こんにちは。weedy77です。

 

サル痘が日本にも入ってきて、一昨日、厚生労働省が天然痘ワクチンの接種を認可しましたね。

主に医療従事者が対象で、感染の疑いがあるときに発症を抑えるためにも使えるようです。

 

さて、サル痘に対して、なぜ天然痘ワクチンが使えるのか。

先日、mRNAワクチンについて描きましたが、このときmRNAワクチンは警察に顔写真を配るようなものだと例えました。

同じ比喩表現を使うと、サル痘に対して天然痘ワクチンを使用するのは親兄弟で極めて似ている人物を警察に紹介するようなものです。

 

天然痘の仲間はかなり似通っていて、ジェンナーが牛痘(今では正確には牛に感染していたワクチニアウイルスであると考えられている)を人間に感染させると天然痘にもかからなくなることを応用し、人類最初のワクチンとして利用したことからもわかるように、そのウイルス仲間で病原性の低いものに感染すると他の仲間には感染しなくなることがわかっています。

 

コロナウイルスは1本鎖RNAが遺伝子でしたので、これは複製される際にコピーミスが起こりやすく、簡単に変異するため、顔写真として渡してもすぐに化粧や顔そのものが変わってしまいワクチンの効率は時間とともに下がります。

 

しかし天然痘ウイルスの仲間は遺伝子を二本鎖DNAで持っています。

生物は遺伝子にコピーミスが多発すると問題がありますので、DNAはコピーの際に校正機能があり元のDNAと同じように修復されて保存されます。(人間の遺伝情報も二本鎖DNAに記録されています。)

ですので、変異が起きづらく、一族の顔も似通っています。

つまり別のウイルスのワクチンが流用できるというわけです。

※二本鎖DNAウイルスでも変異しないわけではありませんし、一旦、RNAを経由するB型肝炎ウイルスのような例外もあります。

 

天然痘ワクチンは一度の接種で生涯免疫を獲得できると言われていますが、残念ながら昭和51年には種痘そのものが取りやめになったので、昭和50年生まれ以降(48歳未満)の人はまず天然痘への免疫がありません。(このあたりは推理小説なんかで種痘痕があるから何歳以上~なんて遺体の年齢判別で使われているので知っている人は結構いるかも?)

これは世界的に似た傾向です。ある時期に天然痘が世界中で撲滅されたため、ほぼ同じような時期に天然痘ワクチンは接種されなくなりました。

今のサル痘患者の多くは40代以下に偏っています。

※国によっては全員に種痘を行っていない(物理的にも経済的にも不可能だった)こともあり、必ずしも若い人だけの病気ではない可能性もあります。

 

幸い、天然痘ほど人間に最適化されていないので感染力は天然痘よりも低く、死亡率も天然痘よりは低いようですが、対抗手段があるというのはさらなる安心材料ですよね。