📚『ポストコロナの生命哲学』(集英社新書)を読みました🍀


昨年の8月1日に放映された、NHK📺BS1スペシャル『コロナ新時代への提言2・福岡伸一❌藤原辰史❌伊藤亜紗』の番組内容や未放送シーンに加え、その後3人がニューヨーク、京都、東京からオンラインで“鼎談”した新たな内容を加えて書籍化されたものです。


サブタイトルの、“「いのち」が発する自然(ピュシス)の歌を聴け”をテーマに、ロゴスの力によって種の保存よりも個の価値に重きを置けた私たちが、コロナ禍を通して突きつけられた、ピュシスのリベンジにどう落とし前をつけるかについて、3人の論客が、実に多層で多様なメッセージを繋いでいきます❗


🌟伊藤亜紗さんの、「コミュニケーション論」
🌟藤原辰司さんの、「負の歴史論」
🌟福岡伸一さんの、「動的平衡論」


そして、3人の共通点でもある、「風の谷のナウシカ」をメタファーとした「ポストコロナ論」は、実に示唆的でした‼️


ピュシス(自然)の摂理をに従いながらも、ロゴス(言語)を武器に、排除なき共生を体現するナウシカ・・・


ナウシカが、究極のロゴスの神殿である“墓所”を破壊してまでも、果たそうとしたメッセージこそが、ウィルスの利他性と共に生きるということ。


ピュシスとしての我々の生命の在り方を見つめる視座が、今、問われているのかもしれない‼

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人間とは不思議な生物である。脳を肥大化させたおかげて、経験から同一性を抽出して法則化し、特殊を集めて一般化し、本来はすべてが一回性の偶然である自然の中に、因果律を生み出した。つまり、自然(ピュシス)を論理(ロゴス)に変えた。


科学は、ロゴス(理論)の輝かしい勝利である。その中でも、分子生物学がこれほどまでに科学の王座を勝ち得たのは、遺伝子がとてもロゴス的に見えたからだ。遺伝子はデジタル信号の配列で、それを書き換えれば、アルゴリズムが変更され、結果も変わる。生命の本質は情報である。ロゴスはそう高らかに宣言した。


本書の議論の中心命題もそこにある。生命を情報と見過ぎたこと、ロゴス化し過ぎたことが、いったい何をもたらしたか。今、切実に求められるのは、この反省の上にたった、ポストコロナの生命哲学である。


今私たちが経験しているのは、ロゴスの裂け目から、漏れ、溢れ、流れ出しているピュシスからのリベンジである。かくして、私たちは元の場所戻らざるを得なくなる。そして、こう叫ばざるを得ない。自然(ピュシス)の歌を聴け、と。


 ※本書「序」より抜粋