シャッシャッ…

二人だけの空間に、キャンパス上を走る黒鉛の足音が響く。

「はぁ…。」

桜を眺める横目で、一生懸命絵を書く美しいさき先生を見る。

ため息が出るなぁ。

そんな俺のモデル体勢は

窓際で箱馬に座り、流し目で外の桜を眺める。
いわゆる黄昏体勢。

「あ、体辛いなら動いてもいいよ。」

さき先生優しいな…。
こんな俺をモデルに使ってくれるなんて。

普通の女なら俺のコト
「臭い、キモい、口臭」で一蹴するけど…
やっぱ大人の女性はいいね!

「よし!下書きできたぁ!」

お。
速いな。

うぉ!
しかもめっちゃうめぇ!

「タイトルも決まったぞ!」

パレットに絵の具を置く。

「タイトル?何にするの?」

さき先生は輝く笑顔で答えた。

「黄昏ブサイク!」