俺は金縛りの解除条件通り、鍵を回さず静かに扉から後ずさった。

そしてようやく彼女の方を振り向くと、彼女はニコリと笑って

「ありがと」

と言った。

さて、何から聞こう?
ツッコミどころ満載とはこのことだな。

「君は…ホントに宇宙人なのか…?」

やはりこれが一番聞きたい。

彼女はコクリと頷き

「はい。」

と答えた。

…信じられないがあんな超能力を使えるんだ…。
例え宇宙人じゃなくてもただ者ではない…。

「…俺の部屋に爆弾が仕掛けてあるってのも…マジか?」

「仕掛け場所はあなたの部屋ではないわ。このアパート全体が爆弾と化したの。」

…このアパート自体が爆弾…?

「その起爆装置があなたの部屋の鍵穴でした。」

「…それを仕掛けたのが…?」

「エリオネットの人達です。」

…。

「そいつらは俺に恨みがあるのか?」

「いいえ。」

あ~もう
意味分からん!
無性に腹が立ってきた…。

「今回の事件はアキトさんの精子が大きく関係してます。」

「なんで俺の精子が爆弾と関係すんだよ!」

八つ当たり気味に聞いた。

「それは後ほどお話します。ついてきて下さい。」

彼女は夏らしい白いワンピースを揺らしながら階段を下りた。

従うしかなさそうだな…。