以前、大阪出身の友人と食事をした時のこと。
「ちょっと、お醤油とって」
と言われて、はいよ、と手渡したら、
「やっぱり関東のヒトやなー」
と、感慨深げに言われました。

こういう時、大阪ではとりあえずボケるんだそうです。
醤油を要求されたらワザとウスターソースを手に取り、「これかー?」と尋ね、「それはソースやないか」「ほんならこれかー?」「それは胡椒やろ。醤油ちゃう」などというやりとりを経た後、ようやく醤油を渡す、と。
その友人によると、幼少時、醤油とってくれ、と言われて素直に醤油を渡すと親から叱られたそうです。
「なんでボケへんねん」

ラオスでは、買い物をする時に値引き交渉をすることが当たり前です。
もちろん、スーパーマーケットのように明確に値段が表示されている場合はべつですが、公共市場などでは値段を訊いて売り手が最初に提示した額をそのまま払うのではなく、ちょっと安くして、と頼むんです。
売り手の方も割りと簡単に、
「じゃ、ちょっとだけオマケしてあげる」
などと言って値引きしてくれる。
値引きといってもホントに小額でわざわざお願いするほどの額ではないのですが、これは必要なコミュニケーションなのでしょう。
金銭物品のやりとりだけでは無機的に終始してしまう商業活動の中で、多少なりとも感情が触れ合う有機的な関係を築こうとしているようです。

ちょっとボケることは食卓での会話のきっかけとなる。
ちょっと値切ることで売り子と客は友人になる。

ラオスにもっと溶け込むためにも、今日も値切るぞ値切るぞー。