…で、その超クレイジーな爆弾は処理できたのか?
もし未処理なら合い鍵を持つ両親が誤って施錠解除しちまったら…

「我々にあの爆弾を処理することは不可能でした。」

!?
野放しかよ!?

「ですのであのアパートを本部の方へ転送しました。」

「へ?」

「そうだな。その方がいいな。」

武田は腕を組み、共感した。

いや、意味わかんね。
どゆこと?

「あなたのアパートごとコリンに移動させたってことよ。」

彼女は俺の疑問を察し、教えてくれた。

…ってことは

「今あの場所に俺んちはないってことか!?」

「いえ、代わりのダミーを建てておきました。」

爆弾処理男は冷静に答えた。
お前らなんでもありだな。

「…じゃあ俺は今夜、偽物の我が家で寝るわけか…。」

頭を掻きながらポツリと愚痴をこぼすと

「いいえ。アキト様はしばらくの間、ここに居てもらいます。」

武田に続いて彼女が

「一歩も外へ出さないわ。」

監禁宣言をした。

「いやいやいやいやちょっと待て!そんな話一言も聞いてないぞ!?」

俺はただ彼女に「ついてきて」と言われただけだ。
何故お前等に俺の自由を奪われなきゃならねぇんだ。

「つか精子データってなんだよ!?」

そう。
まだ話が途中だ。
俺がここにいて、そして監禁される理由を教えろ!

「はい、ではお教えします。ついてきて下さい。」

また「ついてきて」か…。もうウンザリだ。

俺はしぶしぶ了解し、鉛のように重たい腰を上げた。