牛の足を腿と脛で切断して肉を取った後、残った膝の部分をぐつぐつと茹でてスープをとります。ラオス料理屋でのランチでは、この牛膝(ぎゅうひざ)がおかずの一品に出てくることがあります。
お肉の柔らかいところはとっくに溶けてしまっており、残っている部分で目立つのは関節のゼラチン質ぐらい。半透明でフルフルとフルえております。ナイフでむしり取り、口に入れます。ゴムのように妙に硬い部分は適当に噛んで呑み下します。いつまで噛んでも軟らかくならず、キリがないのです。

お楽しみは骨髄。ほとんどが流出しておりますが、まだ骨の内部にこびりつくように残っている分があります。
断ち割られた骨に太目のストローを差し込み、髄液を吸い出します。液とは言っても熱ですでに柔らかく凝固しており、吸い込む時にはズバッ、ズバズバッ、と盛大な音がします。
関節に近い部分は大人の拳骨ほどの大きさに丸くなっており、かなりの容量があります。たぶんドーム状になっているであろう骨の内壁をストローの先で探りながら、吸引。大きな塊を探り当てた時はけっこう嬉しい。
口の中に飛び込んできた髄は微妙な塩味で、かなり脂っこい。というかアブラそのもの。
そしてアブラとは明らかに違う味もして、これがミルクを濃厚にしたような、ほのかな甘みと柔らかい塩味。これはカルシウムの味なのか、それとも牛そのものの味なのか。
なんだかわからないけれど「栄養満点」という感じではある。
そんなものをズバズバ吸って、またしても育ってしまうオジサン80キロ。