明日は他人の私へ。

 

『おしえて! BLソムリエお兄さん』で、

あれこれ読みたくなっちゃって。

 

それでつい

江戸川乱歩『孤島の鬼』を選んじゃったんです。

 

だってほら、

江戸川乱歩って

コドモゴコロにおっかなかったから

なんやかんやで読んでない作品が多い。

 

  読んでいて時々白石加代子が出演する。

『孤島の鬼』、青空文庫にもあります。

 

角川ホラー文庫の巻末にはこんな注意書きが。

 本書中には、今日の人権擁護の見地に照らして不当・不適切と思われる語句や表現がありますが、作品発表時の時代的背景を考え合わせ、また著者が故人であるという事情に鑑み、底本どおりとしました。
なお本書は、一九七三年から一九七四年にかけて小社より文庫本として刊行されたものを再構成したものです。  編集部

毎度思うんだけど、

こういうのって冒頭に置いといたほうがよくない?

 

小説は、私の場合、すべてではないけれど

読んでいて脳内で映画化されることがあります。

 

孤島の鬼は、脳内映画化された。

 

 

怖かった。

 

もう、

洞窟のなかのシーンがな!

息が詰まるほど真っ暗でな!

ああもうなにやってんだよ蓑浦!

 

島内をうろつくシーンでは

そこにいるはずもない白石加代子が

そこここでこちらをじっと見ていたり

微笑んで手招きしているような気がしたのは

 

あれだ、

身毒丸の記憶だ。

 

怖かった。

 

でも舞台はさあ、

おしまいで演者たちが挨拶するから

あれで現実にかえしてもらえるのがいいですよね。

そういう意味で宝塚は、

うわなにしやがる日常に帰しやがれ!

て言いたくなる暴力的な華麗さがすごかった。

 

あらすじはもう

コミカライズも含め

表紙が様々で美しく

お察しなあれだし、

ならべてみた。

 

孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫 え 1-7 江戸川乱歩ベストセレクション 7)

 

孤島の鬼(1) (ARIAコミックス)

 

江戸川乱歩傑作集 孤島の鬼 (ぶんか社コミックス)

 

孤島の鬼 (ビーボーイコミックスDX)

 

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼

 

なんかもう、
下手にあらすじ説明するよりか
ね、もう、これで、ね、
て思ってしまう。

 

 

  諸戸道雄ぉぉ……

え、さて。

 

『ソムリエお兄さん』で、

全人類が「諸戸道雄ぉ……」てなる、

とありましたが、

 

なった。

 

諸戸道雄ぉぉ……

 

簑浦、こいつもうサイコパスだよ。

諸戸に愛されてることを知りながら

しかもゴリゴリのノンケだから

絶対に受け入れる気がないくせに

自分の建てた外科病院に諸戸を迎えようって

楽しみにしてるんだぜ?

 

これが、これがBLだったなら、

絶対に諸戸の理解者とかが脇役にひとりいるんだ。

本作中では全然諸戸に相手にされない、

なんなら疎ましがられたりしてる脇役がひとりいるんだ。

そしてスピンオフで二人は結ばれたりするんだ。

 

でもな、江戸川乱歩なんだぜ、これ。

BLじゃ、ないんだぜ。

 

だから全人類は、

 

諸戸道雄ぉぉ……

 

て、

うめくほかないのである。

 

  実写化するなら。

あまりに諸戸が気の毒で。

実写化したら誰がやるのか妄想しました。

 

三浦涼介さんなら?

諸戸も簑浦もいけそう。

 

朗読劇で、一人二役でやってくれたら

妖しくて良さそう。

 

とか思ってたら

 

リンク先はダ・ヴィンチweb

坂口健太郎「諸戸道雄を演じてみたい。すべてがむき出しのロマンチックな存在」

 

ああ!

あり!

 

途中で殺される探偵役は

佐藤二朗さんでどうだろう。

いいあんばいにバランス取ってくれそうじゃないか。

 

なんて思うのは、

映画『変な家』を

みようかどうか

まだ迷っているからです。

佐藤二朗さん出てるし

みたいんだけど。

マンガはちょっと読んでるけど。

ホラーな仕上がりだそうなんで。

 

ああ、私、ホラーはダメなんだった。

 

ではやっぱり『孤島の鬼』は

三浦涼介さんの朗読劇でお願いしたい。

それでもそうとう怖いんじゃねえかな。

 

ではまたいずれ。

ごきげんようごきげんよう。

 

この空しい人生の日々に
わたしはすべてを見極めた。善人がその善のゆえに滅びることもあり
悪人がその悪のゆえに長らえることもある。
善人すぎるな、賢すぎるな
どうして滅びてよかろう。
悪事をすごすな、愚かすぎるな
どうして時も来ないのに死んでよかろう。

(『コヘレトの言葉』第7章第15〜17節)