今日久しぶりにプロ野球観戦に行ったんだ。

席は一塁側スタンドの前列でね、ピッチャーの球が速いのなんの。

僕の隣に座る小さき少年が声を枯らして応援する。
選手はそれに応えてヒットを打つ。

フライドポテトを頬張りながら感動しちゃったよ。
あぁ僕もプロ野球選手になりたいなって。

そしてアナウンサーと結婚するんだ。
大木アナと。

子供は2人欲しい。
男兄弟がいいな。

名前は“アケミツ”と“リョウキ”にしよう。

アケミツにはイルカの調教師になってほしい。
リョウキには上田ジュニアとしてプロ野球選手だ。

そして夢の親子対決。

僕は九番打者でリョウキは日本を代表するエース。

ワンポイントポジションからリョウキは160キロの豪速球を投げる。

僕はそれを頭で受ける。

「親父ぃ~!」

とリョウキは膝から崩れた俺の元に駆け寄る。

「良い…球だった…ぜ…」

僕はこの言葉を最後に死ぬんだ。



試合中ずっとそんなことを思ってたよ。