「ロス疑惑」の終焉に思う | Stay Hungry, Stay Foolish

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仕事90%で突っ走ってきたこの7年。そろそろ形にする時がきたかな。

三浦氏の自殺は、結構ショックなできごとだった。


20代の人はわからないと思うけど、私たち40代以上の者にとっては、「ロス疑惑」のフィーバーのすごさは今も記憶に残り続けている。


この事件は、よく考えれば「保険金目当てに妻を殺害した容疑」という、社会的にみればさほど大きな事件ではない。

にもかかわらず、

登場人物がみな美男美女、元女優、外人捜査官など派手なうえに、三浦氏の怪しくも挑戦的なキャラがマスコミの格好の餌食となり、

「疑惑の銃弾」として最初にこの事件をとりあげた文春をはじめ、ワイドショーでは毎週連日この事件のことを取り上げていた。

当時はインターネットもなかったわけで、今思えばあのころ、ワイドショーの「権力」は絶大だったなあと思う。


最近の報道で気になっていたのは、「三浦元社長」という肩書き。

そうだ、三浦氏は輸入雑貨を扱う会社の経営者だったのだ。

80年代前半というと、ちょうどバブル期まっさかり。記憶は定かではないが、当時渋谷のパルコ?かなんかにフラミンゴの照明とかを扱う雑貨店を経営していたはず。

そのせいか、三浦氏はかなりオシャレだった。逮捕の時のアロハシャツにハンティングワールドのショルダーというスタイルは、犯罪の逮捕者にしては異常に派手でフォトジェニックだった。


三浦氏の会社は、当然のことながらとっくの昔に飛んだのだろう。

殺害動機は知らないが、輸入雑貨だったら運転資金がかなり必要な業種なので、「経営資金の補填」のためお金が必要だったのだろうか。

結果として三浦氏は、経営者として失敗しただけでなく、人生の大きな失敗を犯し、自らの命を、それも因縁の地で絶つことでその一生を終えた。



昨日たまたま、稲森和夫氏の「『成功』と『失敗』の法則」という本を読んでいた。

その中から経営訓を抜粋。

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「他に善かれし」と願う、美しい「思い」は、周囲はもちろん天も味方し、成功へと導かれる。

一方、いくら知性を駆使し、策を弄しても、自分だけよければいいという低次元の「思い」がベースにあるなら、周囲の協力や天の助けも得られず、様々な障害に遭遇し、挫折してしまうのです。

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三浦氏の自殺前の姿は、23年の月日が流れたとはいえ、疑惑で騒がれていた頃とは別人のように老いていた。


人は犯した罪のぶんだけ、人を苦しめたぶんだけ、

同じ人生の中で、おかえしの苦しみとして受け取らなければならないのだろう。



三浦氏のことを言っているのではない。

自分に対しての戒めとして、

生きるたたずまいを正さねばと強く思うのである。


合掌。