疑問その1
「まず、精子データってなんスか?」
この騒ぎの根本は俺の精子らしい。
俺がデリヘルなんか呼ばなかったらこんな事にはならなかったはず。
俺はアヤミちゃんから差し出された水をコクリと飲み、フワフワなソファーに腰をかけ、回答を待った。
「…その前に我々がエルスに居る理由はご存知ですか?」
武田さんは回答じゃなく、質問をぶつけてきた。
ここで補足、
エルス=地球、又は地球人な。たぶん。
住居理由か…確か昨日、アヤミちゃんがなんか言ってたなぁ。
でもあの時全く聞いてなかったし…
「忘れました。」
と俺は素直に答えた。
俺と向き合うようにソファーに座った武田さんは
「地球人の生体を調査するためです。」
と彼女が差し出す水を受け取り答えた。
あっ思い出したぞ。
「確か…資源の少ないこの地球で、ここまで文明を発達させた人間に興味があるんでしたっけ?」
そんなことを彼女は言っていた気がする。
「その通りです。」
目の前のテーブルに紙コップを置き、武田さんは続けた。
「我々は全惑星人の中で、エルスの民が一番優れた知能を持っていると考えております。」
いやいや。
「それはないでしょ?」
これは謙遜なんかじゃないぞ?
「もし、あたし達の惑星くらい資源がエルスにもあったら…きっともの凄い文明になっていたと思うわ。」
彼女は難しい顔で持論を唱えた。
そこで俺は
「少ない資源だからこそ精一杯知恵を絞ったんだ。その結果がこうなったんじゃないのか?」
即興で考えた自分なりの意見で反論した。
地球人は俺を含め怠け者が多いからな。
もし地球にたくさん資源があったらきっと宝の持ち腐れだと俺は思う。
「でもここまで文明を発達させたのは事実ですよ。」
武田さんは結果論を言ってしまった。
それを言っちゃ討論終了だよ。
俺は小さくため息を吐き
「で、そんな賢い地球人のDNAを研究しようと、デリヘルで精子を採集していた訳ですね?」
答えに限りなく近い質問をした。
金も稼げてまさに一石二鳥だ。
「やはり鋭いですね。さすがエルスの民です。」
いや、ここまで話を聞けば地球人じゃなくても容易く推測できると思うけど。
「でも採集の理由は研究だけのためではありません。」
男は少しゆるんだネクタイを締め直し
「我々がエルスにいる一番の理由…それは、コリンとエルスの混血種を造りたいからです。」
「まず、精子データってなんスか?」
この騒ぎの根本は俺の精子らしい。
俺がデリヘルなんか呼ばなかったらこんな事にはならなかったはず。
俺はアヤミちゃんから差し出された水をコクリと飲み、フワフワなソファーに腰をかけ、回答を待った。
「…その前に我々がエルスに居る理由はご存知ですか?」
武田さんは回答じゃなく、質問をぶつけてきた。
ここで補足、
エルス=地球、又は地球人な。たぶん。
住居理由か…確か昨日、アヤミちゃんがなんか言ってたなぁ。
でもあの時全く聞いてなかったし…
「忘れました。」
と俺は素直に答えた。
俺と向き合うようにソファーに座った武田さんは
「地球人の生体を調査するためです。」
と彼女が差し出す水を受け取り答えた。
あっ思い出したぞ。
「確か…資源の少ないこの地球で、ここまで文明を発達させた人間に興味があるんでしたっけ?」
そんなことを彼女は言っていた気がする。
「その通りです。」
目の前のテーブルに紙コップを置き、武田さんは続けた。
「我々は全惑星人の中で、エルスの民が一番優れた知能を持っていると考えております。」
いやいや。
「それはないでしょ?」
これは謙遜なんかじゃないぞ?
「もし、あたし達の惑星くらい資源がエルスにもあったら…きっともの凄い文明になっていたと思うわ。」
彼女は難しい顔で持論を唱えた。
そこで俺は
「少ない資源だからこそ精一杯知恵を絞ったんだ。その結果がこうなったんじゃないのか?」
即興で考えた自分なりの意見で反論した。
地球人は俺を含め怠け者が多いからな。
もし地球にたくさん資源があったらきっと宝の持ち腐れだと俺は思う。
「でもここまで文明を発達させたのは事実ですよ。」
武田さんは結果論を言ってしまった。
それを言っちゃ討論終了だよ。
俺は小さくため息を吐き
「で、そんな賢い地球人のDNAを研究しようと、デリヘルで精子を採集していた訳ですね?」
答えに限りなく近い質問をした。
金も稼げてまさに一石二鳥だ。
「やはり鋭いですね。さすがエルスの民です。」
いや、ここまで話を聞けば地球人じゃなくても容易く推測できると思うけど。
「でも採集の理由は研究だけのためではありません。」
男は少しゆるんだネクタイを締め直し
「我々がエルスにいる一番の理由…それは、コリンとエルスの混血種を造りたいからです。」