~エンジェルランド☆イキイキヘブン~

いかにも…というトップページが俺のウィンドウズ2000に映し出される。

彼女と別れて3ヶ月。
俺の性欲は有珠山噴火の如く、今にもはちきれんばかりだ。

052-991-8981

念のため非通知でその店に電話した。




プルルッ

「はい!エンジェルランド☆イキイキヘブンです!」

ワンコールに満たない速さで愛想の良さげな声の男性が電話に出た。

「あ、もしもし…初めてなんですけど…」

「御新規様ですね?ではお名前、御年齢、電話番号、ご住所をお願いします。」

男はハキハキと話す。

個人情報を風俗店に教えるのは少し怖いけど…

「…波瀬アキトです。波瀬のハは波で、瀬は瀬川瑛子の瀬です。」

「ハセアキト様…はい。では御年齢をお願いします。」

「23歳です。」

「23歳…はい。」

急いでペンを走らせる音が聞こえる。

「では電話番号とご住所をお願いします。」

「はい。080-6970-3369で、住所は名古屋市北区成願寺2-5-4です。」

「………………はい。」

どうやら全ての事項を書き終えたようだ。

「では、どのようなタイプの子をお届けしましょう?」

タイプ…

「えっと…目が大きくて、髪の毛はセミロングの茶髪で…笑うとえくぼができて、声は舌っ足らずで…」

「あの…お客様?」

男は少し困惑した声で話を遮る。

「私が聞いているタイプは、ロリ顔とか巨乳とか…そっちのタイプのことですが?」

あ、そうすか。

別れた彼女の容姿を見ず知らずの男に話しちゃったよ。

「…じゃあロリ顔巨乳で。」

「はい!かしこまりました!すぐそちらへ伺わせます。」

人生初のデリヘルだ。

俺の心臓はDOKI☆DOKI☆と好奇心と性欲の混ざる血を体中に巡らす。

まさかあんな事態に巻き込まれるとは知らずに。