こんにちは。weedyです。

今回はいわゆるなろう系小説のコミカライズ、「異世界の沙汰は社畜次第」を紹介します。

 

こちらは久しぶりにコマ割りされている日本のBL漫画です。

これは本当は紙で読むべきだろうなあ。

なろう系R18小説のコミカライズで、とはいえR18要素は1(ほとんどなし)~5(ほぼ毎回&濃い)とすると1。ないとまでは言わないですが、キスシーンは度々あるもののR18甘々ラブラブシーンは序盤はほとんどなし。行為のいずれも救命のためというもどかしい感じ。

 

主人公の近藤誠一郎は経理課で働く29才。毎日仕事に追われて気力体力を失いつつあったある日、女性の悲鳴で駆けつけると少女が魔法陣の中に飲み込まれかけているところでした。

助けようとして一緒に飲み込まれた先は100年に一度発生する「瘴気」に蝕まれつつあるロマーニ王国の王宮内。少女は聖女として異世界に呼ばれた者であり、誠一郎は巻き添えを食らってしまったのです。

召喚は国内外、世界を問わず対象となるものを呼び出す術で、今回はたまたま現代日本から少女が選ばれたのですが、召喚術に帰還させる方法はありません。扱いに困った王宮は誠一郎に望みを問いますが、ワーカーホリックの誠一郎は経理の仕事と答え、王宮の経理部門で文官として働くこととなりました。

しかし、王宮の経理課とは名ばかりで、予算はろくに管理されておらず、流れてきた申請にただはんこを押すだけの部署でした。誠一郎が露天の少年に作ってもらったそろばんを片手に過去の経費を洗い出したところ、国庫は枯渇寸前の自転車操業で、敏腕経理課職員としてはとても見逃せない状態でした。

誠一郎は経理課業務の改革を始めます。この手腕は宰相の目に止まり、経理課副長官の地位を与えられてしまいます。

 

第三騎士団長のアレシュ・インドラーク。魔法と剣に優れた騎士で構成され、魔獣狩りなどを行っている軍団の長で、侯爵家出身、顔良し、腕っぷし良しの22才。

改革は騎士団の予算にも及びます。いままでは訓練費と称してどんなざる予算でも通っていましたが、誠一郎は見逃しません。第三騎士団も例外ではありませんが、アレシュは部隊の運営を部下任せにしていて関心がなく、誠一郎についても特に関心もありませんでした。しかしある日、街中で栄養剤によって中毒症状を起こし死にかけている誠一郎を見つけます。

誠一郎は社畜時代から頭痛、肩こり、慢性的な倦怠感に悩まされていましたが、異世界の栄養剤を飲むと改善するため、過労状態で働いては栄養剤を飲むのがくせになっていました。

しかし、異世界出身かつおまけ召喚の誠一郎はこの世界に満ちる魔素や魔力に耐性がなく、それらが豊富に含まれる栄養剤に中毒症状を起こしたのでした。

それを知らないアレシュは咄嗟に回復魔法を誠一郎にかけるのですが、これにも魔力酔いを起こしてしまい、さらなる応急処置をする必要が出ました。

その応急処置とは回復魔法と同じアレシュの魔力を体になじませること。そしてその一番早く確実な方法は身体を重ねること。

二人はお互いを理解するどころか明確な知り合いとなる間もなく、最後までいった関係となったのでした。

 

ここからアレシュの誠一郎に対する世話焼きBBAのような過剰で強烈な干渉が始まり、逃げ回ろうとしながらも上司に逆らえない&死にたくはないので渋々干渉を受け入れる誠一郎のドタバタがファンタジー世界の財政改革、聖女のあり方の変革とともに描かれていきます。

 

異世界召喚、巻き込まれ、現地人との恋愛なんてものはジャンルとしては珍しくないですが、現代人による財政面からの聖女のありかた改革なんてのはなかなか面白い。

それに現代日本人から見ても異常な誠一郎の仕事に対する姿勢がアレシュに理解できるわけもなく、目を盗んでは仕事をしすぎて怒られるという鉄板ネタの繰り返しの中で、誠一郎に対する本人も自覚のない執着っぷりがいいからお前ら(以下略)

アレシュが自覚してからはさらにスキンシップ過多な年下わんこ(ただし番犬より)に。この距離感、ちょっと誠一郎は線を引こうとしていてアレシュは詰めに行っている感じがたまらなく好き。