とりあえず俺は怒り狂うアヤミをなだめ、できたてホヤホヤのカップルだと自己弁護をした。

「…ホントに今日から付き合ったの?」

「嘘じゃないぞ。」

「………」

あれ?
嘘だ!って疑ってくると思いきや、意外だ。
彼女は何か考えてこんでいる。

「…アヤミ?」

「彼女の写真ある?」

「は?」

何故そんな展開になる。

「いいから見せて!無いの?」

無いことはないが…。
ゼミの集まりの時に撮影したものがあるけど(盗撮じゃないぞ)

俺の50万画素のケータイカメラに向かってニッコリと可愛らしい笑顔を見せる彼女の写メをアヤミに見せてやった。

すると彼女は

「あ…やっぱり…」

と呟いた。

「なにが“やっぱり”な…」

“口付けしたあの夏の思い出にさ~よ~な~ら~♪”

今度は電話着信だ。
ディスプレイは、やはり“ななみ”と表示していた。

「出ないで!!」

「…え?」

一声遅かった。
俺は通話ボタンを押してしまった。

「切って!!!」

鬼以上の形相で俺に指示をする。

「早く!!!」

(ごめんよ、ななみ…)

俺は心痛む思いで終話ボタンを押した。

そして

「なんでだよ!?」

とアヤミの理不尽で意味不明な指示にキレた。

“あなたを~見る度強~く~な~れ~るぅぅ~♪”

見ずとわかるだろう。
恐らくななみからのメールだ。

「彼女に一言謝ってもいいだろ!?」

俺が怒っているのを余所にこの短気女、ケータイを弄っていやがる。

「聞いてんのか!?」

「…探知されたわ。」

「あ?」

逃げるわよ
と彼女は俺に催促をする。

「ちょ…どーゆーことだよ?」

「今きた彼女からのメールを見ればわかるわ。」

…?

俺はケータイに目を落とし、未読メールを開いた。


メール着信
“ななみ”



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何でコリンのアジトにいるのですか?
今からそちらへ伺いますね
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