喜劇王チャーリー・チャップリン。
言うまでもないことですが、偉大な映画人であります。
彼の映画はペーソスあふれる喜劇として知られておりますが、どの作品にも多くのアクション・シーンがちりばめられており、しかも危険な撮影でもスタントマンを使わず、すべてチャップリン本人が演じたそうです。彼は喜劇役者であったと同時にアクション・スターでもあったのです。

その影響を受けた後継者として、私が先ず名前を挙げたいのはジャッキー・チェンであります。
チャップリンとジャッキー・チェン。
その映画のジャンルはまったく異なるものですが、双方とも「組織的な暴力からいかに逃げるか」が、その出演作のストーリーに大きく関わっているという共通点があります。
で、ジャッキー・チェンお得意の「逃げるアクション」はチャップリンの動きに大きく影響を受けていると、私は確信しております。
ただ、チャップリンの映画がアクションだけでなく、笑いと涙を誘うことで作品として中身の濃いものになっているのに対し、残念ながらジャッキー・チェンの映画ではアクション・シーンばかりが強調され、他方面の充実感が薄い。また、時にその派手なアクションがストーリーと噛み合っていないように思えることも多々あります。

最近、「ベストキッド」をジャッキー・チェン主演・制作でリメイクしたと聞きました。
オリジナルのベストキッド(原題:Karate Kid)はラルフ・マッチオとパット・モリタが出演する1984年の作品。転校して来たばかりのいじめられっ子がアパートの管理人である日系人から空手を習い、その修行を通じて人間的にも成長してゆく、というストーリーでした。師弟関係や在米日系人の心境など、人間ドラマとしても優れた映画です。

ジャッキー・チェンによるリメイク版を、私はまだ観ていないのですが、実はすごく期待しています。彼がチャップリンに近づくために、もしかしたらこの作品は絶好のチャンスかも、と思っているんです。