霧状の鼻水を乗客に向けてバシュッ。それがちょっとネトネトするんです。あれ、嫌がらせなのかなー? 

鼻水をもろにかぶった友人のシャツにはハナクソがくっついていました。あ!ハナクソくっついてやんの!ハハハ!と笑いものにしたら、自分の唇にも異物が着いているのを感じ、すぐに沈黙する私でありました。

 

       あまり乗り心地の良いものではないということ。

地面からだいぶ離れた状態で山道を行くので、前後左右にかなり揺さぶられることになり、疲れます。乗り物酔いしそう。1時間弱の行程でしたが、もう充分、という感じでした。

 

       象も耳で放熱しているということ。

象の背に設えた木製ベンチに腰掛けると、乗客の足がちょうど象の耳の後ろあたりに位置するようになります。ひっきりなしにバッサバッサと振られる耳が素足に触れる。その感触が柔らかくてあったかくて妙に気持ちが良い。しかし胴体に触れるとさほどの熱は感じない。明らかに耳の温度は他の部分に比べて高く、ウサギと同様、象も耳で放熱していると思われます。

野生的で活発な動きを見せるアフリカゾウの耳が比較的大きくて盛大に放熱できるのに対し、従順な性格を持つアジアゾウの耳は少々小さめ、というのもうなづけます。

 絶えず耳を動かしているということは、それだけ運動量が増して体温が高くなっているという証拠であり、その背に乗る者は心の中で詫びるが如くそっとつぶやくのでした。

「デブでごめんね」

 

象に乗る