知り合いに易断家のオバチャンがいます。
易断家というのはいわゆる占い師で、オバチャンは特に失せ物探しや尋ね人の分野がお得意みたいです。
灯りを落とした静かな部屋に座り、心を静め、知りたいことを問い、精神を統一して待つことしばし。すると、答えが得られるのだそうです(その答えを仮に「お告げ」とします)。
お告げは非常にシンプルなもので、単純な二者択一の答えしか得られないんですって。
例えば、しばらく前から連絡が取れなくなってしまった大事な友人が現在どこにいるか知りたいので占ってください。という依頼があると、
 ① その友人が存命中か否かを占う → 「存命中」というお告げ
 ② 同じ市内にいるか否か → 「市外」というお告げ
 ③ 方角で言えば東か西か → お告げなし(どちらの方角でもない)
 ④ では北か南か → 「北」というお告げ
 ⑤ 東北地方か北海道か → 「東北地方」というお告げ
 ⑥ …以下、輪を狭めてゆくように質問を続ける
と、かように多くの過程を経なければならず、加えて、それぞれの質問に対する答えがすぐに返ってくるわけではなく、数分の時もあれば一晩以上かかることもあるそうなんです。時間はかかるし、精神統一のために体力は消耗するし、かなり効率が悪い。
でも得られる答えはことごとく当たっており、着実に正解に近づいてゆくことが出来るらしい。
私自身は占ってもらった経験はなく、その信憑性については何の確信もないのですが、「二者択一のシンプルな占いで、すぐに答えが得られるわけではない」という都合の悪さに妙なリアリティを感じます。

オバチャンは幼い頃からこういう能力を持っていたわけではなく、きっかけとなるある不思議な出来事があったのだそうです。
(この項、続く)